日本人の死亡原因の一位は現在ではガン、その主要因は喫煙と日常の食品だという。喫煙はともかく、普段食べている食品がガンの要因だと言われると困るのだが、食物は人間にとっては異物であり、体内に養分として取り込むために内蔵に様々な刺激を与えている。腸内細菌の働きが注目されているが、食物の分解吸収のためにアミンなどの毒性成分や発がん性物質、老化成分を生成すると言われている。日本人なら米を食べる際に塩味のある副食品を摂るし、西洋人はパンと肉食に合う脂分を摂るため膵臓や肝臓の消化酵素を分泌させるためアミンが発生する。こうした塩味や脂分を減らしても美味しく食べるコツが、乳酸菌、酵母など微生物の助けを借りた様々な発酵食品である。本書では各種発酵食品が紹介されており、毎日の食事の際に、上手く発酵食品で味を加えることでガンの主要因を少しでも減していきたい。
日本の伝統的な大豆発酵食品といえば、納豆、味噌、醤油。日本では納豆だが、それは中国の伝統食品である豆鼓(トウチ)を鑑真が日本にもたらして納豆の元になった。ミャンマーにはペーポ、ネパールにはキネマ、韓国にはチョングッチャン、インドネシアにはテンペがある。納豆にも普通の糸引き納豆、大徳寺納豆とも呼ばれる塩辛納豆がある。醤油の仲間には魚醤があり、秋田ではしょっつる、石川ではいしる、タイではナンプラー、ベトナムではニョクマムがある。醤油にも、濃口、淡口、白、溜まり、再仕込みなどの種類があり、用途とお好みで選べる。
乳酸菌発酵食品には、各種漬物やピクルス、ヨーグルト、チーズがある。日本の漬物には京都の千枚漬け、柴漬け、すぐきがあり、海外にはザワークラウト発酵ピクルス、キムチがある。ひと味加える調味料には食酢、みりん、鰹節などがあり、最近では各種製品がスーパーで売られているのでTPOで選べばいい。特に食酢では米酢、リンゴ酢、黒酢、ワインビネガー、バルサミコ酢など、何でも手に入る。食酢には、①コレステロール値低下 ②高血圧予防 ③糖尿病予防 ④肥満予防 などが期待できるという。本書内容はここまで。これらの発酵食品、特に食酢は毎日続けられるように15ml程度を摂取できるよう心がけたい。