小林古径の「出湯」も、いい味わいがありました。
日本画における裸婦は、ほとんどみかけませんが、小林古径は、代表作である「髪」で半裸の女性の髪すきを描いています。
日本画に裸婦を導入しようという思いがあったのでしょう。
右側の女性の、恥らうような初々しさ、碧い湯の色の心地よさ・・・。
生糸貿易で財をなしたパトロンの原三渓に、最初の絵が買い上げられ、大正10に再び、描き起こした作品との説明がありますが、確かに手元においておきたくなる作品だと思います。
二人の女性を拡大したもの
さらに右側の女性を拡大表示したもの。
小林古径はこの作品を描いた翌年(大正11年)、前田青邨とともに渡欧、エジプトやイタリア、フランスそしてイギリスなどで美術作品を見てまわり、模写なども行って、大きく画境が変化していきます。
ですが、古径35歳のこの作品、充実した力が清涼感と色香を感じさせます。
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