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歌はコトバを超える - 秦千香子(FREENOTE)

2008年11月27日 | みみよりめより
以前FREENOTE 「Re:チャンネル」という記事で、この曲の歌詞を絶賛した管理人ですが、

 味気ない部屋 冷たい床
 見もしないテレビをつけた
 やわらかいセーター着てるのに
 震えてヒザを抱えた

 (略)

 コトバを知りすぎて
 君との距離はかれない
 もうずっと 伝わらない
 どうしても 伝えたいのに

 怖くて怖くて たくさんのものを身につけた
 感じないフリをして
 自分を守っていた いつも

 でもありがとうじゃ伝わらない
 ごめんじゃ伝わらない
 だから何度でも 何度でも
 大きな声でまた 歌うよ

 (略)

10月に発売された3rdアルバム「ルート3(るーとさん)」に収録された「手紙」という曲の歌詞も凄い。長めに引用。

 (略)

 着々と家庭を築く同年代の友達を
 羨ましくなってしまったり、焦ったり
 そんな気持ちもなくはないんだけど…

 こちらは元気で歩いているよ
 そちらも元気でいますか?
 目指す場所はまだ遠いけどまっすぐに行けるよね
 傷つくたびに優しくなれるならそれも悪くないよね

 いま手紙のかわりにこの歌をうたうんだ
 幸せを当たり前と思わないように

秦千香子さんのソングライティングの特色でもありますが、内省的、ネガティブ志向なシチュエーションから一転しての高らかな歌い上げ。歌にはコトバを超えた何かがある、それをどうしても伝えたい秦千賀子さんです。

ほとんど神とまであがめるガーネット・クロウのポエマーAZUKI七さんでさえ、ゆりっぺが歌う、「あの声がないと書けない」と言っています。「歌詞フェチ」ですが、やはり歌はコトバを超えていることは認めざるを得ません。

その一方、素晴らしい歌詞はやはり文学作品としてみても素晴らしい。内省的な秦千香子、奥華子、哲学的、宗教的なAZUKI七、長いキャリアの中で殺伐ムードから自然賛歌まで大きく作風の変わった高橋佐代子、駆け出しながらなかなか新鮮なチャットモンイチーの福岡晃子、やはり「歌詞フェチ」はやめられないなあ。

注:FREENOTEのかなりの歌詞はUta-Netでご覧になれます。