没後150年歌川国芳展@森アーツセンターギャラリー
見終わってまず圧倒されるのは作品の数。
こんなにあるのか!
しかもこれでまだほぼ半分で会期後半には丸々入れ替わる
という事実にただただ驚愕。
絵師一人でこの数だとすれば絵師より多くの手間と時間を要する
と思われる彫師や摺師の事を想像すると…
出来栄えは彫師と摺師の技術次第って側面が大きいのだから
もっと個人名が残ってればおもしろいのにと見れば見るほど思う。
本などで見ていた作品も実物をみると迫力が全然違った。
紙の質感と染料顔料ののり具合や髪など細部の表現の印象も全然違った。
(先日の
アダチ版画での彫師の実演にて「彫る時は色のにじみ等を考慮して
作品で見えてるものよりも細く彫っている」と聞いていたので髪の表現にはほんとに驚く)
浮世絵は実物を見なきゃ魅力がわからない事が結構あるのかも。
武者絵にも西洋画技法を取り入れて色味もたまらない風景画にも
実物を見て好きになったものがたくさんあったが
やっぱり国芳作品で一番惹かれるのは戯画だった。
「天保の改革によって、役者絵、遊女・芸者風俗の絵が禁止され、錦絵の出版会は
大打撃を受けたが、それがかえって国芳に縦横無尽に戯画の筆を揮わせることとなった。」
(展示の説明より)
とあったけど、
確かにそういう側面もあるだろうが国芳の戯画にはそうした政治的な弾圧とか関係なく、
生まれ持った才能というか天性の笑いのセンスとしか言いようのないものがあって、
その匂いというか空気が作品に滲み出ている。
一目見てぷっと吹き出してしまい、
じっくり見て細部にちりばめられた笑いに顔がニヤつく。
そして凝り固まった心がほぐされて自由になっていく。
気づくと「いい!いいわ~~」と心の中でつぶやいている。
痛快で茶目っ気たっぷりで、ほっこりすらしてしまうという。
国芳を好きになったのはここが大きいと思います。
特に良かったのが「流行達磨遊び 手が出る足が出る」
なんなんでしょうこれ。
もう大好きです。
中央のヤツのポーズが。
見直すために三回順路を逆走してしまいました。
その他にも
犬の目とキジが怖すぎる
「和漢準源氏 蓬生 桃太郎」や
大判六枚続の大迫力「源頼朝卿富士牧狩之図」や
「さむがり狸・初午のたぬき」「叶福助 年の市まうでの図」など
好きな作品が多数できた。
そしてそんな作品達が全て収録された
図録がこれまたたまらない。
これが、このクオリティのものが、
こんな手頃な値段で手に入れられるなんてそれだけで驚く。
それだけで行く価値のあるものでした。
とにかくお腹いっぱいです。
後期も楽しみ。