それはとてもステキな今年の音楽会初めでした。
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山下洋輔プロデュース
アン・アキコ・マイヤース初夢ヴァイオリン
2012年1月7日18:00開演
東京オペラシティ コンサートホール
第一部
アン・アキコ・マイヤース&山下洋輔 ソロ&デュオ
山下洋輔:『やわらぎ』(ピアノソロ)
『荒城の月(のヴァリエーション)』(ヴァイオリンソロ)
山下洋輔:『エコー オブ グレイ』(デュオ)
第二部
アン・アキコ・マイヤースwithオーケストラ
(指揮:本名徹次 東京フィルハーモニー交響楽団)
サマータイム
オータム・イン・ニューヨーク
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第三番ト短調
(カデンツァ:ウィントン・マルサリス版 日本初演)
アンコール~『星に願いを』
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日本が世界に誇るジャズピアニストの山下洋輔さんがプロデュースする新春コンサート。
今回で4回目だそう。前から行きたいと思っていたのですが、今回行く機会に恵まれました。
山下さんの生演奏は初めての体験。
「今回は和歌のように五七五七七で始めますが、その後は私のことですから、どうなるやら」
と最初の曲の前にご挨拶をなさっていた山下さん。
曲が始まると・・・・・・・
息をするのを忘れてしまう演奏って、こんな感じ・・・・・。
高速で次々に音が繰り出されたと思うと、穏やかなメロディアスな旋律が現れ、
それも鍵盤の上を猫が蹴散らしていくようにちりぢりばらばらになって
しかも進化したバリエーションの音が連なっていく・・・。
実際に途中、山下さんの手が猫のような動きをしているのが見えました。
でも何の不協和音もでてないのがもう、私には驚異!!
フリー・フォームというのが、こんな感じなんでしょうか?
ただただ圧倒され、興奮しました!!本当に素晴らしい!
続く、アン・アキコ・マイヤースさんは3月にお子さんが生まれるという
神々しい妊婦姿で『荒城の月』を美しく高らかに弾いて、見た目にも
音にもうっとりしました。
何でも今回のコンサートは、山下さんと、アンさんのお母さんのヤスコさんが、
幼少の頃ご近所住まいだった縁から実現したものだそう。
そんなお話を英語日本語交えながらされる雰囲気も心地良く、
そのまま、バッハの曲が元になっているという山下さんのオリジナル「エコーオブグレイ」
が披露されました。
第二部は、オケをバックにニューヨークのジャジーな雰囲気と、正統クラシック・モーツァルトを堪能。
アンさんのヴァイオリンは、高音がつややかにのびて、とてもリラックスして聴ける素晴らしい音でした。サマータイムもアンコールの星に願いをも絶品。
モーツァルトは第一楽章なんて大変な運動量で、弾いている最中のアンさんのこれまでの曲にない真剣な面持ちから、
妊婦経験者はつい「あ、今の動き、激しすぎておなか痛かったんじゃないかな」とか、いらない心配をしながら聴いてしまいましたが、
音は全く何の問題もなくモーツァルトらしく明るく輝いて美しく、
ゆったりとした二楽章を過ぎて三楽章になる頃には、おなかのお子さんと2人で弾くとこんなステキであたたかな音になるのかな、なんて思っていました。
いろんな音の体験を一度にさせてもらった貴重なコンサート。
幸先のよい音楽会初めでした。
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