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気が向いたとき、気が向いたことを、適当に並べてみようと思います。

テレビと私(14) メンB終了に寄せてコント番組の類型を考察する

2005-03-22 23:31:11 | テレビと私
 「メンB」が終了するらしい。

 日本テレビにしては珍しいコラボ型のコント番組の形式をもっていたので惜しまれる。

 芸人あるいはタレントのコント番組は、いくつかの類型に分けられると思っている。ワンマン型・軍団型・コラボ型である。



 ワンマン型とは、冠番組の主のみがコントを繰り広げるタイプ。他の芸人が介入する余地がない。「8時だよ全員集合」(ドリフターズ)が最たる例か。この形式の番組例は多くはない。二人組の芸人などはすぐにアイデアが枯渇してしまうだろうし、人数の制限でできることも幅が狭い。ドリフとそのスタッフの努力は頭が下がる。「ジョビれば」(ジョビジョバ)もワンマン型だったが、フジの深夜で終わってしまったし、彼らも6人の大所帯だった。



 軍団型とは、冠番組の主が、その弟子や後輩を連れてコントを繰り広げるタイプ。「ごっつええかんじ」(ダウンタウン)、「やるならやらねば」(ウッチャンナンチャン)、「笑う犬」(ウッチャンナンチャン)がその例になろうか。

 ごっつでは今田耕治、東野幸治、130Rが拾われ、彼らは現在有名になっている。このタイプでは、主の後輩たちが、その個性を広めることができるという点で意義あるが、やはり王様は存在し、それの言いなりになる部分は否定できない



 さて、コラボ型。同世代の芸人たちが集まって、ユニットを超えてコントをつくっていくところに特色がある。ここにいろいろな化学反応が見られ、おもしろい。このタイプはフジテレビの得意技。

 ひょうきん族がその走りだろう。その後も「とぶくすり」―後の「めちゃイケ」(ナインティナイン・極楽とんぼ・よゐこ)、「エブナイサーズデイ」―後の「ワンナイ」(ドンドコドン・雨上がり決死隊・ガレッジセール)、「はねるのトびら」(キングコング・インパルス・ロバート・北陽・ドランクドラゴン)、「感じるジャッカル」(中川家・シャカ・ホームチーム)などがあり、フジテレビの得意とするパターン。

 ちなみに、感じるジャッカルはスタッフの顔ぶれを見ると笑う犬系で、めちゃイケ・はねトび系とは別路線。深夜番組が多いから、知名度が低い番組も多いだろう。

 いっぽう、日本テレビでも数年前に「吉本ばかな」(ガレッジセール・シャンプーハット・アップダウン)をやっていた。これは「ガキの使いやあらへんで」の菅プロデューサーの番組だったが、コントは行わず、企画ばかりの番組。日本テレビの風土が、芸人のクリエイティビティよりも、作家の企画を重視する側面がよく見えてくる傾向と思う。そんな風土だから、「エンタの神様」を見ても、芸人に対しての愛が見られないのだな。



 コラボ型の性質として、新たな芸風が「自由な」風土からかもし出されるというものがあると思う。遠慮する先輩もいない。キャラや芸風を支配するユニットの縛りもない。思いついたアイデアを自由に発表できる。

 こうしたコラボ型の成功例の最高峰が、10年程前の関西ローカル「すんげーBEST10」だと思う。当時のまだ在りし2丁目劇場の芸人達が、様々なユニットでコントを繰り広げる。千原兄弟・ジャリズムを筆頭に、NSCの7~14期あたりの芸人たちが、創造力あふれるコントをしていた。あの時代はもう戻ってこないのかなあ。





 さて、このエントリーは「メンB」(陣内智則・アンジャッシュ・エレキコミック・長井秀和・ 佐久間一行・ポイズンガールバンド・佐藤祐造(インスタントジョンソン))について語ろうと思っていたのである。

 上記のような日テレの風土の中で、芸人のコント番組をするというのは珍しいなと思い、注目していたのだが、残念ながら終了。ただ、ここでも芸人同士の化学反応や、新たな一面は見られたのは収穫だった。

 まずは、アンジャッシュの渡部(伊藤裕子との仲を噂されている方)の器用さ。アンジャッシュのコントによくある「勘違いすれ違い」は、うまいけどおもしろくないと思って、大して注目していない二人組だった。しかし、ツッコミと目されていた渡部は発想がおもしろく、それをうまく表現できる。ボケられるということだが、ボケることのできる人がツッコミをすると、漫才はよりおもしろくなるという僕の持論からすると、アンジャッシュの株は急上昇した。幅の狭いコントをやっていないで、もっと色々な試みをしてもらいたいものだ。

 長井秀和は、前回のエントリーを参照していただきたい。

 エレキコミックもだんだん成長しているなあというのが見えてくる。特にやつい(変な顔の方)は、マイティやついというキャラや、「明るいよ」というギャグを普通の場面でも使うようになってしまった。今立もなかなか器用だとわかって、株上昇中。

 こうした発見は、ただ、元のユニットで漫才やコントをしてもらっていたら見えてこない一面。こういう機会は芸人にどんどん与えていくべきだと思うのだけど、日本テレビは縮小していくのだろうな。残念だ。そしてまたフジテレビへの期待は高まるのだった。






■ここにトラバ打ちました
春景色:にんげんっていいな
Live Laugh Life blog:ついに・・・
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2005-03-17 00:03 芸人と私(2) 長井秀和



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2 コメント

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トラバありがとうございました (yuko)
2005-03-23 00:06:43
「メンB」は去年の暮れから見始めて「面白いなぁ~」って思ったいて、DVDも買うほどの入れ込みようでした。



コントをやってるときの長井さんはイキイキしてたり(コントの内容にもよってイキイキ度が変わりますね^^;、吉川くんは私も好きです)、エレキコミックの今立さんのツッコミなしには成立しないコントが割と多かったり、渡部さんはいろんなキャラが演じられるんだなぁと感心したり(『わたこ』かなり気に入ってます)・・・いろんな一面が見られる番組ですね。(そこが「メンB」のコンセプトなんでしょうね)

その一方で、佐久間一行くんやポイズンのコントはそれぞれの芸風を生かしてて、それには『若手を育てよう』っていう愛情があるんだなと、勝手に思ってました。



終わってしまうのはとても残念ですが、後番組が「メンB」以上に面白いものになることを、期待するばかりです。
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>yukoさん (管理人)
2005-03-23 01:10:57
コメントありがとうございます。



佐久間さんとポイズンガールバンドは、他の芸人とはからみにくいということがわかったのが収穫でしたw



ただ、彼らは彼らでおもしろいと思ってます。オリジナルのネタにどんどん磨きをかけてほしいですね。
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