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意思による楽観のための読書日記

ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス ****

16世紀に来日していたルイス・フロイスが書いた彼の母国と日本の比較集。衣食住、宗教、武器、演劇など幅広い記述で大変面白い。

眼の色、日本人には白い目はいない。ヨーロッパには碧眼は多いが白い目とは。日本語では白眼視する、白い目で見る、などというのは悪い表現であるが、当然ヨーロッパではこのような表現はない。

ヨーロッパでは妻は夫の許可無く出歩けないが日本では自由に出歩いている。娘も両親に断りもなく幾日でも一人で好きなところへ出かける、とある。本当だったのか。

ヨーロッパでは堅信礼のあとに名前を変えることはないが日本では一生の間に5回か6回改名する、とある。解説では、幼名、假名、唐名、官、受領、実名、法名、贈官、名字、氏・姓と10個上げている。

ヨーロッパでは息子は親の死後に相続するが日本では親が息子に財産を渡すために生前極めて早い段階で引退する。

ヨーロッパでは手づかみで食事をする。(16世紀ではそうだった。食卓でフォークを使うようになったのは17世紀から)日本人は子供の頃から箸で食事をする、と書いている。パンと米、食卓の並べ方(一度に配膳する日本式と順次配膳する欧州式)、膳の高さと大きさの違い、ナプキンの有無、椅子と畳、スープと汁物、食器が銀製か陶器製かなどなど。男女一緒に食事するのが欧州式、日本は別々。瓜の切り方、欧州は縦切り、日本は横切り。果物の皮は食べてから捨てるのが欧州式、日本式は剥いてから食べる。

欧州ではペスト、結核性頸部リンパ腺炎、結石、足痛風が起こりやすいが日本では稀。ペストは明治中期に日本でも流行した。痘瘡は日本ではよく見られた。

財産を災害で失うことは大きな悲しみであり、ヨーロッパでは大きな悲しみを表すが、日本では表面上きわめてかるく過ごす。日本には災害が多かったからであろうか。
ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)
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