光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

府中市美術館 「江戸の人物画 姿の美、力、奇」その1

2011年04月03日 | アート 日本画

府中市美術館で開催されている「江戸の人物画 姿の美、力、奇」の紹介です。

撮影禁止のため、同展の図録を購入し、スキャニングしたものをアップします。
テーマごとに展示グループ分けされていましたが、気に入ったものを展示順に紹介します。 

布袋図  円山応挙
縦2mほどの大きな絵。 胸毛や腹毛?メタボ、実物を見ると気持ちがいい絵ではありません。その意味ではデロリの感触があります。 京都の絵師である応挙、高雅でクールな絵が素晴らしいのですが、迫真の描きが、たまに、リアルな気味の悪さまでも浮かび上がらせるのではないのでしょうか。
左下の落款に古画を模写したとあり、応挙の創作ではないと思いますが、応挙の力が絵にダイナミックさを与えているのは事実。



夏月・冬月図(冬月の部分図)  司馬江漢
浮世絵師を出発点とし、後に油絵も画いた江漢。 当初は、師の春信の贋作つくりもしていたが、次第に独り立ちし鈴木春重と名乗るようになった。 その頃の作品で、唐画の技法を使って雪の雰囲気や、衣服の色彩感をうまく出している。



観桜美人図(部分)  祇園井特
京都の絵師である井特。  一般的な浮世絵美人の描きかたとは違う、独特のリアルさがあります。 この絵にも若干デロリの匂いを感じます。



唐美人図  長沢 蘆雪

繊細な描きが凄い。 衣の白い模様など、拡大した図でないと分かりませんが、緻密な描写です。
後年、奇想派と呼ばれるようなデロリ系の絵を画くのですが、この頃は応挙の高弟らしい、高雅な趣があります。
 

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