私は、ほかの人々と同様に幾度となく挫折を経験した。挫折を経験することにより、人間は一回りも二回りも大きく成長できるのだろう。
四年前、十勝の池田町田園ホールで「生きる意味の探し方」と題した講演を聞いてきた。講師は東京工業大学の上田紀行教授で、同氏は若い時に様々な挫折を経験してきたらしい。「人間は挫折して初めて、生きる意味が分かってくる」と語っていた。
自分の味方・考え方を少し変えることにより生きる意味が分かれば、身近な人も大切にでき、彩りのある人生を送れるはずである。自分よりも優れた人がたくさんいることにも気づき、自分が持っているプライドが、取るに足らないものだと分かってくる。
人生は、失敗してもリスタートできる仕組みになっている。人生は終わってみないと分からないので、「天国に行くときに満足できる人生だった」と思うような人生を歩みたいものである。
ところで、日本は人口減少と物価上昇が加速している。日本は、食料や原油などの原料や資源を輸入に頼っているので、スタグフレーションに陥っているのである。スタグフレーションとは、不景気にもかかわらず物価上昇が続く状態のことで、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が併存する状態のことで、現在の日本の状態でもある。
先日、ニュースを聞いていたら、日本経済は需給ギャップで26兆円の供給過多にあるという。供給過多であれば、物価は下がるのが原則であるが、このところの戦争もあり物価上昇が続いているのだ。
自分の周りを見渡すと、戸建て住宅・マンション・介護施設・グループホームなどが立ち続けている。これは、経済を作っている有効需要の投資にあたるが、いつまでも続かず値崩れを起こすと思っている。
また、これ以上に円安が進むと、輸入の大部分を占める食料価格や原油が上がるので、多くの国民生活が困窮する恐れがある。先日、スーパーに行って気づいたのであるが、物価の上昇が半端でないのである。値段が同じでも分量が減ったものもあるので、実質値上げである。
80年後の日本の人口は、3人に2人が減る4千万人台の予想もある。もっとも、人口が減ると東京一極集中が解消し、住みやすくなるかも知れない。50年後の北海道は、札幌市に次いで帯広市が人口の多いまちになると思っている。
全国各地に住んだ者として感じるのであるが、十勝は日本の食糧基地と言われるだけあって農作物の糖分が高く美味しく、人口の多い旭川市や函館市が人口急減しているのである。
「十勝の活性化を考える会」会員