田添菜穂子の一期一会

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聖書・・・・・

2008-03-12 11:16:26 | クラシック鑑賞
「初めに言があった。言は主と共にあった。言は神であった。
この言は初めに神と共にあった。」

土曜日、三鷹の風のホールで、茂木大輔さん指揮、バッハの「ヨハネ受難曲」を聴きました。
http://mitaka.jpn.org/ticket/0803080/

演奏中にプロジェクターにどんどん解説が映って理解しやすい、このシリーズ。
曲をあまり知らなくても「へぇ~」と耳で目で理解し鑑賞できるんです。

ただ、今回は、「ヨハネ受難曲」つまり、解説は聖書の言葉。
意味をとるのが難しい言葉が、次々と並びます。

穴が開くほど言葉を見ても、意味がわからない。

でもプロジェクターは無常にも次の言葉を映し出して・・・・・・

あ!

この感じ・・・・・・

宗教の時間だ!

クリスチャンではありませんが、中学、高校とカトリック系の学校に通ってました。週に一度の宗教の時間で聖書を読みました、というか読まなくちゃいけませんでした。

マタイによる福音書、ヨハネによる福音、ルカによる福音、コリント人への手紙・・・・

文字だから読めるけど、言いたいことはよくわからなくて、イエスはなんでそんなこと言うのかな、と思ってました。弟子もそこでなぜそれを伝えたい?と思うようなことを書いてるし。外国人の考えることは難しいよう・・・。

ああ、ちょっと、学生時代のもやもやを思い出してちょっとブルー


になりかけたけど、



でも、


美しい合唱、
ヨハネの言葉を柔らかな旋律に乗せてしゃべるテノール、
からみあう木管楽器の美しい重奏、
ヴィオラ・ダ・ガンバ、ヴィオラ・ダモーレなど古楽器の繊細な響き、

を聴きながらの聖書読解だと、ちょっと違う。


美しいモノは、こちらの気持ちもキレイにしてくれるような・・・・

もちろんわからない文章はたくさんあったのだけど、

「世の東西を問わず、時代を超えて、みんな生きていくのに指針を必要としてるんだなぁ」と最後の涙出そうに美しい合唱の頃には感じ,なんだか、少し敬虔な気持ちになったのでした。

「マタイ受難曲」も名曲だそう。

茂木さんはもう上演済みなんだそうですが、ぜひ、解説付きで聴いてみたいです。













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10 コメント

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Unknown (たぞえ)
2008-04-02 08:49:27
<もぎぎさま

聖職者と対等・・・・なるほど!すごい!
大切なクライアントであり、自身の信仰する宗教であるからこそ、レベルの高い理解を追求したのですね。
ドイツのバッハーツアーのくだり、ご著書で読みましたが、
もう一度読んだら、違う発見があるかも。

マタイの再演を「くわしっく名曲ガイド」で順を追いながら聴いて勉強して、お待ちしています☆



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バッハの蔵書 (もぎぎ)
2008-04-01 19:24:44
バッハの遺産は息子たちが管理して分配したために、かなり詳細なことが解っているのですが、蔵書のほとんどは非常に高度な神学書であったそうです。教会音楽家として責務を果たすためには聖職者たちと対等に渡り合えなくてはならなかったでしょうし、教会音楽を作るにはかなりたくさんの密教的といいますか、神秘主義的な伝統も知っていなくてはならなかったと思いますから、それらもまた教会音楽、ひいてはバッハの音楽を指揮する上では避けて通れない勉強ですね。自分は大きなオケを振るチャンスはほとんどなく、またドイツでもバッハ団体でずっと仕事をしてきたので、ハイドン、ベートーヴェンにならび、バッハを自分のとても大切なレパートリーと考えています。今回で一応3大教会音楽を指揮したことになり、また新たに進んで行きたいと思います。またぜひ御越し下さって、御感想など聞かせて下さい。もぎ
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おっと!ありがとうございます! (たぞえ)
2008-04-01 14:32:13
<もぎぎさま

指揮したご本人にコメントいただけるなんて、なんて光栄なんでしょう! 見つけてくださってありがとうございます。

そう、さまざま難しかったです。でも私にとっては20年来のキリスト教観が変わるすごい演奏会だったんですよ。

何千年という長い間に人々に必要とされてきた言葉の数々は死を恐れる人を励ましたり、なぜ生きるかを説いたりと、響くものもあるし、全く理解できないものもありました。

でも、この言葉を世界のかなりの人が信仰していること自体がすごい。私がイギリスにいるときに出会った友人達は、これをベースに持ってるんだと思うと、友人達と理解しえなかったことや、イギリス社会で驚いたことの答えが、聖書に詰まってるかも、とさえ思ってしまいます。さらには世界で起こっているさまざまな相互に理解し得ない事柄についても。

バッハさえも聖書の言葉に呼応した一キリスト教徒だったんだな、と思うと、すごい感慨でした。(ただ、彼は非凡だったからこれをもとに素晴らしい音楽を形成することができたけれど)

そんなことに思いを馳せながら聴いてました。
本筋とは違うかもしれませんが、素晴らしい機会に本当に感謝です。私もここから広げて行ってみます。

そして、ぜひ生で、茂木さんのバッハ解説シリーズ、また聞けるのを楽しみにしていますね。
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ありがとうございました (もぎぎ)
2008-04-01 00:25:33
ヨハネ受難曲、聴いて頂きありがとうございました。パンフレットにも正直に書いておきましたし、本心なのですが、やはりヨハネの福音書は、ほかの3つの調和福音書に比べても極端に難解で、暗号的な表現も多いように思われます。音楽もそれに対照して難解です。たしかに美しい場面や音楽自体の力を発揮する場面はありますが、この作品を統括的に理解してきちんと上演できる指揮者は世界中にもほとんどいないでしょう。音楽以前に神学的な部分があまりにも多くの課題を投げているからです。わずかな勉強ではありますがこの作品に真摯真剣に取り組んだ経験は大きなものでしたし、マタイはこの5/31に抜粋、解説つきで愛知県芸バッハカペレで指揮します。全曲もチャンスがあればぜひ演奏してみたいと思います。音楽を理解する、作品を解るということは並大抵のことではなく、最近は音楽史学や社会学までを含み、様々な視点をきちんと持って解釈しなくては、ただ慣習的に聴取、感覚的に演奏するだけの垂れ流しになってしまい、とても危険な文化状況だと思っております。田添さんがこの作品を難解だと感じ、ちゃんとここに書いて下さった事は実はとても素晴らしい、勇気のいる、美しい行いだったと思います。自分もヨハネ福音書、ひいてはバッハのヨハネ受難曲から、理解できないことへの啓示、という非常に特殊な体験を重ねました。実はそれがバッハ音楽への入り口だったのではないかと思っています。字幕さえもなくぼんやりと聴いて荘厳だ、美しいkというのは、ぼんやり教会の建築を見上げて誰もが感じることと同じですが、それではバッハ音楽の真価は、おそらく数億分の一しか体感できずに終ってしまうでしょう。少しは理解しやすい、ほかの歌詞によるカンタータや受難曲、ミサなどからも、また道は広がっております。また命と縁があってヨハネを振る機会が与えられる事を、10年後の自分に祈念しています。長々失礼しました。茂木
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そうですね! (たぞえ)
2008-03-14 14:39:53
<バッハHr.さん

愛・・・確かに!
聴いていても感じるのですから、演奏すると
なおさら、感じるのかな、なんて想像します。
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神、聖書、音楽 (バッハHr.)
2008-03-13 23:55:16
愛です!
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まあ、早速☆ (たぞえ)
2008-03-13 11:10:14
<TANIさん

ありがとうございますね。わざわざ♪

内容もなるほど、と思わせるものですが、
無駄のない美しい文章ですね。
旧約聖書も、そんな風に読めたのか、と
宗教の時間に遊んでばかりいたワタクシは思ってしまいました。
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今読んでいる本に・・・ (TANI)
2008-03-12 21:57:11
今読んでいる本「巨匠の肖像 バッハからショパンへ」(海老澤敏著)
に、こんな事が書いてありました。

「旧約聖書」が語る天地創造や人間の誕生の物語の中にも、音楽の起源に関する貴重な証言ともいうべきものが含まれている。神が万物を創造し、そしてその万物に音を、声を与えたもうた。山川草木には音を、動物には声を与えたのは神であった。その声音は、人間ばかりでなく、他の動物にも与えられたし、鳥たちのように美しく囀る動物達がいて、私達人間の耳を楽しませてもくれるのだ。
 だが、神から与えられた声音を、おのれの努力で美しく磨き上げ、美麗なその声で、神を讃えるという行為をおこなったのは、ほかならぬ人間、信仰を声音で表白した人間であった。そこに人間が創り上げた技、技術としての音楽の世界がある。そしてまたその技術を駆使しつつ、神を賛美し、神に祈り、また神の宮居を美しく飾る音楽、教会音楽の誕生がある。

と。
興味深い文章ですよね~~~!(^^v
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なるほど~☆ (たぞえ)
2008-03-12 18:46:59
<TANIさん

そうか、雅楽と「受難曲」!そんな接点もあるんですね。

神様も一般人も美しい音楽は大好き☆

神の言葉も音楽を介してだと伝わりやすいし、
美しい音楽で神を讃えることもできるし、

すごいですね、音楽♪

バッハのお話、私にも今度聞かせてくださいね。

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バッハですね!? (TANI)
2008-03-12 14:19:17
ちょうど今バッハを読んでいるところです。
神と、言葉と、歌と、音楽
これは
世界共通のものなのですね~~!?

日本の神楽も、そのおおもとは
古事記の天石屋戸の物語に由来するわけです。
神が楽しむから神楽(かぐら)

こんどのレッスンでYori先生にバッハのお話や
マタイ受難曲のお話などを聞いてこようと思っています。

そんな僕のフルートは、
神おも恐れぬ、神さえ恐れる、
なんちゃってフルートですが・・・(^^;;
好きな横笛は一生吹き続けて行きたいなと思っております。

いつの日か、神に捧げられる様な流麗な、清純な、音を奏でられるように、そんな日を夢見て、今日も楽しんで練習しようと思っております。(^^v


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