蒲公英の絮

四季折々の花や空の写真と、自己流俳句で日々を綴ります。

久しぶりに、友来たる

2023-06-25 21:55:00 | 日記














       スマホぴろん 夢から覚める 夏暁


















       コーヒーを 淹れ友を待つ 緑の夜
















       母を案ずる 友の本音 梅雨の月




久しぶりに、孫が泊まらない日、しかも夫は飲み会が決まっていた日の朝。
知っていたかのように都合良く友達から、LINEが入った。


あちらも、ご主人と実の母親のお世話で忙しい身。

時々、買い物の途中や、銀行でばったり出会うけど、お互い「あーお茶したいね。ランチとか、又落ち着いたらね。」と手を振る。
たまーにLINEも入るけど、どちらかが都合悪くて、ランチの目処も立たなかった。

娘の友達の母親として、初めて出会った30数年前。
北海道出身の彼女と、何故かウマがあった。
お互い、古い価値観を押し付け強要する義父母と、義兄弟に悩まされながらの子育て。

幼稚園で大の仲良しになった娘たちの送り迎えをするうちに、母親同士の方が更に気持ちの通じる友達になり、引っ越しをしても(私たちが)なお家に行き来するほどになった。

夫の大分転勤で、10年ほどの空白もあったが、又こちらに戻れば、この地で一番話の合う彼女だった。

北海道の大地で生まれ育ったせいか、おおらかで社交的。小さな事にクヨクヨしない。
言うならば、私とは真逆の性格。
活発で、友達も多い。(まぁここは今日の話には関係ないけど。💦)

その彼女、一年前に、北海道で一人住まいをしていたお母さんを、呼び寄せ一緒に住むようになった。
夫の、優しい言葉が後押しをした。「遠い北海道に、一人置いておかないで、病気などで動けなくなる前に、こっちに来てもらえ。」

覚えている。
去年の今頃、ご主人の運転で、お母さんを連れ、ご近所に挨拶。我が家にも来てくれた。

まだコロナ禍の最中だった事もあり、皆がマスクで、それでも、我が家は「ご近所」ではない、のに、彼女はお世話になってる友達なの、とお母さんに紹介してくれた。
(ご挨拶の熨斗を貼った六花亭のお菓子までいただいた。🤭)

その後、銀行で一回、モールで一回、偶然出会う。
お母さんはどう?
少しは慣れたかな?

コロナ感染者が蔓延し、少しおさまった頃だったか、
なんとなく、彼女の歯切れが悪い。
その日、一緒に駐車場まで歩きながら、彼女の言葉に驚いた。
「いつも私が出かける時は、母も連れて来る。
短い用事の時は、車の中で待っててもらうんだ。」
母を一人家に置いて出かけられない、と言う。

優しいはずのご主人とうまくいっていない。

車の中に、ちらっと見えたお母さんは、又少し小さくなった気がした。


それから半年以上経ち、ようやくお茶ができる。
ファミレスとかカフェじゃなく、うちにおいでよ。
なんならお母さんも連れて。

彼女のご主人も、本日は外出中らしい。
お母さんは自分の部屋で、まったりしているから大丈夫、とのこと。

コーヒーを飲みながら、思う存分話してもらう。
不安や不満をいっぱい喋って。
これまでは大抵は、私の方が愚痴を聞いてもらう事の方が多かった。
今日は、私はただ聞こうと思っていた。
まだ薄明かりの夕方から、2時間余り、外はすっかり真っ暗になった

私に、解決策やためになる、役立つ話などない。

ただ頷いて、聞く。

元々明るい彼女は、話しただけで随分気持ちも軽くなったと言う。

母の本音をもうしばらくしたら、きちんと聞いて、最善策を考える、と言う。
故郷に戻り、介護施設へ入居も視野に入れていると言う。
故郷の方が少なくても、こちらよりは協力してくれる人、母親を大切にしてくれる人が居て、何よりお母さんが慣れ親しんだ大好きな場所に違いない。

90歳の母親を思う、娘の気持ちは痛いほどわかる。
そして、90歳のお母さんには心から、穏やかな幸福な日々を送ってもらいたい。と思う。


今日はありがとう。又会おうね。と、笑顔で帰って行く友達。角を曲がるまで見送る。
ふりかえると月が白々と輝いていた。




コメント (4)
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