goo blog サービス終了のお知らせ 

ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

エンパイア・オブ・ザ・ウルフ

2008年06月09日 | ネタバレなし批評篇
猟奇殺人死体が生々しかった『クリムゾン・リバー』の原作者が書いたベストセラー小説を映画化。『クリムゾン・・・』と同様、ジャン・レノがトルコ移民の趨勢にやたら詳しい訳有の元刑事シフェールとして登場している。顔や性器を傷つけられたトルコ移民の女性死体×3がパリ10区のトルコ人街であがる。一匹狼の所轄刑事ネルトーは悪名高きシフェールの協力を得て、トルコ人国粋主義組織<灰色の狼>が裏で関予していることをつきとめるのだが・・・。

(このシリーズお決まりの)唇を削りとられた惨殺死体や記憶喪失の女アンナが幻覚の中で見るモンスターフェイス(狼男モノではないのであしからず)などが出てくるが、フランス映画らしい映像美を味わえるシーンでうまく中和されているので、ミディアム・レアが苦手な人でもそれなりにおすすめできる作品だ。このアンナと猟奇殺人、そして暗躍する<灰色の狼>がどうつながるのかが最大の見所となるのだが、ジャン・レノ演じるシフェールが味方になったり敵になったりするドンデン返しの連続は、映画を見ていてもかなり落ち着かない。

機密事項のアンナの正体を警察がポロリとシフェールにもらしたり、<灰色の狼>のアジトをいとも簡単にネルトーがつきとめたり、プロットの展開に頼りすぎのご都合主義があまりにも目立ってしまったのがマイナス。フランス国民のトルコ移民に対する<良からぬ感情>が根底にくすぶっているせいかわからないが、彼らの残虐非道なふるまい(ジャン・レノもかなりの暴力デカぶりを発揮しているが)がどうも気になってしょうがない。観光地で有名なあのカッパドキアが実は○○○だったなんてオチも、荒唐無稽を通りこしてむしろ制作側の<悪意>を感じてしまう。

監督 クリス・ナオン(2005年)
[オススメ度 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今宵、フィッツジェラルド劇場で | トップ | なまいきシャルロット »
最新の画像もっと見る