鍼灸師の専門学校|東京メディカルスポーツ専門学校鍼灸科

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鍼灸師ができる認知症へのアプローチ

2011-02-08 | Weblog
鍼灸師科の大石です。



「単なる“もの忘れ”と“認知症”とは違います。ただのもの忘れで片づけていませんか?」

と視聴者に呼びかける、ちびまるこちゃんのCMを見た事がありませんか?



認知症とは、単なる物忘れではなく、認識・記憶・判断に関わる脳の領域が障害を受け「ごはんを食べたことを覚えていない」
「自分のいる場所がどこなのかわからない」など、当たり前にわかりそうな事が理解できなくなる状態を指します。
また、“認知症”という言葉は病名ではなく、特有の症状を示す状態を総称する言葉で、高齢になればなるほど発症の危険が高まります。
つまり、特別な人に起こる特別な病気ではなく、歳を重ねれば誰にでも発症する身近な病気なのです。

現在、日本国内の認知症患者は約170万人に上ると言われ、2035年には現在の倍以上の376万人になるだろうと推測されています。
認知症を克服していくことは、日本だけではなく世界的にも高齢社会における最大の課題なのです。

現在、私は認知症認定鍼灸師育成講座(GーQPD(ゴールド・キューピッド))というものに参加しています。



この講座は、認知症に対するケアの知識や理解を深め、認知症を患う高齢者への関わり方・対応方法を実際の現場で体験し
所定の鍼灸手技を習得することで、その修了者は誰でも同等の治療効果を収めることができ、認知症に特化した鍼灸師の育成を到達目標としています。

“GーQPD”とは、その名の通りギリシャ神話に出てくる“キューピッド”に由来しています。
キューピッドは、背中に羽根をつけて黄金の矢(恋の矢)を持ち、その矢に刺された人を恋に燃え上がらせると言われます。
私達はこの黄金の矢を鍼にかえます。G-QPDには認知症や不定愁訴で悩む高齢者を恋に燃え上がらせるほど元気な姿に変え、
健やかな長寿社会を目指していくことのできる社会を創造しようという想いがこめられています。



10月に参加した講座では、認知症に特異的な鍼灸処方を開発された天津中医薬大学鍼灸学教授で第一医院院長の韓景献教授、
日本で中医学を広められた第一人者の兵頭明先生、日本医科大学の北村伸教授、舞浜倶楽部のグスタフ・ストランデル総支配人など
そうそうたる方々が登壇され、その他にも中医学を代表する講師陣により認知症に関する知識や研究を学ぶことができました。



次回ブログでは、先月に参加した講座の様子をお伝えしていきます。



大石 知絵子先生(鍼灸師)

主に鍼灸科2部(夜間部)の授業を担当。
鍼灸師の資格取得後は2年間の中国留学も経験。中医学(中国の医療)の研究にも積極的に取組んでいる。
現在、認知症認定鍼灸育成講座(G-QRD)に参加し、認知症に対する鍼灸アプローチの研究を重ねている。

先生方も日々研鑽を続けます。東京メディカルスポーツ専門学校の鍼灸師科はこちら