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「英文解釈考」の序文に学ぶこと

2024年04月03日 | 英語生活ノおト
佐々木 高政(ささき たかまさ、1914年(大正3年) - 2008年(平成20年) )の66歳時の出版。長年英語指導に携わってきた氏のほぼ愚痴というか危機感が「はしがき」に記されています。



「英語教師をやったことのある人なら誰も知っていることであるが, 禍根は外国語学習の態度そのものに宿っているのである.つまり,、英語を味わって読むなどということは始めから念頭になく、いかに日本語に引き直しそれからおもむろに「意味」 を察するかに全面的な努力が傾けられるのである.。返り読みという言語的曲芸が終始行われる。これは明治以来根強く命脈を保って来た固として抜き難い頑疾である。 それ以前の何百年にもわたって行われて来た漢文訓読の習慣の自然延長である、これでは味わって読むことはおろか, 文意の正しい把握すら危くなる。」

全くその通りですが、英語に返り点をつけてなんとか解読しようとした、そして「自由」、「平等」、「文明」、「期待」とおびただしい数の造語を作っていった明治初期の人々のすさまじいまでの努力も一方忘れてはいけませんね。

佐々木高政先生の著作に関しては、こちらをどうぞ。
70年間書店に並ぶ「英文構成法」(佐々木高政)
すべてはこの本から始まった…「和文英訳の修業」