【登場人物】
錦覓(きんべき)…楊紫(ヤン・ズー) 花女神の娘
旭鳳(きょくほう)/熠王…鄧倫(ダン・ルン) 天帝の息子
潤玉(じゅんぎょく)…羅云熙(レオ・ロー) 天帝の息子 旭鳳の兄
婚礼衣装を着せた錦覓の亡骸の傍に座り「知っているか。この鳳袍は君が北苑山荘に来た時、作らせた物だ。君と会うたびに目測で君の寸法をとり、10回も作り直させた。君の体に合う物を作りたくて…。驚いたよ、寸分の違いもなかった。私の目測は何とも正確だろう?化粧を施した経験がない。美しく仕上げられなくても怒らないでくれ。本来ならば素顔のままの君が私の中で一番だ」と語りかける熠王。「だが今日は私たちの祝うべき日、だから化粧をしよう、良いな?婚儀を終えたら…」と。
熠王の目から涙がこぼれ、錦覓のまぶたに落ちる。
亡くなった錦覓は亡骸の自分と熠王を見ていた。悲しむ熠王に触れたいが触れられない錦覓。
熠王は錦覓を抱きかかえ外に出る。秦潼に「机上に文がある。傅相に渡せ」と言う熠王。秦潼は急いで部屋の中に入る。
王陵。淮梧君主の位牌が並ぶ中、錦覓を棺に入れた熠王が「これは私と殉葬される者のための酒だ。これでは立場が逆だな。君は約束を破った。だが、私は食言などしない」と言う。見ていた錦覓はその酒を取ろうとするが、通り抜けてしまいどうすることもできない。
「君に誓ったことは1つ残らずやり遂げる」と言い、魂となって涙を流す錦覓の前で熠王は酒を飲んでしまう。
もう1つの杯を手に取り「この床杯を君は飲めない。私が飲もう、よいか?君に振り回され続けたが、私は満足だ。命を捧げよう」と言う熠王。熠王は小屋の出来事からこれまでのことを思い返す。
錦覓の隣で横になった熠王は「君は怒るだろう。王ともあろう者が気ままに国を捨ててよいのかと。心配いらない、手はずは整えて来た。従兄の息子の元錫は誰よりも聡明で度胸のある人間だ。傅相もついている。淮梧の未来は明るいだろう。予想外だった。まさか私が殉死する立場になるとは。だが幸せだ」と言う。そして錦覓の紅蓋頭をめくる。
口覆いも取り「ようやく私の妻となったな。醜いはずでは?こんなに美しい顔ではないか」と言う熠王。熠王は錦覓の手を握り、目を閉じる。
亡くなった熠王が肉体から離れる。棺から出た熠王は、そばで見ていた錦覓の元へ行く。「私は信頼できる男だろう?」と熠王が言う。泣きながら怒っている錦覓は「あなたって、本当に困った人ね」と返し、2人は抱き合う。熠王が「ではこれから君が私のそばにいてくれ」と言う。
熠王と錦覓は2人で天界に戻る。そんな2人を出迎えたのは縁機仙女だった。
「さすがは錦覓殿にございます。想定を上回る苦の歴劫となりました」と話す縁機仙女。旭鳳は「あなたに非はないことでしょう」と言う。
錦覓が後ろを振り返る。旭鳳が「どうした?」と聞き「何でも。羌活が肉肉だった。でも、なぜ元神が消えたの?」と沈んだ声で言う錦覓。旭鳳は「心配するな。私が真相を突き止めよう」と言う。そんな話をしながら歩いていると、月下仙人が駆けて来る。
観塵鏡で人間界での出来事を見ていた月下仙人は「紆余曲折あったようだが、私は実に感動した。旭鳳の錦覓に対する愛の深さは古今に類例を見ぬ。叔父である私の心は震えたぞ。旭鳳の心には私の教えが浸透しておる。今回のことで安心した」と話す。そして旭鳳に「天帝は勝手な歴劫を快く思っておらぬ。よきに計らうのだぞ」とそっと伝える月下仙人。
天后は「洞庭湖のことは軽視できませぬ。蔌離は謀反を企て夜神に陛下の地位を奪わせようと。水神も蔌離を何千年もかくまっておりました。夜神の関与も疑わしい」と天帝に話す。「水神の行いは不適切だったが、蔌離を気にかけ洞庭湖を与えたのみだ。水神は普段、居所もにこもっておるのに、徒党など組めぬ。夜神も蔌離が洞庭湖にいると知ったばかり。結論を急ぐでない」と言う。それでも「鼠仙が動かぬ証拠です」と言う天后。天帝は「蔌離は死んだのだ。過去のことを追及したくない」と言う。水神は天界の礎で夜神は私の子、あれこれと邪推するのはやめよ、天家の器を疑われると。
不機嫌になった天后に「水神は天界でも威光のある者だ。大局を乱すことはせぬ。私とて異心に警戒しておる。だが、事の全貌を調べるのが先だ」と天帝は話す。「一目瞭然です。蔌離を始末しようとした時、潤玉は私に攻撃を。育てた母への恩など忘れたかのようでした。これも陛下が招いた災いでは?」と言う天后。昔の話を蒸し返すな、と天帝がなだめていると、戻ってきた旭鳳たちが来る。天后は嬉しそうに笑う。
しばらくして水神・洛霖と風神・臨秀も来る。歴劫から戻った錦覓に「花神に封ずる」と天帝が告げる。天后は「錦覓は戻りました。でも歴劫に転遷が。七苦のうち老いの苦を経験しておりません。まだ花神となる資格はないはず。もう一度人間界へ転生させ、七苦を全うするのを待たれては?」と言って止める。「転遷が起きた原因は火神殿下にあります。錦覓の定めを変えた」と言う洛霖。理由は殿下にお尋ねいただきたいと。
旭鳳は「自ら天機輪盤に飛び込み、錦覓の定めを乱しました。私の過ちです。ですから取り決め通り、錦覓を花神に。どうか私に罰をお与えください」と言う。火神でありながら勝手な行動を起こしたとして、天帝は旭鳳に閉門の罰を与える。旭鳳は半月の間、栖梧宮で反省することに。天后は錦覓が歴劫に失敗したのは事実だと言い張るが、縁機仙女が「確かに錦覓殿の歴劫は完璧とは言えません。ですが経験した苦はどれも重いもの。精神は浄化されました。上仙となっても神の尊厳は保たれます。天界にも異象は起こさぬかと」と話す。
天帝は錦覓を上仙であると認め、改めて花神の継続者となることを命ずる。しかし錦覓は花界を守る役割を担うよりも、父と家族の時間を多く過ごすことが願いだと辞退。潤玉との婚儀の日取りを決められそうになるが、それも歴劫をしている間に花界の友が私をかばって死にました、今は婚儀のことよりも真実を追究し敵を討ちたい、と話す。天帝は徹底的に調べることを約束するが、婚儀とは別の話だとして3か月後の吉日と決めてしまう。
天帝は洛霖だけを残し、他の者たちを下がらせる。そして洛霖に「ただ言っておきたくてな。そなたを信じておる。私たちは付き合いも長く、兄弟も同然。子供たちが結婚すれば、我々の絆も一層深くなるであろう」と話す。
紫方雲宮。天后は好機を逃した仮面の男を怒鳴りつける。「どうか罰をお与えください」と仮面の男は言うが、それが何になる、と言い返し、天后は穂禾を迎えに行かせる。
栖梧宮。戻って来た旭鳳に、了聴が「錦覓仙女が歴劫に行く前、土の下に桂花酒を」と伝える。「今はよい。食事の支度を」と返す旭鳳。そこに月下仙人が来る。
旭鳳は「燎原君は何ゆえ人間界へ歴劫に?」と月下仙人に聞く。月下仙人は自分が落としたことを隠し「そなたが心配だったのであろう」と話す。栖梧宮を出られない旭鳳は、燎原君を連れ戻すよう頼む。
月下仙人が栖梧宮に来たのは、錦覓の婚儀の日が決まったと伝えるためだった。「どうするのだ」と言う月下仙人。旭鳳は「錦覓が望まぬ婚姻に身を投じぬよう策を考えます」と答える。喜んだ月下仙人は、燎原君の元へ向かう。
洛湘府に錦覓の居所が用意されていた。父と義母に感謝する錦覓。
上仙になり、婚儀の日取りも決まったが、錦覓は沈んだ顔をしていた。臨秀は「人間界で火神との間に起きたことが気になるのやも」と洛霖に話す。火神の行動には驚いた、噂が立つかもしれないと。しかし臨秀は「錦覓は分別のある子よ。以前は夜神と想い合っていたし、時がたてば気づくはず。火神との出来事は夢のようなものだったと。考えれば正しい選択ができるわ」と言う。「そう願う。錦覓は天后が自分の母の敵だと知らぬ。錦覓の性格からして、この事実は向き合えぬこと」と言う洛霖。臨秀は「まずは錦覓に選ばせましょう。今は事実を内密に」と言う。
洞庭湖に残る一族を根絶やしにしたい天后。だが天帝は重すぎる罰だと言う。しかし天后は「蔌離こそ、幾千年も前に滅した龍魚族の生き残り。そしてまた災いの種となったのです。陛下が情けをかければ、また3万もの蔌離が生まれましょう。ましてや私たちのそばで蔌離の子が生きております。導きの主となるやも」と説得。潤玉とて野望ある者から担ぎ上げられ野心を持つ可能性があるのです、2人の息子を守りたければ火種を絶やすご英断を、と。天帝は自分を案じての進言だと受け入れ、処罰を天后に任せることにする。
“旭鳳、そなたの妨げは、この私が排除する”と天后は思う。
潤玉は自ら母・蔌離の位牌を彫って作る。その位牌ができた時、慌てて駆けて来た鄺露に「鯉児と彦佑を呼べ。母上を弔う」と言う潤玉。鄺露は「連行されました」と話し、天后が洞庭水族に刑罰を与えることを伝える。潤玉が執行はいつか聞くと、雷が鳴り響く。「雷公と電母が領命したと」と答える鄺露。
準王は天帝に会い、洞庭湖に住む3万の民は無実だと訴える。蔌離は死にました、義母上は残酷すぎる、二度と謀反などは起こさせないと。しかし天帝は「天后も掟に従ったのみ。蔌離の罪は重いもの。族誅は重いが処罰は当然だ」と言って聞き入れてくれない。
天后の元へ向かった潤玉は、先に来ていた雷公と電母の前で「義母上が罰したいのは私でしょう」と言う。「もちろん3万の洞庭水族は死刑に処するつもりだ。だが、そなたは主。処罰を受けて当然であろう」と言う天后。潤玉は「一族は罪のない者たちです。義母上、お助けを」と頼む。しかし「義母上だと?蔌離が死んだ日、私を敵と見なし殺そうとしたのは誰だ」と天后は言う。
跪く潤玉。潤玉は「私の罪です。私を罰してください。ただ洞庭水族は無実です」と言う。「洞庭水族も謀反の意思に導かれていた。死でも償えぬ罪だ」と言う天后。潤玉は「苦しくとも母は耐えていた。兵を挙げ、母へ先に攻撃したのは義母上では?」と言う。天后は「旭鳳を狙い、私兵を蓄えた。本来ならば、そなたも謀反の疑いで死罪のはずだ」と言い返す。潤玉が恩赦を求めると「どんな過ちだ?」と天后が聞く。そこに捕らえられた彦佑と鯉児が連行されて来る。
天后は彦佑と鯉児に対し、天雷電火の刑罰を執行させようとする。「義母上への不孝極まる所業を謝罪します。ですが母は死にました。一族は無実です。生きる道をお与えください」と訴える潤玉。天后は「蔌離は旭鳳を狙った大罪人。死刑に値する。そうであろう?」と聞く。潤玉は一族を守るため、仕方なく「はい」と言うしかない。「大バカ野郎。義母の愛を踏みにじるような真似を」と怒る彦佑。
「では、夜神として恩赦を乞うているのか?それとも洞庭水族の生き残りとして?もしくは龍魚族の遺児としてか?」と天后が尋ねる。潤玉が「それは…私は…」と言えずにいると、彦佑が「義母上に実子など。失せろ」と言う。天后が鯉児に触れ「母の償いは私がします。怒りの矛先は私だけに」と言う潤玉。天后は「よいだろう、私にも情けはある。どちらか選べ。洞庭水族と縁を切り自ら罰を与えに行くか、あまたいる洞庭水族の代わりにそなたが1人で母の罪を背負うか」と選択を迫る。
ーつづくー
まさか熠王が殉死するとは(✽ ゚д゚ ✽)
「化粧を施した経験がない」「私たちの祝うべき日。だから化粧しよう」と言う熠王が悲しくて。
ずっと見ていた錦覓(魂)が何度も酒を飲むのを止めようとするのも切なかった。
ようやく口覆いを取ることができたのに(;д;)
ただでさえ母を亡くしてつらい潤玉にさらなる仕打ちが(இωஇ )
天后はもちろんだけど、天帝にとって潤玉は実の子じゃない!!
天后に任せるなんて信じられない。
潤玉のことを天后は嫌っているのだから、こうなることは目に見えていたはず。
もうもうもうもうもうもう(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
追い詰められる潤玉が可哀想すぎる。
選択をしなくてはいけなくなった潤玉。
潤玉はきっと自分を犠牲にするよね(;´д`)ノ
天界に戻って来た錦覓は、人間界へ行く前の錦覓とは違う感じ。
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錦覓のあとを同じ棺桶にはいるなんて!そんなに好きだったの。あのお酒は毒酒なんですね。ロミオとジュリエットのようですね。
天界の人たちには、この2人の関係はどう反応するのかな。