「奴奴の決断」
鉄手が薬局を見張っていると「鉄兄さん」と言いながら依依が目の前に現れる。「仕事中なんだ」と鉄手が言い聞かせると「事件なの?私も一緒に捜査する」と言う依依。依依がだだをこねている間に薬局から温如玉が出てくる。しかし依依に手間取っていた鉄手は、温如玉を見失ってしまう。
“助かった、神侯府の者をまけたようだ”と思いながら歩いていた温如玉は「頭にきた、鉄兄さんのバカ。武芸ができない?だから何よ。悪い奴らにやられてバラバラにされちゃえ」と言いながら、短剣で木を切りつけたり、刺している依依を見かける。“大した毒舌娘だ。実に性根が悪い。仕込めば五毒翎教にとって役立つかもしれん。弟子にしよう”と思う温如玉。
依依に声をかけた温如玉は「武芸ができないと言ってたが、教えてもいい」と言う。疑う依依に、木に手形をつけて見せる温如玉。依依は「すごいわ、弟子入り決めた」と言う。温如玉は「入門したら師匠は生涯、父と同じだ。何でも従うんだぞ」と話す。面倒くさいと思うが“鉄兄さんといるためだもん。習ったら逃げてやる”と依依は考える。
温如玉が薬局で処方させたものを調べ、鉄手は諸葛正我に報告する。「温は何をする気なんでしょう?」と言う追命。諸葛は「奴の知識と腕前は神業と言える。その男が、この原料で毒を作る」と話す。追命が「俺たちじゃ、効力も分からない」と言うと「薬の専門家が見れば、読み解けるのでは?」と言う鉄手。諸葛が手配することに。
冷血は奴奴が泊まっていた客桟へ行く。しかし奴奴は出発した後だった。
朱王府の塀から、朱殿下を狙っていた奴奴。寸前のところで冷血が止める。「なぜ邪魔を?」と奴奴が言い、冷血は「真相を知るまで命は取るな」と話す。奴奴は納得がいかず「なぜ奴をかばう?義父だろうと仇です」と言う。そして復讐する気がないとは、それでも王子ですか、と言うと行ってしまう。
もう誰も当てにしない、と思いながら街を歩いていた奴奴。そんな奴奴を于春童が見かけ、部下に詰問させる。しかし奴奴が調べに応じず、武器まで出したため、春童は「六扇門に引っ立てろ。私が尋問しよう」と部下たちに命じる。
奴奴は鎖の武器で春童の部下を次々と倒してしまう。そして春童と1対1の戦いになる。やがて互いの武器絡み合い、ぐいぐいと引っ張られてしまう奴奴。「お前はお縄につくんだ」と春童が言った時、現れた冷血が鎖を切る。
「于統領、この娘は私の義妹だ。何の罪なのか伺いたい」と言う冷血。奴奴は「兄でも妹でもあのません」と言う。
「誰の身内だろうと、お上に刃向かえば罪人だ。引っ立てて取り調べる」と言う春童。冷血が「行け」と言い、奴奴はその場を後にする。逃がすまいとする春童と冷血が戦い始めるが、一瞬、春童が冷血から目を離した隙に、冷血も去ってしまう。
冷血は奴奴を追いかけるが、ちぎれた鎖だけが残され、奴奴の姿は消えていた。
諸葛は「処方を読み解かせた結果がそれだ。全部、合わせた時、効果がどうなるかは医者たちにも不明だそうだ」と追命と鉄手に話す。「効果だけでなく、用量の情報も必要だ」と言う追命。鉄手も「さらに別の薬を混ぜるかもしれない」と言う。諸葛が「薬を買った以上、次の動きがあるはずだ」と言い、それまでは静観することに。
奴奴が目を覚ますと、すぐそばに安世耿が。「お前は誰だ。なぜ私をここへ?」と言う奴奴。安世耿は皇族にはひざまずけ」と言う。奴奴が「中原の礼儀など奴奴には関係ない」と言い返すと「気骨があるな。気に入ったぞ」と安世耿は笑う。「なぜ連れてきたか言わないと…」と奴奴は安世耿に鎖で攻撃をする。しかし安世耿は人差し指と中指で鎖をはさみ、逆に奴奴の体を鎖で縛り上げてしまう。
安世耿は奴奴が都に来た理由も、神侯府の冷血との関係も知っていると話す。「王子に出出ししたら殺す」と言う奴奴。安世耿は「手出しなどせん。お前たちに力を貸したいのだ」と言う。朱殿下は私にとっても仇だと。奴奴は一度は断るが「私と手を組んで、誰にも知られずに復讐を果たすのだ。王子もお前も、それぞれの道を行く。王子の叱責など恐れるな。お前には王子を遠くから守ることも1つの幸せだと言えるのではないか?」と安世耿に言われ、命を預ける決心をする。
冷血は「奴奴のことを黙っていてすみません」と諸葛に謝る。「今は行方を知るのが先だ」と言う諸葛。冷血は無情、鉄手、追命が捜してくれているが、消えた場所の争いの跡が気がかりだと言う。近頃、都で多発する怪事件は、互いに関連性がみられる、と諸葛が話しているところに、部下を連れた春童が来る。
六扇門が怪しい者を捕らえようとした時、冷血が割って入り逃走を助けた、冷血は都を騒がす暗殺事件の一味かも、その奴奴という女は冷血の義妹とか、冷血を連行し取り調べます、と言う春童。諸葛は「奴奴と暗殺事件の関連を証拠で示せ」と言う。春童が「それは…」と困ると、諸葛は証拠もなく踏み込むとは神侯府を愚弄する気か」と怒鳴りつける。捕縛なら韓総領が来い、と。春童はそれ以上言えなくなり、部下と帰っていく。
明月楼。1人酒を飲んでいた冷血は「長い放浪生活の末に、狼族の仇が分かったのです。殺戮のあった現場に玉佩のかけらが」と言っていた奴奴の言葉を思い返す。
仁仙薬店へ行った奴奴は、お金を置き「世話になった」と言うと出て行く。次に奴奴が向かった先は鍛冶屋だった。前回の代金を払い、新しい武器を手に入れる奴奴。
夜。ようやく奴奴を見つけ、冷血は駆け寄る。冷血が「どこに行ってた」と言うと「王子、捜していたんですか?」と奴奴が返す。「当たり前だ。“王子”はやめろ」と言う冷血。奴奴は「奴奴の心の中では、永遠に王子です」と話す。そして「仇を討つ気になったんですね?行きましょう」と冷血の手を取る奴奴。しかし冷血は「仇討ちは俺に任せろと言ったはずだ。真相が不明なまま復讐はできない」と言う。はっきりさせた上で、血は血で償わせると。
奴奴は「やはり恩人の言った通りだ。狼族の魂を忘れ、仇をかばうなら信用できない。一緒に動く気がないなら、もういい。別々の道を行きましょう。私は1人でやる」と行きそうに。冷血は「恩人?誰のことだ」と聞く。立ち止まった奴奴が「関係ない」と返し「安世耿ではないのか?」と言う冷血。「だったら?」と奴奴が言う。冷血は「信用するな、これは罠だ。利用されて殺される」と説得する。それでも奴奴は「仇を討てるなら死ぬことくらい何でもない」と聞き入れず、行ってしまう。
“安世耿め、何を企んでる”と冷血は思う。
安王府。安世耿は籠を如煙に見せる。「こんなに大きな籠を何に?」と聞く如煙。安世耿は「「これは紫金籠(しきんろう)だ。破れる者は世に1人もいない。中の物は神や仙人でも取り出せん。そして中に入った者は私が持つ鍵なしには、一生、外に出ることができん」と話す。如煙が「と言うと?」と言う。「わが名代として隴西へ行かぬか?」と言う安世耿。如煙は「殿下の仰せなら何でもいたしますと言う。
安世耿は「本当に何でもするのか?」と聞く。「はい、何でもいたします。死ぬことも含めて」と如煙は答える。安世耿は「死なせたくない。だから、お前のための籠を作った。最近、悪夢ばかり見るから、名代で祈祷にいけ。私の許しなく籠を離れた時は、家族の命はないものと思うがいい」と言う。都から隴西へは険しい山道、盗賊も出るから籠の中にいるのが安全だと。
安世耿から「これはお前のための心遣いなのだぞ」と言われ、如煙は「私は殿下のお考えに従うだけです」と言う。「お前は私に従いはするが、愛したことがない。愛とは何かが、まったく分かっていない。蝶舞亡き後、同じ振る舞いをさせようと教え、私を楽しませよと言ったのに、お前は聞かぬ。蝶舞とは似ても似つかん。愛とは何だ?寄り添う者を喜ばせることだ」と言う安世耿。
安世耿は奴奴を呼ぶと「妃の身を預ける。籠に近づく者は構わず殺せ」と命じる。
温如玉は、書状を受け取った、五毒翎教の新たな仕事があり帰途につきたい、と安世耿に話す。「これほど帰りを急ぐのは、私が何か至らなかったからか?」と言う安世耿。温如玉は「殿下のご恩は忘れません。将来、必ずご恩返しを」と言う。安世耿は飲んだ屍魂丹が効き始めたらどうするか聞く。温如玉は「いただいた続命丹を、忘れず飲みますのでご安心を」と返す。安世耿は「そこまで言うなら行くがいい」と言い「この茶を送別の挨拶としよう」と湯のみを投げる。
毒入りだと思った温如玉は、わざと受け取りそこねたふりをし、湯のみが床に落ちる。「失礼を。老いて目が悪くなりました」と、すぐに謝る温如玉。安世耿は「その茶とは縁がなかったのだ。忘れろ」と言う。「恐縮です」と言って温如玉は出て行く。
“温如玉は策略家だ。屍魂丹を飲んだ身で、わがもとを離れる以上、大きな企みがあるに違いない”そう思った安世耿は、春童を呼び「六扇門を連れて温如玉の跡をつけるのだ。無色無臭の“追跡水”を奴の服にかけておいた。特殊な口覆いを着ければ発見できる」と命じる。ただ追跡水には1つ欠点がある、屋外に出て三時経つと強い香りを発し、すぐ本人に気づかれる、だから三時以内にこの任務をやり遂げよ、と。
温如玉は息子たちと共に馬で移動をしていた。しかし休憩中、自分の外套に強い匂いがつけられていることに気づく。毒を浴びせ、跡をつける安世耿の策だと、すぐに分かる温如玉。
温如玉は外套を3枚に切り、あちこちの場所に捨てていく。
追跡水の香りをたどることができなくなった春童は、温如玉が本拠に戻ると考え、西へ向かうことにする。
「隠密たちから温如玉の行方の情報が届いた。隴西へ向かったとのことだ。こちらも城門を警戒してはいたが、奴らは秘密の抜け道から都を出た」と四大名捕と瑶花に話す諸葛。無情は「玉璽強奪に使われたのは、温家秘伝の毒。奴が密かに都を出たとなると、裏がありそうですね」と話す。追命が「奴らが玉璽を隴西まで運ぶってわけか?」と言う。「おそらくな」と無情が言うと「隴西は軍事の要衛。玉璽は指揮官の印。まさか…」と言う冷血。諸葛は「どんな可能性も見過ごしにできん。お前たちには隴西へ行ってもらう。温如玉を捕らえれば、玉璽の行方も必ず分かる」と言う。すぐ出発の用意をしろ、今回は離陌も捜査に同行させると。
出て行く四大名捕たちと入れ替わりに、呼ばれた離陌が来る。「彼らと一緒に隴西へ捜査に行ってくれ」と言う諸葛。諸葛は行かせる理由として、お前の母親が家を出たのは恋人を救いに行くためだ、お前の母はお父上に出会う前、ある男と恋をした、その男の結婚を知った時はとても深く傷ついた、ところがある日、その男が隴西で襲撃を受けたと情報が、お前の母は昔の恋人を救いに隴西へ赴き、それ以来、行方がわからん、と話す。
「そんな大事な話を、なぜ黙ってたんですか?」と離陌が聞く。諸葛は「受け止めきれんと思ったからだ」と言う。離陌はその人が誰なのか名前を聞く。しかし諸葛は分からないと答える。「分かりました。きっと行方を捜し当てます」と言う離陌。諸葛は冷血のことも離陌に頼み、武芸の代わりに身を守るための“素紗蝉衣”を渡す。「四大名捕になら徹底的に戦えと言うが、お前の場合、道は1つ。逃げろ」と。
「玉璽を追う重要任務なのに、武芸のできない離陌を?」と言う蝴蝶。海棠も「姫統領と冷統領の大事な時間を離陌は邪魔してばかりだわ」と言う。瑶花は「諸葛様にはお考えがあるのよ」と話す。それでも納得のできない海棠が「ねえ、私の計画を聞いて」と言う。「好きにしなさい。私は関係ないわ」と言って、瑶花はその場から離れる。
「こういうのはどう?」と蝴蝶に言う海棠。
寝台に座った瑶花は“あくどい計画に決まってるのに、黙認してしまった。姫瑶花は誇り高い女だったはずよ。善悪の区別を知っていたわ。でも今は冷兄さんのためなら、それさえ曖昧。なぜ私はこんな人間に?冷兄さん、離陌、どうか許して。時間がないの、愛されてみたいのよ”と思う。
隴西へいくための支度をしていた離陌の元に、葉児が餞別を持ってくる。2人は夜明けまでおしゃべりをすることに。
翌朝。目の覚めた離陌は、自分の寝室は暗いのに、別の部屋は明るいことに気づく。誰かが窓の外に黒い布をかけていたと分かり、急いで集合場所へ行く離陌。
隴西行きを反対していた冷血の仕業だと思い、離陌が「冷統領、やり方が汚いわ」と言う。「何の話をしてる」と冷血が返し「窓に黒布を貼って夜に見せかけた」と離陌が話す。「言いがかりか。行きたくないなら来るな」と言う冷血。
ーつづくー
奴奴が安世耿と!!!(✽ ゚д゚ ✽)
仇討ちのためなら何でもやるという感じの奴奴だけど、冷血の言うように安世耿は利用することしか考えていないと思うヾ(・ω・`;)ノ
この先がすごく心配。
えぇぇぇぇぇぇぇ( ゚艸゚;)
依依が温如玉の弟子に!?
温如玉は鉄手が追っている相手。
依依と鉄手の関係も、このことで何か変わるのかな?
離陌は出発に間に合ってよかった。
海棠の考えたことって、このことだったのね。
次から次へと本当によく考える(@_@;)
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重要な任務なのに大丈夫でしょうか。
そこに、冷血と離陌がすれ違ってしまい。。。
姐姐も書かれているように、
奴奴と安世耿に、依依と温如玉が!
それぞれ大丈夫なのでしょうか。
年長者の方がここは一枚上手と思うので、
心配です・・・