光と影のつづれ織り

写真で綴る雑記帳

横浜美術館 コレクション展 #1

2013年07月11日 | アート 各分野

プーシキン美術館展の夜間特別観覧会に参加するため、早めに横浜美術館に行ったため、1時間ほど時間が空きました。

で、美術館のロビーを見回ると、コレクション展が開催されていました。  通常の所蔵作品展かなと思って、時間つぶしの

感じで入ったのですが、なんとなんとシュールレアリスムの作品から日本画、陶磁器、彫刻など素晴らしい作品が待ってい

ました。

副題に「収集のよろこび-美術館にみる個人コレクション」とあるように、個人コレクション別に展示してあり、コレクターの

個性がうかがえる展示でした。

さっそく、シュールレアリスムの作品から

ポール・デルヴォーの絵はどこかで見たと思うのですが、ハッキリとは思い出せません。  昔の美術の教科書だったかもし

れません。  時間が静止しているかのような錯覚を誘う絵です。  色合いや濃淡のコントラストに惹かれるものがあります。

また、デルヴォーは鉄道マニアだったのですね。 この絵にも、駅のプラットフォームや給水塔などそれらしきものが見えます。 

なお、コレクションは長岡市の大光相互銀行(当時)オーナーだった駒形十吉の現代美術コレクションとして収集したものだが

経営危機になり、全国の美術館等にその半分が売却された。  その売却品の一つがこれ・・・コレクターにとっては、手放す

のは辛かったと思いますが。  プーシキン美術館作品のコレクターは、もっと悲惨な手放し(接収)になっていましたね。

 

 

山高帽の紳士はマグリット自身でしょうか。  蒼く暗い色彩のなかで、眼、鼻、口が浮かびあがってみえ、面白い。

 

 

 

ヴラマンクは好みではありません。  が、この絵はいい。

種苗業で成功した坂田武雄氏の西洋近代美術コレクションで、横浜美術館に寄贈されたもの。

 

 

ここで、1階から2階の階段まわりにある西洋近代彫刻を。

展示室がある2階の回廊から見た彫刻作品の展示。  

この展示のインテリアや照明には興ざめでした。  神殿ふうな造作を目指したデザインですが、ごてごてした感じで、アート作品を観る雰囲気がデザインされていません。

調べてみると、丹下健三・都市・建築設計研究所の設計になっています。 代々木体育館など素晴らしい建築設計を行っていますが、1989年にオープンしたこの美術館は

ポストモダンの影響を受けて、装飾性を意識した設計になっており、ゴテゴテ感はそこからきているように思えます。

 

1階ロビーの中央部で、左側がプーシキン美術館展、右側がコレクション展に分かれています。  ここもデザイン不在の空間と感じました。  当初、横浜博覧会の会場として

使われたので、設計上、折衷案的な結果になったのかもしれません。

 

仕方なく、似合わない背景ですが、作品を。  ダリの彫刻作品。

 

 

 

階段を降りて、横から。  背景のエレベータやうるさい壁面が邪魔です。  東京国立博物館の東洋館1階の鑑賞デザインの素晴らしさを、少しでも応用できないだろうか。

 

こちらの作品名を撮り違えてしまい、作家などがわかりません。 撮った作品名は、ルネ・マグリット「レカミエ夫人」となっており、撮った時、おかしいな・・・と思いつつ確かめなかった私のミスです。

 

 

この彫刻の作家名など、初めて聞く名前でしたが、なぜか目立つ作品でした。  やはり、背景がうるさくて、いっそ大きな屏風を後ろに置いたらいいのでは。 

照明も工夫して、全般に照度を落とし、階段や彫刻には、LED等でスポットライトを使った照明を使えば、雰囲気がかなり違うと思います。・・・と勝手ばかり、言い過ぎですね。

 

なお、これらの彫刻は、コレクション展とは関係なく、常設展示している作品のようです。


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