先日、12名参加の小さな俳句会の月例会があった。昨年の11月に入会したばかりで名前と顔が一致しないが、その中に入会を勧めてくれた女性恩師の姿があった。
恩師は視力を失っており、伴侶に連れられての参加であった。私のそばに座ったので、声を出して俳句を詠んだり、いろいろと気を使った。恩師は嬉しかったらしく、“親切にしてくれてありがとう”と言った。
しかし、障害者の私にとっては当たり前で、“お互いさま”である。このように、当たり前のことを失っているのが現代社会ではないだろうか。このことは、障害者になってはじめて気づくことが多い。
人間関係は、「してあげる」や「してもらう」という関係ではなく、お互いに支え合う関係が大切である。すなわち、共生社会である支えられるということは、支えることの社会である。
このような関係は、知人である“難聴者”と“視覚障害者”の関係にもあてはまる。お互い障害者同士が、支え合って生きているのである。ただ、このようなフラットの関係が、人間社会には少ないようである。
例えば、お医者さんと患者の関係。国会議員と市町村議員、住民などの関係である。全てのことではないが、人間には謙虚さを持つことが大切である。プーチン大統領や習近平最高指導者に見られるように、権力を持つと否応なしに強くなっていくようである。
もっとも、人間はリーダーになれば強くならないと国を統率できないことは確かである。日本の政治家を見ていて、国民をぐいぐい引っ張る強いリーダーが出てくるのを願わずにはいられない。
「十勝の活性化を考える会」会員