ジョーちゃんのつづき

「ジョーがいなくなった」
旦那ちゃんから連絡が入ったのが、午後５時くらいだったでしょうか。
４時頃、電気代を払いに行ったときに、追いかけてきたらしいとのこと。
まぁ、いつものことだし、家から道に出るまでかなりの広場を横切らなければならないし、
いつも着いてきても、途中で諦めて家に帰ってるし。
仕事をしながらも、大丈夫かなぁ・・・大丈夫でしょう・・・という思いと、
ここテニアンでは、車に轢かれることも珍しくないので、半分、諦めの覚悟を自分なりにしてました。
外に居た人たちに「犬、轢かれてなかった？」と確認し、とりあえずブロードウェイでは大丈夫だと再確認。
６時頃、旦那ちゃんがひょいと職場に顔を出しました。
心配してるのがバカらしいので、家で待つのはやめて泳ぎに来たとのこと。
家から探しながら自転車で来たけど、見つからなかったとのこと。。。
そう語る旦那ちゃんは、かなり心配で押しつぶされそうな様子でした。
仕事が終わり、車でゆっくり周囲を確認しながら家への道を走っていたら、
旦那ちゃんが切れ始めました。
「もっと早く走ってよっ。待ってるかもしれないじゃん！」
「だって、その辺から飛び出してきたら轢いちゃうでしょ！」
「もう、探したんだよっ！」
旦那ちゃんは、涙こそ出しませんでしたが、むせび始めました。
意外でしたね。普段可愛くないを連発してるのに（笑）
ドキドキしながら、家に到着すると・・・居ませんでした。。。
あぁ、誰かに連れて行かれちゃったのかもなぁ。
可愛がられるならいいけど、食べられちゃったらショックだなぁ。。。
色んな気持ちが交錯しました。
私は、懐中電灯を持って、とりあえず近所の人と言ってもかなり離れてますが、
何か情報はもらえないかと歩き始めました。
旦那ちゃんは、探したを連発。よっぽど探したんでしょうねぇ。。。
でも、私は探してないので、歩き始めました。
「ジョー！ジョー！」と叫びながら・・・。
しばらくして、道を下った近所のお庭で飲んでいた人たちに
「子犬を探してるの。知りませんか？」と声を掛けました。
よっぽど、心配そうだったんでしょうか？
口々に「見たよっ。ピックアップの後ろを追いかけてった。タグが付いてるでしょう？」
と教えてくれました。
「旦那を追いかけていたんですっ」
うわー、確かにこの道をジョーは走ってたんだ。。。
「ありがとうございます！」
急いで、道を下っていきました。
振り向いて旦那ちゃんに教えようと思ったら、懐中電灯の小さな光が道を登っていくのが見えました。
大声を出して名前を呼んでも聞こえません。
とりあえず、アホ犬ジョーの名前を呼びながら坂道を下り続けＴ字を曲りました。
すると、少ししたところで、足に何かがしがみつく感触が！
びびって懐中電灯を当てたら・・・ジョーでした。
「ジョー！！！」
それはもう、大喜びでしがみついてきました。
たぶん、必死で追いかけてきて追いつけなかったところがここなんでしょう。
家から歩いて１５分くらいの近場でジョーは家に帰る道が分からなくなって、
日が沈んで真っ暗闇の中、タガンタガンの林に潜んでたようです。
抱きかかえて、今度は旦那ちゃんの名前を呼びながら今来た道を登ります。
途中の目撃情報を教えてくれた家にお礼を言い、息をきって帰ります。
いつもの広場が分かるとジョーは自分でさっさとお家に帰ってしまいました（笑）
お水をたらふく飲み、少し落ち着いたところで、旦那ちゃんが戻ってきました。
なんだかご立腹です。。。
ジョーに目もくれず、大工を始めてしまいました。
その尋常ならない様子にジョーも近づくことができず、少し距離を置いて尻尾を振ります。
どうやら、私が先にどんどん行ってしまった事が気に入らず、こんなに心配させるジョーにも怒ってるようでした。
しばらくしてから話し合い、そしてジョーが気を使ってることにも気づいたらしく、
「抱きしめてあげて」
それからは、しばらく２人と１犬がひとつになって・・・泣きそうでした。
その時に、思いました。
父親の反応って、こんなだったなぁ。。。
心配掛けると、だまって背中をむけて何かの作業に没頭するような。
出来の悪い娘を持つ親の気分を旦那ちゃんは体感したのでしょうねぇ。
しみじみした、とっても長く感じた一日でした。

それからと言うものの、ジョーは道に飛び出してまで、追いかけてこなくなりました。とさ。
めでたしめでたし（笑）