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ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

恋のエチュード

2023年03月27日 | 激辛こきおろし篇
アンリ=ピエール・ロシェというフランス人美術収集家が書いた原作小説は、はっきりいってアマチュアレベルのソープオペラに過ぎない。同作家原作のジャンヌ・モロー主演『突然炎のごとく』が、女性解放運動で盛りあがっていた英米で大ヒット。トリュフォー自身はそんな前作の社会現象的風評に批判的だったらしいが、同作家による小説を映画化したということは、もしかしたら2匹目のドジョウを狙っていたのかもしれ . . . 本文を読む

アフター・ヤン

2023年02月23日 | 激辛こきおろし篇
突如機能停止状態に陥ったAIに、現在の家族より以前のメモリーが圧縮された状態で残っていたとしたら、それは人間の“前世”と同じことになるのだろうか。そのAIは世にいう“輪廻転生”を繰り返していたということになるのだろうか。韓国系アメリカ人コゴナダの新作は、ある白人作家が書いたSF短編小説を脚色し、東洋の精神哲学的命題に触れるところまで膨らませている。しかし、本作はさくっと見終わる上映時間わずか96分 . . . 本文を読む

愛の小さな歴史

2023年01月30日 | 激辛こきおろし篇
中川龍太郎の身内に自殺者がいるのかどうかはわからんが、この若き日本人監督間違いなく“自殺”を映画のテーマの一つに選んでいる。確かカイエ・ド・シネマの目にとまった次作『走れ絶望に追いつかれない速さで』も、自殺した友人の後を追おうとして死に切れなかった若者が希望を取り戻すお話だ。本作に関しては自殺者及び自殺未遂者がこれでもかと登場するため、倫理的に言ってこれってどうなの?という感想を持た . . . 本文を読む

PITY ある不幸な男

2022年11月14日 | 激辛こきおろし篇
本作の脚本家エフティミス・フィリップは、ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』の脚本を共作した人らしい。若きギリシャ人鬼才監督の名前につられてつい見てしまったのだが、内容はイマイチ。『ロブスター』の映画冒頭に登場したおっかない女に射殺される🐴さんがどこでどうつながるのか、最後まで予想だにできなかった『ロブスター』に比べると、本作の結末は映画序盤ですでにバレバレだったのではないだろ . . . 本文を読む

宋家の三姉妹

2022年10月24日 | 激辛こきおろし篇
胡錦濤元国家主席を議会場から強制排除、現在No.2の李克強ら共青団一派を中枢から追い出し、習近平一極集中をより強化なものにした今回の中国共産党人事を端からのぞくにつけ、中国ももう長くは続かないなぁという印象を改めて強くした。辛亥革命から第一次国共合作にいたる中国近代史を、時の権力者に嫁いだ宋家3姉妹の視点から描いた本作は、映画としての出来はかなりお粗末だが歴史の勉強にはちょうどいい。主人公は年の離 . . . 本文を読む

ハケンアニメ!

2022年10月11日 | 激辛こきおろし篇
おそらく、2017年公開『カメ止め』の興行的成功に目をつけた製作陣が、映画→アニメの世界におきかえて2匹目のドジョウをねらったお仕事ムービー企画であろう。今どきのアニメには全く興味のない私のようなジジイが見ると、つい製作現場で働いている人たちまでアニメの中の登場人物のようにリアリティのない存在に見えてしまって、『カメ止め』には感じられた熱き想いをまったく感じられなかったのである。それは何故か . . . 本文を読む

白頭山大噴火

2022年09月21日 | 激辛こきおろし篇
多くの皆さんのご指摘どおり、本作はバディムービーの傑作といわれているマイケル・ベイ監督『ザ・ロック』(96)の896作品であることは疑いようのない事実であろう。韓国オリジナル→ハリウッド・リメイクという今までの流れには明らかに逆行する本作は、その巧妙な896テクニックについて是非とも注目しておきたい1本なのである。まずオリジナルの化学オタクでFBI捜査官のグッドスピード . . . 本文を読む

恋する遊園地

2022年09月01日 | 激辛こきおろし篇
最近のフランス映画は“対物性愛”花盛りである。おそらくジュリア・デュクルノーの『TITAN』がカンヌ映画祭でパルムドールをかっさらった影響だろう。『TITAN』の対象が“車”であったのに対し、本作の主人公が欲情する相手はなんと遊園地の遊具である。監督さん曰く、エッフェル塔に恋した女性の記事を新聞で読んで本作を着想した、なんてことをもっともらしく語っていたらしいが、映画化までこぎつけることができたの . . . 本文を読む

ブレスレス

2022年07月10日 | 激辛こきおろし篇
お隣のスウェーデンに比べるとちょっと垢抜けないイメージがあるフィンランド。ムーミンの故郷としても有名なフィンランドで外科医をしている真面目な男が、もしもSMプレイにはまってしまったら...休暇中溺死した奥さんのことが忘れられず魂の脱け殻となったユハは、たまたま娘のピアス施術に帯同した時に覗いた地下室で.、禁断の果実に触れてしまう。モデル体型のモナちゃんにはじめは犬扱いされてはにかんでいたユハだった . . . 本文を読む

ちょっと思い出しただけ

2022年06月28日 | 激辛こきおろし篇
劇中しつこいほどに登場するジム・ジャームッシュ監督『ナイト・オン・アース』の一幕。公園で恋人を待ち続ける男(永瀬正敏)は、同監督『パターソン』へのオマージュだろう。(ついでに言わせてもらえれば、あの変な体操は多分『リミッツ・オブ・コントロール』からの引用)一瞬主人公照生と恋人の葉が同じ年のおなじ誕生日を繰り返すタイム・リープSFかと勘違いするシナリオだが、『ブルー・バレンタイン』を思わせる . . . 本文を読む

きのう何食べた 劇場版

2022年06月10日 | 激辛こきおろし篇
わたしはテレビ東京で放送していたこのドラマの一応ファンである。しかし、アマブラでレンタルして見た本作の出来にはかなり不満足、というよりダメダメである。監督や脚本をTVと同じ方が担当していることから察するに、もともと本作の持つスケールが映画の器には適していなかったような気がするのである。でも映画自体は大ヒットしたよね?確かに。だがしかし、興行成績と作品の出来が必ずしも合致していないのが昨今の映画業界 . . . 本文を読む

キネマの神様

2022年06月04日 | 激辛こきおろし篇
クランクイン直前に主演予定だった志村けんがコロナ罹患により急死、直後本作の撮影中止が決定したという。キネマの神様ならぬ悪魔に取り憑かれた作品でもあるのだ。代役として沢田研二が剛ちゃん役に決定し、撮影再開にいたるまでかなりの準備期間があったらしい。シナリオを練り直した結果、新たに盛り込まれたのがコロナ禍にまつわるくだりだったとか。どうも山田洋次のコアなファンであればあるほど、本作への評価があまり芳し . . . 本文を読む

ひとよ

2022年03月15日 | 激辛こきおろし篇
一見してすぐにアンドレイ・ズビャギンツェフの『父、帰る』を思い出したのだが、桑原裕子原作戯曲を映画化した本作の内容はまさにその母さんバージョン、『母、帰る』なのである。ドメバイ夫を子供たちのために轢き殺した母親こはる(田中裕子)はそのまま刑務所に出頭、残された子供たちは自宅兼タクシー会社を引き継いだ叔父の世話になるのだが……聖母的な行いが逆に心理的重荷となり、人殺しの子と周囲に罵られながら大人にな . . . 本文を読む

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

2021年12月27日 | 激辛こきおろし篇
なんかおかしないかこの映画。キングギドラの3首みたいに、どっち向いて作っとるんかわからせんのじゃ、こん映画。レジェンダリーが中国資本に買収された後の作品じゃきに、中国共産党の顔色を全面的にうかがった作品と思いきやさにあらず。お約束のチャン・ツィー起用に、エコテロリストをワルモンにしたんわ、環境デストロイヤー中国としては当然の演出やろ。そやけど、そもそも竜(ギドラ)って中国にとっちゃ神さんみたいなも . . . 本文を読む

ランボー ラスト・ブラッド

2021年11月15日 | 激辛こきおろし篇
やめられね、とまらね、てカッパえびせんじゃねえっつうの。だいだいさ、こてこてイタリアけいのランボーさにメヒコのめいがいるのか、よくわがらんちかいちょうの。めっちゃつよすぎて、まともにタイマンはれるあいてがいねぐなたシリアルキラーだば、モータル・コンバットのヤバきゃらにもなっでて、マニアのあいださけっこうなネタにされちゃてるっつう。かそうてきこぐでせえ、ビビってねしょうべんたれそうなアメリカのぐんじ . . . 本文を読む