リーアム・ニーソンがヨレヨレである。白人男はふけるのが早いというけれど、ジョギングで体を鍛えるシーンのスピードと来たら、早足で散歩をしている人にも抜かれる私のLSDとほとんど大差はない。もしかしたら心臓疾患か何かの持病を抱えているのかもしれない。
そんなわけでスタントマン大活躍の本作ではあるが、次はもう無いなという感じ。リーアム本人の弱り具合もさることながら、人質生還のタイムリミットといわれ . . . 本文を読む
カンヌのある映画批評家が、この若手監督を(もちろんよいしょで)ロベール・ブレッソンに例えていた。
なるほど、本作は出所後のラスコリーニコフを描いた『罪と罰』の後日談的お話であり、映画タイトルから察するに『善悪の彼岸』に書かれた道徳に対する批判的精神を映像化しようと試みた1本なのだろう。
浅野忠信演じる八坂は、殺人の罪で服役していたが、共犯者である利雄の名前を決してもらさなかったという一種“ . . . 本文を読む
『プラダを着た悪魔』の続編かと思いきや、共通点は、ファッション業界が舞台ということと、Wメインキャスト(ロバート・デ・ニーロ&アン・ハサウェイ)というだけで、本作はまったくの別物だ。
大手メーカーがボコボコと倒産している米国アパレル業界のお寒い事情を反映しているのか、ネットショップ社長のジュールズ(アン・ハサウェイ)以下女優陣のファッションもかなり抑え目で、デ・ニーロ演じるインターン=ベンの . . . 本文を読む
何回も有名文学賞の候補に上げられながら、受賞することなく非業の死をとげた作家佐藤泰志。本作はその佐藤の出身地である函館を舞台にした3部作のひとつだそうである。
同世代の村上春樹や中上健次の影に隠れてほとんど脚光をあびることのなかった佐藤は、晩年文芸新人賞応募作の下読みにまで身を落としたらしい。
作家の死後全著作が絶版状態にあったらしく、熊切和嘉監督『海炭市叙景』の映画化にあたっては函館市民 . . . 本文を読む
スパイダーマン・シリーズをリブート、アンドリュー・ガーフィールドを主人公に迎えたシリーズ2作目にあたるが、早くも本作で打ち切り、選手交替になるという。
このアメイジング・シリーズで知り合ったエマ・ストーンと公私に渡ってお付き合いしているというガーフィールド君、映画同様破局と復縁を繰り返しているらしい。
サム・ライミ監督の前シリーズでは、突如として特殊能力を手に入れた主人公ピーターや敵役ハリ . . . 本文を読む
あのダニエル・クレイグもイメージの固定化を嫌がって「もう一度やるなら、手首を切った方がましだ」と吐き捨てたほど007を降りたがっていたらしい(その後心変わりしたらしいけど)が、トランスポーターの代名詞ジェイソン・ステイサムは本当に役を降りてしまった。
そのステイサムに代わって主役に抜擢されたのがエド・スクレイン(以下兄さん)。前任とどうしても比べてしまって大変申し訳ないのだが、はっきり言って . . . 本文を読む
脚本家・古沢良太と組んだ映画の中には見るべきものもあるが、深川栄洋は基本的に脚本次第であたりはずれが大きい映画監督といえるだろう。交通事故で愛娘を喪って以来心を閉ざした伝説のパティシエを江口洋介、恋人に捨てられたことにも気づかずに鹿児島から上京してきたなつめに蒼井優という人気俳優を起用していながら、本作は見所のすくない凡作に終わってしまった。
ハイライトとなるべきスイーツがまったくおいしそうに見 . . . 本文を読む
「SAW」や「es」などの流れをくむ密室シチュエーション・スリラー。合格すればなんと1億円の年俸が保障されているとある会社の試験会場、選抜された8人の男女に担当官は奇妙なルールを告げて部屋を出て行ってしまった。質問の中身がわからず途方にくれる応募者たち。机上におかれた白紙に何かしかけがあるのではと、××をこわしたり、○○をぶかっけたりするものの、結局何もわからずじまい。制限時間が迫る中焦りはじめた . . . 本文を読む
ホテルの一室で瞑想にふけるイケメンの若い男。作曲でもしているのか、何かをノートに書き留める。地図を片手にホテルを出た男は、演劇女子学校の近くにあるカフェに陣取り、女の子たちを凝視しておもむろにスケッチし開始。そして、何か思い出したように室内のカフェから出てきたかわいこちゃんの後を突如として追いかけるのだった。
この間台詞らしい台詞はほとんどない。
随分とんがった演出をしてくれた新人映画監督ホセ . . . 本文を読む
『ブレアウィッチ・プロジェクト』『ソウ』『パラノーマル・アクティビティ』などなど、ホラー・サスペンス界は低予算映画花盛りだ。金はないけどアイデアと作り手のやる気だけで勝負したこれらの作品郡は、新しいジャンルの確立という点で大変意義のある映画ということができるだろう。
俳優と呼べるのは主人公コリンを演じた青年だけで、他のみなさんはフェイスブック等で募ったボランティア、お菓子代と機材費のみでしめて4 . . . 本文を読む
この映画の製作国オーストラリアは、世界最大の輸入国・中国と仲良くしたいのかどうかいまいちはっきりしない。留学中、中国からアメリカへ亡命した実在のバレエ・ダンサー(現在はオーストラリア在住)の話を探し出し、中国共産主義の頑なな態度を批判的に描いたのかと思いきやラストはきっちり故郷に錦を飾らせる中途半端な演出が、どうも中国政府の逆鱗にふれたとみえ放映許可が最後まで下りなかった1本である。
主人公のリ . . . 本文を読む
家事にいそしんでいた世間知らずのお金持の婦人が自分の居場所を見つけるフェミニズム・コメディ。傘工場を経営する旦那ロベール(ファブリス・ルキーニ)が、ストライキの交渉中心臓発作で倒れたことがきっかけで、スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)は社長代役に選ばれる。みんなに勤まるはずがない思われていた社長業、創業社長である父を見習って労働条件を大幅に改善してみたら、工場は活気づき低迷していた会社の実績は持ち直 . . . 本文を読む
バイクでツーリング中トンネル交通事故で恋人・淳一(岡田将生)を突如喪った泉美(北川景子)。事故当時の状況をどうしても思い出せない(普通思い出せないだろ)泉美は、そのことが気がかりPTSDにかかってしまう。たまたま同じ精神病院に通っていた弁護士(大塚寧々)に事故調査を依頼する泉美だったが・・・・・・
『がんばっていきまっしょい』の磯村一徳が脚本・監督を担当した純愛ラブ・ストーリーは、トンネル事故第 . . . 本文を読む
最近は海外の映画にひっぱり凧の菊地凛子が、昼は築地市場で働く孤独な女殺し屋リュウを演じている。父親の部下から自殺した娘がつきあっていたスペイン男ダビ(セルジ・ロペス)の殺害依頼を受けるが、その男とずぶずぶの関係に陥ってしまう情けない役どころだ。
築地市場、花やしき、ラーメン屋、イメクラホテル、墓地・・・・・オプショナル・ツアーでさも外国人観光客が立ち寄りそうな名所?がたくさん登場するこの映画、ス . . . 本文を読む
パパとママが離婚に合意し、ママに連れられユキ(ノエ・サンピ)は日本に帰ることに。両親がすでに離婚している仲良しのニナは、ユキの両親に手紙を出させたり、家出に誘ってユキをパリに引きとめておこうとするのだが・・・・・・
即興演出を得意とする諏訪監督は、事前にきちんとした台本を用意せずに撮影にのぞんだそうなのだが、映画出演経験のないノエちゃん起用には当初から相当な不安があったらしい。この主人公の女の子 . . . 本文を読む