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ワンダフルなにか ビューティフルだれか

並べてみると 輪郭がつかめるかもしれない

ボッティチェリ展 東京都美術館

2016-02-14 00:45:18 | 写真


私にとってボッティチェリは足である。足の指である。「ボッティチェリの足」っていう画集があったら即買う。ヴィーナスの誕生もプリマヴェーラも結局一番じっと見てるのは足(指)だ。今回も足を見に上野へ。やっぱり足は良い、「シモネッタ」も「書物の聖母」も師匠フィリッポ・リッピも良い(赤や青に染めた紙に描いた素描が特によかった)、弟子フィリピーノ・リッピはあんまりだった、などあるが、今回の収穫ははっきりいってただひとつ、「アペレスの誹謗」だ。


古代ギリシャの画家アペレスが描いたという(が、現存しない)「誹謗」を、ボッティチェリが文章を基に復元したこの作品は、誹謗・無実・不正・無知・猜疑など様々な概念が擬人化されて描かれている。無実の髪を引っ張る誹謗の表情、不正の耳元で何かを囁く無知と猜疑の官能性。真実も悔悟もあまりに無力に見えてしまう悪の魅力。たまらん。


この絵はメディチ家がフィレンツェから追放され、ボッティチェリが修道士サヴォナローラに心酔しだした頃の絵だから、悪の魅力を描いたものではないはずだが、個人的には悪の魅力しか伝わってこない。私の好きな足も存分に味わえるからなおさらたまらん。今までプリマヴェーラだと思っていたが、ひょっとしてボッティチェリで一番好きな絵なんじゃないか?


隣でやっていた盆栽展でオバチャンたちが一心不乱にデジカメで盆栽を接写してる風景をボッティチェリ展の出口付近で見ることができる。





ボッティチェリ展
東京都美術館 企画展示室
会 期 2016年1月16日(土)~ 4月3日(日)
時 間 9:30 ~ 17:30

金子國義ポラロイド展 小宮山書店

2016-02-06 23:26:47 | 写真



少し前に金子國義のポラロイド写真展を見た。
写真家としての金子國義、それもポラロイドによるヌードという生々しい作品(販売もされていた)をたくさん見られたのでとてもよかったし、展示室の奥に掛かっていた中村宏の絵が予想外の収穫だった。小宮山書店はかなり通ってるのだが、1階と2階しか見ないので、上にこんな作品たちがあるとは知らなかった。銀座Akio Nagasawa Galleryでポラロイド以外の写真展も同時開催されている。



金子國義ポラロイド展
KOMIYAMA TOKYO 小宮山書店 中3階

会 期 2016/01/29 (金) - 02/28 (日)
時 間 11:00 - 18:30 (月~土曜日) 11:00 - 17:30 (日曜・祝日)

中平卓馬を読みながら

2015-09-06 21:30:56 | 写真



赤瀬川原平が書いた中平卓馬についての文章が読みたくて「KAWADE道の手帖」を買って、家にあった「決闘写真論」もカバンに入れて鈴木理策の個展を見に東京オペラシティアートギャラリーに行ってきた。個展自体はあまりピンと来なかったのだけど、記憶喪失になった中平から受けたある質問から写真家中平卓馬を論じている赤瀬川の文章がとても面白かった。

「決闘写真論」のウジェーヌ・アジェについての文章などにもあるが、イメージに絡めとられない、事物を事物としてそのまま映しとる写真というのは写真家の作品として成立させうるのだろうか?させ続け得るのだろうか?特にこれからの時代… などと考えていたところに訃報が入ってきた。妙な偶然。







鈴木理策写真展 意識の流れ
東京オペラシティアートギャラリー
会 期 7月18日~9月23日
時 間 11:00~19:00

須田一政写真展 Rei AKIO NAGASAWA

2015-07-17 00:08:03 | 写真




須田一政が夜明けの銀座でショールームに佇むマネキンを映したシリーズ「Rei」を見に銀座へ。


須田一政といえば有名なのが「風姿花伝」だが、本人曰く「官能の極北」であるマネキンを執拗に写したモノクロ写真は、生身の人間と区別がつかないものもあり、杉本博司のPortraitシリーズを一瞬思い出す。これらが夜明けの銀座だというのも想像を掻き立てられる。VIMEOに写真集の動画がある(投稿者のイギリスの書店が上げている写真集紹介動画は、どれも逆回転で再生されていて面白い)。


ラブドールを被写体にした撮影会がどこかで行われているらしい。この撮影会自体を(ラブドールを撮っている好事家を含めて)撮影してもらいたい。良い写真が撮れそうな気がする。


オリエント工業のリアルなラブドールでコスプレ撮影会【使用例の無料動画】





須田一政 Rei
AKIO NAGASAWA
会 期 6月19日(金)~7月26日(日)
時 間 11:00~19:00


徳川弘樹写真展 軌道回廊 ニコンサロン bis 新宿

2015-07-13 00:10:36 | 写真



同じ日ではなかったが、所幸則の後に見たことで鉄道写真つながりになっていた徳川弘樹展。


撮り鉄でも土木マニアでもないのだが、徳川弘樹が撮る鉄道関連の構造物の写真は大きいプリントで見ると迫力がある。もっと大きなサイズにできたらへーファーも真っ青な凄い写真ができそうな気もしたが、とりあえずよく利用する中野坂上駅のトンネルの写真が見られたので良かった(大江戸線・丸の内線と首都高環状線のトンネルがギリギリの間隔で通っているという事を何かで見たのであそこを通るときはいつもゾクゾクする)。


徳川弘樹写真展 軌道回廊
ニコンサロンbis新宿
会 期 6月23日(火)~6月29日(月)
時 間 10:30~18:30


PARADOX-TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険 所幸則写真展

2015-07-10 00:05:46 | 写真




気になっていた写真展が丸ビルでやっていた事を、近くを通りかかった時に思い出したので行ってみた。思っていた以上に良かったので併催されていた巣鴨の大正大学構内にあるギャラリーにも行ってみた。


タイトルは所本人が「小さい頃からスーパースターだった」と語るアインシュタインの相対性理論をモチーフにした事から来ている。走行中の新幹線の窓から映したモノクロ写真たちは当然のことながら景色がブレている(という表現で正しいのかわからないが)。そしてそのブレは、高速で走る新幹線と写っている景色の時間のズレを記録している。窓を境にしたこちら側とあちら側の差異。少し未来の景色。ビルに映った新幹線が記録された写真などはこの新幹線の「何時(いつ)」を見ているのかわからなくなって面白い(相対性理論をちゃんと理解していないので)。その他、一秒以内に3回シャッターを切ったシリーズ「one second」も展示されており、こちらも渋谷の街の時の移ろいが記録された良い写真がいくつかあった。


丸ビルの方が大きいサイズのプリントが多く展示されていたため、写真単体の魅力を感じるにはこちらの方が良いが、大正大学の方が点数も多く関連資料も読めたりするので、深く知るにはこちらの方が良いかもしれない。たまたまそうなっただけだが、自分が行った順序は正しかったのかもしれない。クラウドファンディングで写真集も制作される模様。


ONE SECOND Vol.Shibuya 所幸則







アインシュタインロマン
H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCH
会 期 6月19日(金)~ 7月30日(木)
時 間 11:00~20:00

PARADOX-TIME アインシュタイン・ロマンスをめぐる冒険 所幸則写真展
エスパス空
会 期 7月1日(水)~ 9月25日(金)
時 間 10:00~19:00

秋山祐徳太子の母

2015-07-06 00:12:52 | 写真





秋山祐徳太子の母の遺品を石内都が撮った写真を見に銀座へ。


まだ読めていないが、今展は「秋山祐徳太子の母」の出版を記念して開かれているのだそう。石内都の写真「a.chiyo」の他に秋山のこれまでの著作、ブリキの彫刻や絵画、ダリコや都知事選出馬などこれまでの活動を紹介する資料なども展示されていた。「秋山祐徳太子の母」の執筆に使われた万年筆も展示されていた(母逝去時に赤瀬川原平からもらった香典で購入したもの)。


父と長男に早くに死なれ、お汁娘屋を開いて激動の昭和初期を生き抜いた母千代は私のイメージする江戸っ子のど真ん中にいる人で、前々からその人となりに興味を持っていたのでこの本はとても楽しみだ。


美大受験も、貧乏芸術家に専心する覚悟で会社を辞めるのも、数々のパフォーマンスも、2 度の東京都知事選立候補の時も、息子を見守り、励まし、むしろそそのかし、おまえらしく堂々と生きなと背中を押して、90 歳過ぎても60 になった倅の食事を毎日せっせと作り、生粋の江戸っ子で人情厚く、無類の面白がり屋だった母


「むしろそそのかし」って所にこの人の魅力の本質があるように思う。湿っていない面白がり屋。料理家の小林カツ代と仲が良かった事を初めて知った(共著も出ていた)。






秋山祐徳太子の母出版記念展
ギャラリー58
会 期 7月1日(水)~7月18日(土)
時 間 12:00~19:00

VIMEO恐るべし

2015-07-03 00:05:46 | 写真
Guerrilla Fighters of Kurdistan




探せばユーチューブにもあるのかもしれないが、探さなくてもこういう動画に出会う確率がVIMEOは高い。しかしこのクオリティの動画がタダで見れてしまうのだから恐ろしい。もちろん内容が面白いのだが、エラい美人の女性兵士が出てくるのも驚く。

NBA Finals 2015

2015-06-26 00:05:08 | 写真
Stephen Curry Top 10 Plays of 2014-2015 NBA Playoffs!




Steph Curryの第2戦最後のパスミスを見た時は1987年プレイオフのアイザイア・トーマスのパスミスを思い出して不安になったが、杞憂に終わった。カイリーアーヴィングが怪我しなかったらもっと面白かったろうが(第1戦のブロックにはシビれた)かなり楽しめたファイナルだった。ここに私の好きなTroy Murphyが居ないのが残念だ。




↓一番上の動画にCurryの親父Dell Curryが登場するのだが(25秒くらいから)、息子も真っ青なシュートリリースの早さを見せている。

Steph and Dell Curry Share Special NBA Bond on Father's Day


2015 NBA Finals: Top 10 Plays


Stephen Curry Dazzles with 37 in Game 5 Victory


Stephen Curry Finals Phantom Raw: Half-Court Shot




敢えていま、宮沢りえのサンタフェを買う

2015-06-17 00:40:46 | 写真





発売当時も見たし、知り合いの家にあるからちょいちょい見ていたのだけど、写真に興味を持ってから篠山紀信作品として見返すと印象が変わり別の魅力を感じたので、敢えていま、サンタフェを買ってみた。良い。脱いでない写真に良いのが結構ある。どうでも良いが(良くないが)、アマゾンがポルノ関係の管理を厳しくしたせいか、現在サンタフェが取り扱われていない。愚かだ。


現代のサンタフェは誰だろうと考えると、あの衝撃には及ばないが浅田舞しか思い浮かばなかったので勢いでこれも買ってみた。たぶん手放すと思うが、こういう写真集を自分で買うのははじめてだったので新鮮。


全然ジャンルが違うが、若木信吾が幼なじみを15年撮り続けた「英ちゃん 弘ちゃん」はとても良い写真集だった。被写体が軽度の精神遅滞者(知的障害者)だったということで見る側に変なバイアスがかかったり、写真のテーマとして特段珍しくないといってスルーしてしまうのは勿体無い。ある関係性のもとでしか絶対に撮り得ない何かが写っているし、野球帽の正しい(幸せな)かぶられ方が記録されている。私家版だったものがクラウドファンディングで出版されたらしい。ちゃんと資金が集まったという事が良い。