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『天・地・水・命』 ~自然の恵み~

 「 天を仰ぎつ 地に伏しつ 水に語りて 命覚ゆる 」 仙人

2013-06-30 | 淡 水 魚
 チョット見慣れない小魚の群れに出逢いました。

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 細長い楔形の体型、ギョロッとした目が特徴的な...
 『カムルチー』いわゆる“雷魚”の稚魚です。



 岸際のオーバーハングした植生の下で大きな物体が動きました。





 『カムルチー』の親魚です。
 体長60~70cm程度もあったでしょうか、体表の模様も恐ろしげです。

 『カムルチー』の場合、稚魚がいたら、まず間違いなく近くに親魚が居ます。
 稚魚がある程度のサイズに育つまでは、親魚が近くで見守る性質があります。

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 英名を“スネーク・ヘッド”と言いますが、まさに“蛇の頭”のような風貌です。
 他魚やカエル、ザリガニなどはもちろん、時にはネズミや水鳥までも襲って食べる獰猛なハンターです。
 大陸からやって来て、一時は爆発的に増え、どこの水域でも幅を利かせていたようですが、現在は河川等の流水区間では稀に見る程度です。

 ちなみに、水中で稚魚や親魚が撮影されるのは稀ではないでしょうか...(自分で言うのも、まぁ何なのですが...笑)
 極度に臆病であることと、水の濁っていたり、水草の繁茂する湖沼に住んでいる場合が多いので...
 
  播磨

仲間は?

2013-05-15 | 淡 水 魚
 面河川の流れです。

 思わず顔を漬けて水の中を覗きたい衝動に駆られる流れですが、流石に冷たいでしょう。
 夏でも長時間使っていられない冷たさの渓流ですから...

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 枯れ枝の左にオレンジ色の物体が...

 渓流に普通に棲んでいる生き物ではありませんでした。



 おそらく上流の民家の池で飼われていたコイが逃げ出して棲み付いたものと思われます。
 仲間が居ないのであればチョット可哀想な気がします。

  面河川

頭長

2012-12-21 | 淡 水 魚
 水中はどこまでも見渡せ、下から見た水面は鏡のように水中の景色を反射しています。

 光線も水中に差し込んでいますが、水草も無い殺風景な転石の川床が拡がっています。

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 ただ、魚たちはしっかり生息しています。
 さらに水温が下がって行くと、深場や水際の植生の陰に身を潜め、あまり活動しなくなります。
 ちなみに画像の『オイカワ』は、一年中元気で瀬を泳ぎ回っています。
 関西では通称「ハエ」と呼ばれ、“寒バエ釣り”は冬の風物詩として有名で、釣り大会も開催され、1時間で3ケタ釣れる事もあります。

 そうこうしている中、チョット周りと違う魚がいました。

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 ニゴイの仲間には違いありませんが...
 唯一画像で同定できる『ズナガニゴイ』です。
 他のニゴイの仲間には、背鰭、尾鰭等に暗色斑がありません。

  頭長

境遇

2012-12-20 | 淡 水 魚
 60cmに及ぶような、かなり大きなニゴイを見つけました。
 普通、ニゴイの仲間は人の姿を見かけると、一目散に逃げてしまいますが、この子は悠然と泳ぎ逃げる気配もありません。
 ちょっと違和感を感じで、近付いてみると...



 左の方の目を欠損していました。
 卵の時期も含んだ発育段階での障害か、鳥につつかれてしまったか...
 いずれにせよ、危険と隣り合わせの境遇を乗り越えてここまで大きくなったのでしょう。



 他の場所で、石に貼りついて動かない『ギギ』に出逢いました。
 この子も全く逃げようとしません。
 近付いてみると...

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 この子は右目の方を欠損していました。
 普通であれば、死角の方を石側にへばりつきそうなのですが...

 同じ日にこういった境遇の魚を二尾も見るとは...
 この後も上手く自然の荒波を乗り切っておしいものです。

  播磨

ギャング

2012-12-19 | 淡 水 魚
 岩の隙間に潜んでいるのは、底生魚の『ドンコ』です。
 お腹に吸盤はありませんが、ヨシノボリを大型にして、太らしたような体型です。

 雑食性で、動くものには何でも反応してしまうような獰猛性があります。

 ただし、『オヤニラミ』がされるのと同じように『ムギツク』から托卵され、孵化するまで面倒を見るような“律儀さ”?もあります。

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 川のギャングと言ってもいいような。ふてぶてしい“悪役顔”をしています。

 棲家から出てきたところですが...

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 よく見ると、『ドンコ』の下に、泥から顔だけを出してもう一尾がいます。

  播磨

モロコ

2012-12-18 | 淡 水 魚
 コイ科モロコ類には9種が確認されていますが、一般的に「モロコ」といえば、琵琶湖固有の『ホンモロコ』のことで、甘露煮などでお土産物としても、市場にも出回っています。

 モロコの仲間の中でスゴモロコ属の『スゴモロコ』『イトモロコ』『デメモロコ』『コウライモロコ』は非常に似通っていて、同定もなかなか困難です。
 上画像に小さな魚の群れが写っていますが、近寄ると...

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 5~7cmほどの個体がうじゃうじゃいます。
 おそらくこの場所の魚類相などから見て『イトモロコ』だと思われます。

 モロコの仲間は、遊泳力もそれほど強く無く、流れの緩い、または止水域を好みますが、この『イトモロコ』は、そんな中でも若干流れがある場所を好みます。

 もうちょっと近寄りたいのですが、これ以上近づくと、サーッと散ってしまいます...

  播磨

ボテ

2012-12-17 | 淡 水 魚

 「ボテジャコ」とは、一般にコイ科タナゴ類の俗称で、“ボテっとした体型の雑魚(ざこ→ジャコ)”が語源と思われます。
 上画像はそのタナゴの仲間の『アブラボテ』です。
 タナゴの仲間は国内で18種が報告されていますが、ボテの名が付くのはこの魚のみです。
 という訳で、『アブラボテ』のことを通称“ボテ”と呼んでいます。



 “アブラ”の由来は、繁殖期の♂の婚姻色は、黒っぽい油を体表に塗ったような感じになる事からその名が付いたようです。

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 産卵期以外は、♂♀の区別が付きにくく、実に単調な見てくれをしています。
 上画像では分かりにくいのですが、長い口ひげが生えています・
 下画像ではハッキリ写っています。



 以前は生息域もかなり広かったものと思われますが、産卵基盤となるドブガイの仲間の減少や他魚との競合などにより、その生息域は狭められています。

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 この場所では『オイカワ』『カワムツ』に混じって結構な数が確認できました。

  播磨

極楽

2012-12-12 | 淡 水 魚
 “パラダイス”ときたら、“極楽”です。
 という訳で『ゴクラクハゼ』です。

 近年かなり数を減らしているようで、各自治体で絶滅危惧などの希少種に指定されています。
 ヨシノボリの仲間ですが、他に比べて鼻先が長いのが特徴的です。

 “極楽”という名に興味が湧いて、以前その由来について調べたのですが、命名者がハゼを始め多くの魚を命名し、魚類学の基礎を作るのに大いに貢献した田中茂穂博士と言う事までは分かっているのですが、なぜ『ゴクラクハゼ』にしたのかは分かりません。

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 体に蓮の花や葉に似た模様がないかとか、色々こじつけようとしている内に、一つの可能性が...
 『ゴクラクハゼ』の体表や模様を眺めていて、ふと仏教画が頭に浮かんできました。
 阿弥陀如来や極楽浄土を描いた仏教画の色彩や模様は、『ゴクラクハゼ』の全体の色や顔の模様に通じるものがあるような...
 まぁ色については、他のヨシノボリの仲間も似たようなものですが、博士も、この『ゴクラクハゼ』を見た時に、そんな仏教画がたまたま頭に浮かんだのかも...

  播磨

パラダイス

2012-12-11 | 淡 水 魚
 二尾の『スジシマドジョウ』が仲良く並んで居ますが...
 これではまだ“パラダイス”とは言えません。



 四尾の『スジシマドジョウ』が仲良く並んで居ますが...
 これでもまだ“パラダイス”とは言えません。



 七尾の『スジシマドジョウ』が思い思いに並んで居ますが...
 これでもまだここだけでは“パラダイス”とは言えません。

 でも、周囲にも同じような感じで居たら...

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 画像の中で、一応『スジシマドジョウ』を40尾程度確認しました。
 『スジシマドジョウ』がここまで近くにたくさん(高密度で)いるのもなかなかありません。

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 当然『スジシマドジョウ』が棲みやすいので、『カワムツ』『ムギツク』『イトモロコ』などの他の魚にとっても“パラダイス”です。

 その訳は...

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 この場所は“湧水”ポイントなのです。
 一度地下に潜った河川水が湧いてきている場所なのです。
 地下で濾過された清涼な水が湧き出しています。
 透明度も高いため光の透過量も多く、藻類も水中に酸素を供給します。

  播磨

ウロウロ

2012-12-10 | 淡 水 魚
 またまた夜行性の『ナマズ』です。

 『ナマズ』の場合は、夜行性でありながら、かなりの頻度で出逢う事が出来ます。
 その体の大きさのせいもありますが、その数自体が多いものと考えられます。
 河川の岸際に設置された異形ブロック、堰下の護床ブロックなどの人工物や河岸の植生の下など隙間や隠れる場所のあるところには集中して生息しています。



 この『ナマズ』に出逢ったのも堰直下で、隠れる場所が無いのか泳ぎ回っていました。



 『ナマズ』も肉食で、大きな口で何でも飲み込んでしまいます。

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 “鮎の友釣り”の“おとり鮎”に喰いついて、ハリスを引きちぎって行ったり、アユ自体を大量に捕食するため、釣り人や川漁師からは迷惑がられている存在です。
 在来種なのに可哀想な気もします。

 場所によっては食用として養殖している所もあるようですが...
 清涼な場所では、泥臭さも無く白身で上質の脂を含んで、かば焼きなどはかなりの美味だと言います。
 かすかな記憶ですが、幼少の頃は近所で獲れた『ナマズ』を家で食していたような...
 確かな記憶では、『ドンコ』や『オイカワ』等は煮付で食べていました。

  播磨

夜行性

2012-12-09 | 淡 水 魚
 『ウナギ』と同じく夜行性で、昼間にはなかなか出逢えないナマズの仲間『ギギ』です。
 石の下に潜んでいました。

 普通に潜っていてもなかなか出逢えず、大きな石の下を覗き込んだり、浮き石(石が河床に埋まらずに、河床に置かれている状態の石;石の下に隙間が出来る)をひっくり返したりしたら、飛び出してくる場合があります。
 以前、とある河川で水中観察をしていて、夕方に差し掛かり辺りが薄暗くなってきた頃、周辺の石から続々と『ギギ』が這い出して来て、そこら中『ギギ』だらけになったのが印象に残っています。

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 何とも言えない愛嬌のある顔をしています。

  播磨

難敵

2012-12-08 | 淡 水 魚
 淡水魚の中で水中撮影が困難な種として『ウナギ』が挙げられます。

 日中は護岸の石垣の穴の中や石積の奥の方に潜んでいます。
 夜になるとニョロっと棲家から出てきて、エサを探す、いわゆる夜行性の魚です。
 夜行性でも、『ナマズ』やその仲間の『ギギ』『アカザ』などは、夜間に潜ると結構な確率で出逢う事が出来ますが、『ウナギ』は夜間でもなかなか出逢えません。



 この『ウナギ』には堰の直下で出逢いました。
 おそらく遡上して来て堰にぶつかり、隠れる適当な場所が無いため、どうしようかと悩んでいるところなのでしょう。
 通常、昼間にこんな場所で出逢う事はありません。



 眉間(とは言わないでしょうが)、目と目の間が白くなっているので、何かにぶつけたのか、水鳥につつかれたのか、何らかのキズが付いています。
 ただ、弱っている風では無く、元気いっぱいでした。

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 目が合って、こちらを威嚇するように頭を持ち上げるポーズをされてしまいました。

  播磨

優占

2012-12-06 | 淡 水 魚
 “ゆうせん”という言葉を漢字にすると、「優先」が真っ先に頭に浮かぶでしょうが、生物の世界では「優占」という漢字が一般的です。
 「この水域ではオイカワが優占している。」「この水域の優占種は、オイカワである。」「優占の第一位はオイカワ、第二位はカワムツである。」のように、対象とする場所で、魚に限らず、植物でもどの生物種が多くを“占めているか”を現す言葉です。

 ちなみに画像の場所では、ニゴイの仲間が優占していました。
 ニゴイの仲間としたのは、画像では『ニゴイ』『コウライニゴイ』の区別が出来ません。
 (下唇に皮弁が発達しているかどうかで判断するので...)

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 潜水していると、下流側に大きな群れで集まってきます。
 ニゴイの仲間は、主に川底の砂や泥の中に含まれる底生動物を食べるので、私が立てる砂煙を期待して集まってくるのです。

  播磨

保護

2012-11-24 | 淡 水 魚
 希少種の保護に取り組む地域です。

 淡水魚に限らず、植物や昆虫でも希少とされる種の保護は一般的に、可能な限りその場所をオープンにせず、過度の採集や、法律や条令で採集を禁止されている種の密漁を防ぐようにしていますが、この地域はまったく逆のことをしています。
 あえて大きな看板などを立てて、この場所に希少種がいる事をアピールし、街ぐるみで守っていこうという試みです。



 確かに、でかでかと看板がある前で、堂々と密漁も出来ないという訳ですが。
 でも残念ながら密漁は後を絶たないようです...



 生き物はその場所に居るからこそ価値があると思うのですが、持って帰って水槽で飼っても、決して生き物は幸せではありません...

めだかの学校

2012-11-20 | 淡 水 魚
 「めだかの学校」に行って来ました。
 (川の中ではありませんが...)

 岡山市の郊外、旭川沿いに立つ市の環境学習センターです。

 学校の校庭?にはモチロン『メダカ』の棲む小川も流れています。



 元気な個体が若干泳いでいましたが、大半は...



 水草の下に潜んでいるものと思われます。

 ミニ淡水魚水族館も併設されており、「旭川水系」の淡水魚たちが数多く飼育されています。
 中でも...



 天然記念物の『アユモドキ』の飼育も行われています。

  めだかの学校