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「英文解釈考」の序文に学ぶこと

2024年04月03日 | 英語生活ノおト
佐々木 高政(ささき たかまさ、1914年(大正3年) - 2008年(平成20年) )の66歳時の出版。長年英語指導に携わってきた氏のほぼ愚痴というか危機感が「はしがき」に記されています。



「英語教師をやったことのある人なら誰も知っていることであるが, 禍根は外国語学習の態度そのものに宿っているのである.つまり,、英語を味わって読むなどということは始めから念頭になく、いかに日本語に引き直しそれからおもむろに「意味」 を察するかに全面的な努力が傾けられるのである.。返り読みという言語的曲芸が終始行われる。これは明治以来根強く命脈を保って来た固として抜き難い頑疾である。 それ以前の何百年にもわたって行われて来た漢文訓読の習慣の自然延長である、これでは味わって読むことはおろか, 文意の正しい把握すら危くなる。」

全くその通りですが、英語に返り点をつけてなんとか解読しようとした、そして「自由」、「平等」、「文明」、「期待」とおびただしい数の造語を作っていった明治初期の人々のすさまじいまでの努力も一方忘れてはいけませんね。

佐々木高政先生の著作に関しては、こちらをどうぞ。
70年間書店に並ぶ「英文構成法」(佐々木高政)
すべてはこの本から始まった…「和文英訳の修業」

Diana Ross and The Supremes - Love Child

2022年02月02日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 直読・直解の試み(「線香読みのすすめ」続編)> Diana Ross and The Supremes - Love Child

<お知らせ>YouTubeのリンク切れを発見、修正しました。初出は2017年3月です>

ソウル・ミュージックに興味を持つきっかけとなったのがこの曲、Love Child、私生児。ダイアナ・ロスが透き通った、「金属的」と評された声で

Love child, never meant to be
Love child, society

と歌う、その時受けた衝撃ともいえる感動は今も忘れません。彼女は極めて発声が明瞭かつ音を崩さないので、そんなに英語が得意でなかった当時(1968)の管理人にも十分理解できました。そうでした、societyの一言でノックアウトされました、確かにバックでスプリームスがscorned byと歌っていますが、一言で十分わかる、社会から疎まれ、拒絶され、締め出されていることが。ラブ・ソングではあるものの、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが暗殺された年のこの曲、極めて社会的でもあります。



You think that I don't feel love(愛を感じないと思っているの)
But what I feel for you(貴方に感じているのは) is real love(本当の愛)
In other's eyes(他人の眼には) I see reflected(映っている)
A hurt, scorned, rejected(傷つき、軽蔑され、拒絶されている)

Love child, never meant to be(そう望んだんじゃなかった)
Love child, born in poverty(貧しさの中に生まれたけど)
Love child, never meant to be(そう望んだんじゃなかった)
Love child, take a look at me

I started my life in an old, cold run down tenement(共同住宅) slum
My father left, he never even married mom
I shared the guilt(罪悪感を分けている) my mama knew
So afraid that others knew I had no name(名前さえない)

This love(この愛) we're contemplating(じっくり考えている)
Is worth(値打ちがある) the pain of waiting(待つ痛み)
We'll only end up(結局は~かもしれない) hating(嫌う)
The child we maybe creating(私たちが作るかもしれない子供を)

Love child, never meant to be(そう望んだんじゃなかった)
Love child, (scorned by) society(社会に嘲られ)
Love child, always second best(いつも添え物)
Love child, different from the rest(そう望んだんじゃなかった)

Mm, baby (hold on, hold on, just a little bit)
Mm, baby (hold on, hold on, just a little bit)
I started school, in a worn(着古された), torn(破れた) dress that somebody threw out
I knew(知っている) the way it felt(どんなことか), to always live in doubt
To be without the simple things(何もないこと)
So afraid(恐れていた) my friends would see the guilt in me(私の中の罪)

Don't think that I don't need you
Don't think I don't wanna please you
No child of mine(私の子は決して~ない) will be bearing(背負う
The name of shame(恥) I've been wearing

Love child, love child, never quite as good(決していいもんじゃない)
Afraid(恐れ), ashamed(恥), misunderstood(誤解され)

But I'll always love you
I'll always love you
I'll always love you
I'll always love you
I'll always love you
I'll always love you


The Supremes , Love Child 1968

アン アップルとアナプル

2022年01月29日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第3巻> 英語の発音> アン アップルとアナプル

ちょっとボランティアで英語を教えるお手伝いしようと思ったのですが、結局やめました。理由は今教えている先生方と指導法が相いれないと思ったからです。

極端に言えば、an appleを「アナプル」と発音するようにという指導法でした。これ、危険です。

確かに聞きようによっては「アナプル」に聞こえますが、これは「アン アップル」を早口で発音した場合、いわゆるリンキングと言って、音がつながって聞こえる現象が起こっているにすぎません。特に子音と母音の場合顕著です。

an apple以外にもcheer upが「チアゥラップ」に聞こえたり、as soon asが「アズスーナズ」、check it outが「チェケラッチョ」に聞こえたり。

リンキングはそのように聞こえてくる現象であり、その結果をそのまままねするととんでもないことになります。「チェケラッチョ」は極端にせよ、「チアゥラップ」あたりはやりそうですね。「チア アップ」であり、「チアゥラップ」では絶対ありません。

我々は英語を学ぶ身の上です、英語はちゃんと、ゆっくり発音した方がいいと思います。

YOU DID IT.

2021年06月08日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第2巻(補)> 英語のバックグラウンド(3)> YOU DID IT.

四半世紀前ですが、O. J. シンプソンという伝説的なフットボールスターが、元妻ニコール・ブラウン・シンプソンとその愛人を殺害した(とされる)事件が発生、なんせ大スターなもんですから、人種差別問題(ニコールはブロンドのコーカシアン)も絡み裁判の様子は刻々とメディアに取り上げられ、毎日ゴールデンアワーをにぎわすという状態がほぼ毎日、一年ほど続きました。事件を担当した女性検事補(だったと思います)の服装までメディアに取り上げられるという、ほぼお祭り騒ぎ。

当時アメリカに住んでいましたが、テレビをつけるとO. J. シンプソンという、異様な一年でした。

ばく大なお金をかけて超一流弁護士を一ダースほど動員した彼は、刑事裁判では無罪となりましたが、元妻の愛人の父親が起こした損害賠償裁判(民事裁判)では敗訴。ばく大な訴訟費用とかで、彼は貧乏とは言わないまでもかなり苦しい毎日を送っているようです。

刑事裁判と民事裁判の判決がまったく違うというほど、大衆のO. J. シンプソンへの疑いは深く、

YOU DID IT. (やったんでしょ。)

という言葉が一世を風靡しました。

YOU DID IT.

はいまでもよくつかわれます。犯罪の多様化、複雑化でどう考えても犯人と思われる人物を起訴に持っていけないケースが増えているのでしょう。

日本の政治家など、まさに「疑惑のデパート」結構いますよね。

数字の読み方、書き方

2021年05月21日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第1巻>英語のバックグラウンド(1)> 数字の読み方、書き方

当記事は2005年にアップした記事の再改訂版です。


$2,533をどのように読むかですが、学校で習ったやり方では

Two thousand, five hundred, and thirty three dollars.

決して間違いではありませんが、実際は

Twenty-five hundred, and thirty three dollars.

と、なります。

ルールその1、偶数桁は2桁ずつ区切るというものです。例えば電話番号で542-1811は

five four two, dash, eighteen eleven.

と、なります。542は電話番号などの場合five hundred, and ..と読むことはまれです。

ルールその2、21以上の数字はハイフン(-)でつなぎます。ただ、文頭はこの限りではありません。

また、$1,512.15は

Fifteen hundred, twelve dollars, and fifteen cents.

と、なります。

5桁以上は学校文法どおり、たとえば$12,111は

Twelve thousand, one hundred, and eleven dollars.

と、なります。また、$123,154は

One hundred and twenty three thousand, one hundred, and fifty-four dollars.

です。英国やオージー(オーストラリア、ニュージーランド)でも同様です。いずれも補助貨幣がありますので、5桁以上はあまり用いません。安心してください。

さて、書くときですが、例えば$1,512.15は通常15(セント)をやや小さく上付きで記入、下線をひきます。これはセント、ドルの位取りを間違えると大変なことになるからです。また、,と.の区別はきちっと書いてください。

$1,512.15

また、電話器にある、#*のサインの読み方ですが、#pound sign*star (sign)もしくはasteriskと読みます。よく、telephone bankingautomated answer systemで用いられますので、おさえておきましょう。

Thousandhundredは数詞の後ろでは単数形となります。

Webster's New Dictionary of Synonyms with Thumb Index

2021年04月14日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 辞書フェチの独り言>Webster's New Dictionary of Synonyms with Thumb Index

以前、辞書フェチの辞書遍歴で紹介した、類義語・反意語辞典(thesaurus)です。



なぜこのような辞書が必要かというと、話し言葉と書き言葉で触れましたように、同じ単語や熟語を1ページ内2度以上使うのを避け、言い換えるという、英語を書く場合のお作法があるためです。


(この写真はクリックで拡大します)

Discrimination(ディスクゥリミネイション:差別)という穏やかならぬ言葉が出てきますが、ここでは語の定義という意味ですよ。なお、Synonym(スィノニム)は同意語、antonym(アントニム)は反対語、analogous(アナロガス)は類似の、という意味です。これくらいの辞書になると解説が極めて細かく、論文など厳密な言いかえが必要な場合に必須な辞書です。

もう一つ紹介したいのが次の写真のいわゆるThumb Index。Thumb(サム)は親指という意味で、このようにくりぬいたインデックス。日本ではあまりというか、まったく見かけませんが、アメリカ人は大好きです。なんせ体がでかく、指も太い… あの巨体で驚くほど器用な人もいますが、平均すればどうなんでしょうね。くりぬく機械見てみたいものです。

印象の残った表現三選

2021年02月15日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第2巻> 英語らしい表現> 印象の残った表現三選

アメリカから帰国し、ずいぶん経ちますが、この三つの表現は頭から離れません。何度も聞いたわけではないので、スラング(slang)か個人言語(idiolect)かどうかは不明。




"Well, I am gonna shoot the lunch."
「ちょっと昼めし、掻き込んでくるわ。」
👉 へえ、飯を撃つんだ、と妙に感心した記憶があります。確かにさっさと済ます感があり。

"I have just fixed our dinner."
「ちょうど夕飯の準備済ませたところよ。」
👉 Cookじゃあなくて、fixかあ。大した料理じゃない感満載です。

"Well, it sounds like school pizza."
「ふーん、学校のピザみたいだね。」
👉 女の子が何の料理か忘れましたが、べちゃべちゃして不味いと一生懸命訴えるのに対し、大人の返答。学校のピザは薄くてべちゃべちゃして不味いものというのが、定説みたいです。



共通テスト「英語」第6問A直読・直解(完成)

2021年01月23日 | 英語生活ノおト
それでは、第6問のAを読んでまいりましょう。途中concussionとか、spotterとか見慣れない言葉が出てきますが、そこで「おたおた」しない。英文を読んでいて、知らない言葉が出てこない方が珍しい。これ、大事でですよ。知らないことはどうしようもないので、とりあえずそのまま読み進めます。すると文脈の中でなんとなくわかったり、ご親切に説明があったりします。

いままであまり取り上げてきませんでしたが、「とりあえず読み進む」、重要なテクニックです。

You are working(あなたは取り組んでいる) on a class project(クラスのプロジェクトに) about safety sports(スポーツの安全に関する) and found the following article(そして次のような記事を見つけました). You are reading it(あなたはそれを読んで) and making a poster(ポスターを作りなさい) to present your findings to your classmates(クラスメイトにあなたの発見をプレゼンするために)

          
Making Ice Hockey Safer(ホッケーをより安全にする)


Ice hockey is a team sport(アイスホッケーはチームスポーツです) enjoyed by a wide variety of people around the world(世界中で様々な人々に楽しまれています). The object of the sport is(このスポーツの目的は) to move a hard rubber disk called a "puck"(パックと呼ばれる固いゴムのディスクを動かすことです) into the other team's net with a hockey stick(ホッケースティックで相手チームのネットへ). Two teams with six players on each team engage(それぞれ6人の2チームが試合をします) in this fast-paced sport on a hard and slippery ice rink(滑りやすい氷の上のハイスピードなゲームに). Players may reach a speed of 30 kilometers per hour(プレイヤーは時速30キロメートルに達することがあります) sending the puck into the air(パックを空中に送るときに). At this pace, both the players and the puck can be a cause of serious danger(このスピードでは双方のプレイヤーたちとパックは深刻な危険を起こすかもしれません).

The speed of the sport and the slippery surface of the ice rink(このスポーツのスピードとアイスリンクの滑りやすい表面は) make it easy for players to fall down or bump into each other(プレイヤーはいとも簡単に滑ったり、お互いぶつかったりして) resulting in a variety of injuries(結果様々なけがを引き起こします). In an attempt to protect players(プレイヤーを守る試みとして), equipment such as helmets, gloves, and pads for the shoulders, elbows, and legs, has been introduced over the years(これまでヘルメットやグローブ、肩やひざへのパッドなど様々な装具が使われてきました). Despite these efforts, ice hockey has a high rate of concussions(このような努力にかかわらず、アイスホッケーにはコンカッションの高い確率があります).

A concussion is an injury to the brain(コンカッションは脳への怪我で) that affects the way it functions(機能に様々に影響します); it is caused by either direct or indirect impact to the head, face, neck, or elsewhere(頭や、顔、首などへの直接、あるいは間接的な衝撃で発生し) and can sometimes cause temporary loss of consciousness(時には一時的な意識の喪失を起こします). In less serious cases(もっと軽い場合でも), for a short time(しばらくの間), players may be unable to walk straight or see clearly(プレイヤーはまっすぐ歩けなかったり、ちゃんと見えなかったり), or they may experience ringing in the ears(耳鳴りを経験します). Some believe they just have a slight headache(プレイヤーによっては単なる軽い頭痛と信じて) and do not realize they have injured their brains(脳に怪我をしたことを認識していません).

どうですか、英語としては簡単な部類に入ります。構文的にも入り組んではいません。Concussionは脳震とうと訳されますが、別段日本語訳がわからなくても、どういうものであるか読めばわかります。

In addition to(に加えて) not realizing the seriousness of the injury(怪我の深刻さを認識しない), players tend to worry about(プレイヤーは気にする傾向にあります) what their coach will think(監督がどう考えるかを). In the past(過去においては), coaches preferred tough players(監督はタフなプレイヤーを好みました) who played in spite of the pain(痛みにかかわらずプレイする). In other words(言葉を変えると), while it would seem logical(論理的に思われるにかかわらず) for an injured player to stop playing after getting hurt(怪我したプレイヤーが受傷後プレイしないことが), many did not(多くはそうしませんでした). Recently, however(しかしながら最近になって), it has been found(わかってきました) that concussions can have serious effects(コンカッションに重大な副作用があることが) that last a lifetime(生涯続くような). People with a history of concussion(コンカッションの症歴がある人は) may have trouble concentrating or sleeping(集中力や睡眠に悩むことが多くあります). Moreover(さらに), they may suffer from psychological problems such as depression and mood changes(気分の変化や鬱といった精神的な問題に悩まされたり). In some cases(時には), players may develop smell and taste disorders(臭覚、味覚障害を抱えたりします).

The National Hockey League (NHL), consisting of teams in Canada and the United States(NHLはカナダとアメリカのチームによって構成されていますが), has been making stricter rules and guidelines to deal with concussions(コンカッションに対応するためより厳しいルールや指針作りに関わってきました). For example, in 2001(例を挙げるなら), the NHL introduced the wearing of visors-pieces of clear plastic attached to the helmet that protect the face(NHLはヘルメットに装着する透明なプラスティックバイザーを導入し、顔への負傷を予防しようとしました). At first, it was optional and many players chose not to wear them(最初のうちは任意で、多くのプレイヤーは着けないことを選びました). Since 2013, however, it has been required(2013年からは装着を求められるようになりました). In addition, in 2004(さらい2004には), the NHL began to give more severe penalties(NHLは制裁を科すようになりました), such as suspensions and fines(一時出場停止や罰金などの), to players who hit another player in the head deliberately(故意に相手のプレイヤーの頭を打撃した場合).

The NHL also introduced a concussion spotters system in 2015(2015にはコンカッション・スポッター・システムを導入しました). In this system, NHL officials with access to live streaming and video replay(このシステムではNHLのオフィシャルがライブ配信やビデオ再生をもとに) watch for visible indications of concussion during each game(ゲーム中のコンカッションの目視できる証拠を探します). At first, two concussion spotters, who had no medical training, monitored the game in the arena(最初のうちは二人の、医療的トレーニングを受けていない、コンカッション・スポッターが観客席からモニターしていました). The following year, one to four concussion spotters with medical training were added(次の年には医療的トレーニングを受けた4人のコンカッション・スポッターが加わりました). They monitored each game from the League's head office in New York(彼らはニューヨークの本部からすべてのゲームを監視し). If a spotter thinks that a player has suffered a concussion(もしプレイヤーがコンカッションを起こしていると感じたら), the player is removed from the game and is taken to a "quiet room” for an examination by a medical doctor(プレイヤーはゲームから外され「静かな部屋」で医師の診察を受けます). The player is not allowed to return to the game until the doctor gives permission(プレイヤーは医師から許可されない限りゲームには戻れません).

The NHL has made much progress in making ice hockey a safer sport(NHLはホッケーをより安全なスポーツにするためずいぶん進歩してきました). As more is learned about the causes and effects of concussions(コンカッションの原因や結果がもっと明らかになるにつれ), the NHL will surely take further measures to ensure player safety(NHLはプレイヤーの安全を担保するためにさらなる基準を設けるでしょう). Better safety might lead to an increase in the number of ice hockey players and fans(より高い安全性はホッケープレイヤーやファンの増加につながることでしょう).

またspotterという聞きなれない言葉が出てきましたが、こちらも読み進めるうちわかってきます。

知らない、見慣れない言葉が出てきても焦らない、よい見本の出題です。2004は2014の誤植でしょうね、多分。

ついでに、スポーツから見たアメリカとカナダについて。

野球はともかく、フットボールはカナダではあまり人気がありません。一方バスケットボールやアイスホッケーはカナダでも大人気。NHLや、バスケットボールのNBAは国境をまたいだ組織です。NHLは冬がシーズン、NBAは夏がシーズン、一つのアリーナを共有できるというメリットがあります。

なぜアメリカ人が野球(Ball Game)とNational Disease(国民的疾患)とされるフットボール双方に熱狂できるか?野球は夏、フットボールは冬がシーズンだからです。野球場は市内に、フットボール競技場は広大なため、郊外にあることが多いですね。

夏は室内でバスケットボール、屋外で野球を楽しみ、冬は室内でホッケー、屋外でフットボール。これがアメリカ人のライフスタイル。

なお、フットボールはフィジカルにタフなスポーツのため、試合はたいてい週末のみ。つまり年間たった数十日のために広大なフットボール競技場をあちこちに維持しています。やはり国民的疾患ですね。

大きく変わった共通テスト(英語)

2021年01月18日 | 英語生活ノおト
センターテストから共通テストに変わり、英語の出題形式は激変しました。英語(リーディング)と英語リスニング、それぞれ100点満点。リーディングは文法問題、穴埋め問題一切なし。日本語による説明や設問一切なし。全問やや長めの文章を読んで質問に答える形式。文学作品からの引用とか、一切なし。おおむねコンテンポラリーなトピックのみ。予定していた記述式が現状では困難なため、マイナス一(イチ)で踏み切った感じですね。

第6問のA(24点満点)はこんな感じ、配点12点くらい。

文中concussionという見慣れない言葉が出てきてぎょっとしますが、ちゃんと説明されています。

You are working on a class project about safety sports and found the following article. You are reading it and making a poster to present your findings to your classmates,

          
Making Ice Hockey Safer


Ice hockey is a team sport enjoyed by a wide variety of people around the world. The object of the sport is to move a hard rubber disk called a "puck" into the other team's net with a hockey stick. Two teams with six players on each team engage in this fast-paced sport on a hard and slippery ice rink. Players may reach a speed of 30 kilometers per hour sending the puck into the air. At this pace, both the players and the puck can be a cause of serious
danger.

The speed of the sport and the slippery surface of the ice rink make it easy for players to fall down or bump into each other resulting in a variety of injuries. In an attempt to protect players, equipment such as helmets, gloves, and pads for the shoulders, elbows, and legs, has been introduced over the years. Despite these efforts, ice hockey has a high rate of concussions.

A concussion is an injury to the brain that affects the way it functions; it is caused by either direct or indirect impact to the head, face, neck, or elsewhere and can sometimes cause temporary loss of consciousness. In less serious cases, for a short time, players may be unable to walk straight or see clearly, or they may experience ringing in the ears. Some believe they just have a slight headache and do not realize they have injured their brains.

In addition to not realizing the seriousness of the injury, players tend to worry about what their coach will think. In the past, coaches preferred tough players who played in spite of the pain. In other words, while it would seem logical for an injured player to stop playing after getting hurt, many did not. Recently, however, it has been found that concussions can have serious effects that last a lifetime. People with a history of concussion may have trouble concentrating or sleeping. Moreover, they may suffer from psychological problems such as depression and mood changes. In some cases, players may develop smell and taste disorders.

The National Hockey League (NHL), consisting of teams in Canada and the United States, has been making stricter rules and guidelines to deal with concussions. For example, in 2001, the NHL introduced the wearing of visors-pieces of clear plastic attached to the helmet that protect the face. At first, it was optional and many players chose not to wear them. Since 2013, however, it has been required. In addition, in 2004, the NHL began to give
more severe penalties, such as suspensions and fines, to players who hit another player in the head deliberately.

The NHL also introduced a concussion spotters system in 2015. In this system, NHL officials with access to live streaming and video replay watch for visible indications of concussion during each game. At first, two concussion spotters, who had no medical training, monitored the game in the arena. The following year, one to four concussion spotters with medical training were added. They monitored each game from the League's head office in New York. If a spotter thinks that a player has suffered a concussion, the player is removed from the game and is taken to a "quiet room” for an examination by a medical doctor. The player is not allowed to return to the game until the doctor gives permission.

The NHL has made much progress in making ice hockey a safer sport. As more is learned about the causes and effects of concussions, the NHL will surely take further measures to ensure player safety. Better safety might lead to an increase in the number of ice hockey players and fans.

質問はconcussionの短期、長期の症状を選択肢の中から選ぶのと、NHLがとった対策についての2問の計4問。ぞれぞれ4点。

こういう問題が10ほど並び、80分の制限時間。まず分量に圧倒されますが、文学作品とかエッセイとかの美文(つまり癖がある)はないので、文章そのものは難しくありません。今後復活の可能性がないわけではないですが。ただ日常英語が中心という傾向は続くでしょうね。

今までの暗記中心の「受験勉強」は今後通用するとも思えず、受験業界も大変ですね。でも小手先はともかく、語学学習の基本のキは読んで、読んで、読むこと。読む量がすべてを語ります。

手前味噌ですが、本ブログでは英語の直読・直解を提唱し続けていますが、これは英語の思考方法に乗っかり、効率的に読む方法です。次回はこの第8問を直読・直解で読み解いてみましょう。




70年間書店に並ぶ「英文構成法」(佐々木高政)

2020年11月20日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 英語ご異見板> 70年間書店に並ぶ「英文構成法」(佐々木高政)


初版が1949年、5訂新版が1973年で、いまだ書店に普通に並ぶ佐々木高政氏の英文構成法。大学受験の参考書と思っていましたが、学生時代に買ったことはありません。今回いざ手に取ってみるととてもそのレベルではありません。

佐々木高政氏の有名な3部作は、すでにご紹介した「和文英訳の修業」とこの「英文構成法」、そして「英文解釈考(新訂)」。易しい順に「和文英訳の修業」、「英文構成法」、「英文解釈考(新訂)」。「英文解釈考」は書店で見かけましたが、高度な内容のため、果たして書評できるか、考え中。



まず、初版の「はじめにあたって」より。

このささやかな本で私が試みたのは,私なりにまとめ上げたごく初歩のwriting knowledge of English をできるだけ系統立てて述べることであった。英文を綴る第一歩として「どのような語をどのように並べる」のかを説いたのである。これは「英作文として教えうる、また教えて効果のあるのは、ある一定の型に従えばだれでもまず正しい文が書ける部分、いわゆる基本文型の範囲内である」というかねがねの私の考えに基づくものである。

本書の特徴は何といっても構成要素によって英語の文型を24に分けたこと。突き詰めれば英語は5文型に集約されるとは思いますが、そして概念的にはそれで正しいと思いますが、一度細かく分析して、様々な気づきに触れることは大切ですね。その結果として5文型に集約されることに納得できればいいのではないでしょうか。

以下、ふたつほど紹介します。

第3型
主語がInfinitiveまたはNoun Clauseで'It'を先行させる。
It Verb Real Subject
1. It never pays to buy cheap things.
2.It doesn't do to be too strict with* very young children.
3. It does not matter whether you will consent or not.
4. It seemed to be that things are going from bad to worse.

意味
1. 安物を買っても決して引き合わないものです。
2. 幼い子供にあまり厳しくしすぎるのはいけない。
* 'in dealing with'のそれである.
3.彼が同意しようがしまいがかまやしない。
4.事態は悪化する一方のように私には思われた。
Cf. Things seemed to me to be going from bad to worse.

特色

ごく少数の特殊な自動詞に限って、その主語が Infinitive またはNoun Clause である場合, , SVの順に並べると福助頭にてん足といった格好となって坐りが悪いので、It'を仮主語として文 頭に置き,次に動詞そして最後に本物の主語を据える、という文型。(後略)

👉いまなら差別用語だと非難されそうですが、ユーモアセンスはさすが。まあ、それはともかく、このように説明されると納得しますよね。


第8型
Objectをとる形容詞が補語
Subject × 'Be'類 Adjective × Its Object
1. It looks like snow (clearing up*).
2. Such behavior is unlike him.
3. She is nearer fifty than forty.
4. His income is now double what he was.
5. The book seems well worth reading.

意味

1. 雪(晴れそうな)模様だ。
* *It looks like being a fine day. (よい天気になりそうです)などともいう。
2. そんな振舞いは彼らしくもない.
Cf. It is not like him to behave that way.
3. 彼女は四十よりも五十に近いのです。
Cf. She's on the wrong side of forty. / She's in the [her] late forties.
4. 彼の現在の収入は以前の倍になっている。
Cf. He now earns twice as much as he used to.
5.その本は一読の価値が十分ありそうだ。

特色

形容詞は名詞の前または後につくだけでふつう他の語をみずから牽引する力はないがlike [unlike], near, worth, double'などは例外で目的語的なものとして「名詞・代名詞・動名詞・名詞節」をつけることができる。本項ではそうした形容詞を補語とする場合を取り扱う。
Cf. You look like your brother. (君は兄さんに似ているね)
Don't look at me like that. (わたしをそんな風に見つめないで下さい)(後略)

👉別段この例外的な形容詞を丸暗記する必要はないと思います。そういうのがあるということを納得することが大事だと思います。

「和文英訳の修業」珠玉の暗唱用基本文例集(2)

2020年11月16日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 英語ご異見板> 「和文英訳の修業」珠玉の暗唱用基本文例集(2)


(1)の続きです。

260. It is very kind of you to say so.
そのおことばまことにかたじけない。

269. Is it any wonder that he should have failed in his examination?
彼が試験に落第したからと言ってなんの不思議がありましょう。

👉shouldで落ちるべくして落ちたことを表しています。

276. ”What’s the weather like today?" "It looks like clearing up."
「きょうのお天気ぐあいどうだい?」「晴れそうです。」

297. Has there been an accident?
何か事故があったのか。

302. There used to be a large cherry-tree growing in our back yard.
以前うちの裏庭には大きな桜の木が一本生えていました。

311. It often happens that one who marries in haste repents at leisure.
あわてて結婚し、あとでゆっくり臍(ほぞ)をかむ例は世間によくあります。

351. The world is full of people who ware promising as young men but who haven't in middle age, fulfilled their promise.
若い時には前途有望であったが、中年になってその期待を果たさなかった人たちが世間にはいっぱいいる。

👉はい、そうです。

383. I'll tell you a secret if you will promise no to repeat it.
口外しないと約束すれば、秘密を教えてあげるがね。

👉このwillは「意志」、「意向」のwill.

397. An hour later, he was calmly reading a book as if nothing had happened.
一時間後には彼は何事もなかったかのように静かに本を読んでいた。

403. "How much older is he than you?" "He is older than I by two years."
「彼はあなたよりいくつ年上ですか?」「彼の方が私より二つ年上です。」

415. The more you know, the more you find you don't know.
知識が増せば増すほど自分の無知なことがわかってくる。

424. She is not so much young as she looks.
彼女は見かけほど若くない。

446. Say what you will, it is your mother that has made you what you are.
君がなんと言おうと、君を今日あらしめたのは君のお母さんです。

469. Get everything ready by Monday morning.
月曜日の朝までに準備万端整えておけ。

486. Nothing can come of nothing.
無から有は生じ得ませんよ。

497. I don't believe a word of what you've said.
君の今話したことなどひと言だって信じないよ。








「和文英訳の修業」珠玉の暗唱用基本文例集(1)

2020年11月09日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 英語ご異見板> 「和文英訳の修業」珠玉の暗唱用基本文例集(1)


500のうちから選りすぐりをいくつか。

12. Do you always get on well with others?
君はいつもほかの人と折り合いがいいほう?

14. Why doesn’t somebody do something about it?
なぜ誰かそれを何とかしないのだろう。

27. [What] on earth do you imagine [is going to happen] to us if war breaks out?
戦争になったらいったいわたしたちはどんなことになると思うね。

37. Never act rashly on the impulse of the moment.
決してとっさの衝動にかられ無茶なまねはするな。

42. Let them think what they like.
あの連中には好きに思わせておけ。

50. The hotel is next door but one to this.
そのホテルなら一軒おいた先です。

👉この言い方、便利かも。

63. You shall want for nothing as long as I live.
私の目の黒いうちはお前に何も不自由させん。

71. I was meaning to write to you, only I’ve been so busy with one thing and another.
手紙を書こうと思いながら、あれやこれやでひどくいそがしかったもので。

74. He’s never had a day’s illness in his life.
彼は生まれたからこの方一日も病気したことがない。

80. I shall have been here a week tomorrow.
ここに来て明日で一週間となります。

85. The summer had (was) gone before I knew.
夏は知らぬ間にすぎ去っておりました。

86. Everybody is laughing at you behind your back.
かげてみんながきみのことを笑っているよ。

94. It will have been raining a whole week tomorrow.
明日でまる一週間降りつづいたことになる。

124. Our letters must have crossed each other on the way.
わたしたちの手紙は途中できっと行き違いになったのでしょう。

132. What can I have said to offend him?
彼を怒らすようなことーいったい何を言ったのかな。

151. People will talk. You can’t keep them from talking.
人の口に戸は立たぬ。黙らせておく方法はない。

👉「((習慣・規則的動作))決まって…する, ふつう[しばしば]…する. ▼しばしば話者にとって不可解あるいは迷惑な習慣に用いる;この意味のwillは否定文では用いない」と辞書にありました。ああ、そうですか。

169. I can’t help saying what I think. I suppose I was born that way.
思ったことは言わずにいれないだ僕。生まれつきだろうね。

187. Some things are better left unsaid.
事柄によっては言わずが花です。

211. He seemed to be trying to say something, but no words came.
なにか言おうとしている風だったが、ことばが出て来なかった。

230. You are old enough now to take care of yourself.
もう自分で自分の始末はつけていい年だよ君は。

248. I was about to buy a ticket, when I missed my purse.
切符を買おうとして財布がないのに気づいた。

Duo 3.0…「和文英訳の修業」の後釜になれるか。

2020年11月06日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第4巻> 英語ご異見板> Duo 3.0…「和文英訳の修業」の後釜になれるか。


「和文英訳の修業」に続き、ちゃんとレビューしようとDuo 3.0再購入。はたしてDuo 3.0は「和文英訳の修業」を互換、置換するか?Duo 3.0は2000年の版なのに、いまだに本屋で平積みされています。売れているんですねえ、400万部だとか。


著者による推薦学習法は次の通り。

■ 560 本の見出し英文を、それぞれの単語・熟語の意味を理解しながら和訳する
■ 基礎用 CD を利用して、「日本語→英語」の変換が自然にできるようになるまでリスニングを続ける
■ 日本語での意味をイメージしながら英文の音読を繰り返す
それはそれでいいと思いますが、大事なことは最後までやり遂げること。


このように至れり尽くせりの構成、例文に使われている単語、熟語をまるで辞書並みの丁寧さで解説、最後に全訳までついていますが、ここは「さらっと」行きましょう。

この例で行けば、put...onはとりあえず①...を着るだけで十分、反意語のtake...offやput offとの違いやwearとの違いなどはあくまで「さらっと」目を通す程度。見出し英文のSince I was in hurry, I put my gloves on inside out by mistake.の音読、暗記に集中しましょう。

大体覚えたと思ったら、次に行く。スピードが大切。忘れることは一切気にしない。人間は「忘れる動物」です。気にせずどんどん最後まで行きましょう。あまり丁寧に勉強して、その大変さに挫折するより、雑でもいいからやり遂げることが大事。

一度やり遂げたら、あとは納得できるまで繰り返せば、「そのうち」覚える量が忘れる量を超えます。繰り返し時点でこんどは解説に詳しく目を通す。できれば解説にとどまらず、自分で辞書を引く、そういう手間をかければ語彙はどんどん増えていきます。

何度も繰り返しますが、一度にいろいろ手を広げない。まずは560の英文が何となく頭に入ればいい。それくらいの気楽さが必要です。

Duo 3.0は「和文英訳の修業」の後釜になれるか。

1.Duo 3.0、「和文英訳の修業」とも英語を使っていく上で必要な表現を500前後にまとめあげています。
2.Duo 3.0の例文がコンテンポラリーなのに対し、「和文英訳の修業」は古今東西の名文が中心。
3.Duo 3.0が至れり尽くせりで、ある意味では自分で工夫して学ぶ余地がない、著者の言うとおりにしなさい、的なのに対し、「和文英訳の修業」は自分でいろいろ工夫して、作ってみなさい、とそのための指針を与えています。

結論、Duo 3.0と「和文英訳の修業」との差異は前者が実用書であるのに対し、後者は学習書というところでしょうか、どちらかがどちらかを凌駕するとか、後継者であるとか、後釜であるとかいう表現は当たらない気がします。基本表現のまとめ以外はまったく別物と考えていいでしょう。

一応の英語力を、でしたら重要語彙もカバーするDuo 3.0がいいでしょう。もっと英語を突き詰めたい、なら骨太の「和文英訳の修業」がいいでしょう。来年4月に金子書房より復刻されます。

すべてはこの本から始まった…「和文英訳の修業」

2020年11月06日 | 英語生活ノおト
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最近予測変換とか、意味のかたまりとして瞬時に読み取る(流暢に英語を読むより)ということ、力説しておりますが、意味のかたまり~は学習法であり、予測変換はその結果としてもたらされるものです。以下、自分なりの学習方法、過程を振り返り、共有できるものは共有したいと考えます。

流暢に英語を読むでも触れていますが、私の場合、いままで漠然とした英語の勉強を一つの方向に向かせてくれたのが、この佐々木高政先生の名著「和文英訳の修業」です。本箱を探しても見つかりませんでしたので、古本を購入。カバーこそ経年変化でよごれが目立ちますが、中身はほとんど新品。



そこで私はあちらの辞書,新聞雑誌,小説戯曲のたぐいから,それだけを切り離して読んでもどんな状況のもとに言われているかの察しがつくようなもので、口にのせて調子よく、一口に言えて覚えやすく,しばしば用いられて応用もきく、といった種類の文例を長い月日をかけて集めてみた。そしてそれをふるいにかけ文法的な項目に分類し配列してみると英作文の基礎力をつけるのに格好と思われるものができあがった。それが本書の予備編の暗唱用文例である。根気よくこれをくり返しくり返し読んでいただきたい。日本文をチラッと見て英文が一息にスラスラと言えるまでに自らを訓練するのである。そうしてしばらくするとその文例は次第に消化されて自分のものとなり、時に応じて英語が口を突き、指先にうずくようになる、すなわち応用ができる段階に到達する。(昭和27年の初版のはしがき)

この「英語が口を突き、指先にうずくようになる」にやられましたね。何度も何度も読んで、おそらく例文500、一度は全部暗記したと思います。暗記で力尽き、研究問題や、演習問題まで手を付けたかどうか、記憶は定かでありません。

すでにのべたことと重複しますが、覚えるためには読んで、読んで、繰り返し読むしかない。また、ちゃんと読むためには意味を理解し、意味を理解するには単語の意味や熟語の意味を調べなければならない、音の切れ目を把握しないととてもすらすら読めない。このような努力を重ねて蓄積した文例は英作文のみならず、英語の読解にも当然役立ち、結果として語を意味のかたまりとして瞬時に読み取ることに繋がります。また多くの文例を暗記することにより前に触れました予測変換もある程度できるようになったと思います。中学校の時も英語はそれなりに得意でしたが、高校でこの本に出合った、そのことがなければとても現在このようなブログを書いてはいないと思います。

タイトルの「修業」、これは何かを成し遂げる意味、終わりのない修練の「修行」とは違います。この本一冊で完璧という佐々木高政先生の自信のほどが現れたタイトルです。

すべてはこの本から始まった…和文英訳の枠を超えた、英語の基礎を作る骨太の書。

本書の一ページ、基本文例256から264。


復刻版が金子書房から出るみたいですね。もともと「和文英訳の修業」は文建書房から出ていましたが、佐々木高政氏の他の名著、「新訂 英文解釈考」、「英文構成法」の出版元である金子書房から出るみたいですね。これらの書も絶版にはなっておらず、入手できます。

私は予備編の文例暗唱で息切れしましたが、基礎編、応用編と名解説が並びます。

一例を取ると、(一部省略)

英文をつづる際まず第一に考えねばならぬことは,一つ一つの文の構成のしかた,すなわちいかなる語を主語としそれについて叙述を進めて行くか、である。主語のとり方一つで文全体の姿がきまるからである。たとえば
「この歌をきくたびに、あの楽しかったころを思い出します」 といった簡単な内容の文でも
「私」を主語とすれば
I cannot hear this song without being reminded of those tout happy days.
などとなるし、「この歌」を主語とすれば
This song never fails to bring back to me memories of those happy days.
といったところが浮ぶし, 「あの楽しかったころ」を主語とすれば、
Those happy days live again in my memory whenever I hear this song.
あたりに収まるといったぐあいである。 どの行き方をとるかは、諸君の考え方の癖とその時々の英語の学力次第でそれぞれの場合に決定されていく、しかしへたな主語のとり方をすると動詞に困リ、目的語でゆきなやみ、修飾語句で手を上げて、結局……


といった調子。最後のほうなんか身につまされます。ぜひ入手されることをお勧めします。













「和文英訳の修業」に関する記事の書きなおしについて

2020年11月06日 | 英語生活ノおト
佐々木高政氏の「和文英訳の修業」に関する二つの記事、つまり

すべてはこの本から始まった…「和文英訳の修業」
Duo 3.0…「和文英訳の修業」の後釜になれるか。

の書きなおしを始めます。

理由は「和文英訳の修業」復刻版の入手可能性が思ってたより高い、というか確実であることが判明したためであります。よくよく調べたところ、金子書房のウェブサイトにも出版予定が明記されています。またアマゾンだけでなく、いくつかの入手方法も同サイトに明記されています。

もともと「和文英訳の修業」は文建書房から出ていましたが、佐々木高政氏の他の名著、「新訂 英文解釈考」、「英文構成法」の出版元である金子書房から出るみたいですね。これらの書も絶版にはなっておらず、入手できます。

さて、上の二つの記事は「和文英訳の修業」が入手しづらい、という前提で書いておりますので、入手が可能となると、Duo 3.0のウェイトの見直しも含め、訂正せざるを得ません、どうかご了承ください。二つの記事とも投稿日時も更新しますので、順次トップ記事となります。



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