意思による楽観のための読書日記

病気じゃないよフツーだよ 藤臣柊子 **

この本を読んでみようと思った理由が思い当たらないのだが、手元にあったので読んでみた。神経症で小さいときから苦しんでいる、今は漫画家の藤臣さんの闘病記だ。明るく書いてあるが、とんでもない状況への対応である。病院に行ってみよう、と同病の読者に問いかけている。筆者は漫画家、という神経症患者としてはたいそう恵まれた職業に就けたのだが、普通は芸術家やデザイナーなどで身を立てるのは難しい。毎日決まり切った事務所に出かけて、人と顔をつきあわせて、好きでもない仕事をこなす、時には怒られて、酷いときには能なし扱いもされるようなサラリーマンなら大変である。しかし、そうした人たちが多い、というのがこの本の存在理由だろう。

病院選びが重要だともいう、先生によって鬱病の症状が悪化することもあると。個人のクリニックが良いといっているが、先生次第だろう。大病院だと先生も替わるが中小であれば固定する。

会社でも「プレゼンティーイズム」が問題になる、鬱病の一種だろうが、会社にはきているが効率が上がらない、会社から出ると元気が出る、という都合がいいもの。さぼっているのだろう、と思われがちなこの症状、花粉症や頭痛などとも併発するから見分けがつかなくてやっかいだ。藤臣さんが最後にいっているのは、そういう自分とつきあわなければならないなら、できることをやってみよう、気持ちが晴れないなら山に登って、海にも潜ってみよう、と。一人でいたいときもあるが、一人では生きてはいけない、仕事をすることは重要だという。そうだろうと思う、引きこもりで親元にいるのが一番だめだと思う。いくら鬱病でも自分の面倒は自分でみたい、これが人間というものだ。それもできない重症の人もいるかもしれないが、なんとか突破する努力、これがなければ保護者なしでは生きてもいけない。

励まされる人は多いのではないか。
病気じゃないよ、フツーだよ―神経科に行ってみよー

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