tokyoonsen(件の映画と日々のこと)

主に映画鑑賞の記録を書いています。

『トランセンデンス』

2014-07-19 20:55:50 | 映画-た行
 単刀直入に言うと、レベッカ・ホール演じる妻に振り回されっぱなし、という話なんじゃないだろうか。
 夫のウィル(ジョニー・デップ)が、「アップロードして欲しい」と言ったわけでもないし。

 二度殺される身にもなったらいかがか。ジョニー・デップはそれでも優しく(何かが欠けた優しい人、というのが定番である)、二度目は妻を看取るわけですが(ネタバレすみません)。

 それはそれで良い話です。

 そこで大作などと言わずに、B級SF=「ある夫婦の話、しかし設定がちょっと奇天烈」という感じだったら、私は楽しめたような気がする。そうだったら多分面白いです。
 


 ところで製作総指揮のクリストファー・ノーランの書いた記事こちら→ WSJ7月9日「映画館は生き残る」
 
 映画館は、スマホとの差別化に汲々とし、デジタル化により公共テレビのような性質を持つ(byクエンティン・タランティーノ、客の入りによってチャンネルをすぐに変えられる、チャンネル権は映画館主か映画配給会社)。
 その後、とびきり大きく、とびきり美しい場所として、人々に壮大なスペクタクルの非日常を提供するようになるだろう。スペクタクルだけではない、人々を何時間も惹きつけておける独創的な作家を生み出す土壌にもなるだろう。

 
 …みたいなことを言っている。

 映画は常に、another storyである。
 製作側が組み換え、組み直し、解釈をし直し、または解釈を創造する、(ここではない)ある物語だ。観客もそれぞれに解釈を創造しているので、隣の人が何を思って観ているのか分からない。
 面白さで言えば、壮大だろうと壮大じゃなかろうと、独創的だろうと独創的じゃなかろうと、私にとってはどちらでもいい気がする。だから映画館も、とびきり大きくもとびきり美しくなくてもいい気がする。
 クリストファー・ノーランが「それが良い」と言ってるわけではないけど。あくまで予測なので。どうでしょう。



 『トランセンデンス』、ウォーリー・フィスター監督、2014年、アメリカ。

    
  
    

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