企業でも組織でも「リーダー」に求められるのは、何であろうか。夢を語りビジョンを示し率先して行動するような、いわば「引っ張る役割」であろう。
もちろん、今でもそういうタイプのリーダーは活躍しているのであるが、それだけで会社は機能しない。今、求められているのは、「人を育てられるリーダー」の存在である。なぜなら、あの日産でさえ、ゴーン社長のもとでイエスマンばかりが育っておかしくなったのである。
サラリーマンは面従腹背も必要だが、眼横鼻直も必要でないだろうか。“眼横鼻直”という言葉は、「眼は横に並び鼻は縦に顔に付いていること」のように、当たり前のことを行なうことをいっている。無理が通れば道理が引っ込むというような国は、日本の将来を担う子供に良くないので、改めなければいけないと思っている。
安倍晋三元首相が銃殺されて葬儀が執り行われた。この葬儀にあたって帯広市教育委員会が半旗を掲げるように指示したことが全国ニュースで流れていたのを覚えている人もいるだろう。その状況は詳しくわからないが、このニュースを聞いて残念に思ったのは、教育委員長の蛮行を止めに入らなかった取り巻きたちである。
日本経済は大規模金融緩和と財政出動などを柱とするアベノミクスによっても低成長から抜け出せず、今は急激な円安の一因となり国民生活を苦しめている。企業の業績改善が賃金を上げ、消費を活発にさせる「経済の好循環」は起きなかった。安倍政治は、忖度する官僚が彼を支えたように、日本の国は忖度がありすぎて、失われた20年になったのではないだろうか。
首相に関連するが、作家三島由紀夫は小説家で有名であったが、晩年、「楯の会」という軍隊的な集団を結成した。日本の文化と伝統を重んじる戦士共同体として組織され、自衛隊の決起を呼びかけたが不調に終わり割腹自殺で最期を遂げている。もし彼が首相であれば、武士道を重んじたウソの言わない政治をしたと思われ、返す返すも残念に思う。
ところで、日本の常識は世界には通用しない。人間はいつも、自分より上の立場にいる人などを“偉い人”という。偉い人が、いつも正しい行動をとるとは限らないのである。岸田文雄首相が国葬を決めたが、国民の反対意見が約6割と多いので“勇み足”だったかも分からない。
私にとって偉い人とは、アフガニスタンで医療や灌漑事業に命を捧げた“中村哲医師“や、スーパーボランティアの“尾畠春夫氏”のような人である。尾畠春夫氏は、東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨などの多くの被災地で、ボランティア活動をしていた。
彼の言葉は次のとおりで、考えさせられるものがある。
■虫が穴を空けた野菜を食べるんよ
■好きな言葉は、「汗かく」「恥かく」
■人間ほど悪くて最低な奴はいない
■天よりも高く、海よりも低く、五感を働かせて生きろ
■石にかじりついても生き抜く
■苦しい時こそ、半歩でいいから外に出て
■口がうまい人よりも、手を動かす人が好き
■リーダーは、男より女性がいい
■政治家がダメなのは、選んだ国民が悪いんよ
「十勝の活性化を考える会」会員