著者が逮捕されるまでのいきさつには同情の余地は無い。確固たる目的と行動があってニューヨークで生活していたわけでもなく、彼氏がロシアン・マフィアと知ってからも付き合いを続けていたからだ。外国で生活してみたいという思いから日本を離れトラブルに巻き込まれる例は後を絶たない。代償の大きい『青春の蹉跌』というところか。アメリカの刑務所という社会の最底辺を怖いもの見たさで読むには適した本である。そんな掃き溜めでも人は生きており、出合い、いざこざ、感動の物語は存在する。日本の普通の女の子が犯罪に巻き込まれる怖さ。育ちの悪さと教育の無さから安易に犯罪に手を染めてしまう環境があること。刑務官のいい加減な仕事ぶり等。アメリカの暗い部分が描かれるが、軽妙に小気味よく若い女性の感性で話しが進むため息苦しさは感じない。読み終わって、日本に家族がいて普通に暮らしていることが実は一番幸せなことなんだと気づかせてくれる。事ほど左様に”普通”が難しい階層の人々がアメリカには五万といるということ。”それでもアメリカが好き”なんていう輩は格好つけている甘ちゃんではないのか?結果的に幸運だった人間にはそう思えるだけのことなのである。4/18ドラマ放送される。
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