以前団塊juniorの一件でご紹介したいわゆる「長文コピペ」というやつですが、その他にもいろいろ傑作がありまして思わず引き込まれる「作品」と化しております。
そもそもその発祥は、掲示板のスレッドにて、その話題に外れた意見に対する抗議の意味合いで、意図的に長い文章をなんの脈絡もなく差し込むという、ある意味悪意の行為から始まったものから、今風に言えば「空気の読めない」方から、「その話題もいいけど面白い話を見つけたからちょっと聞いてみて!」という具合にこれまたなんの脈絡もなく、その文章を貼り付ける、といったものまで様々。他の掲示板で見つけた心動かされた文章を、宣伝するかのように張りまくるという行為もみられますね。
そのスレッドで話していた人々には迷惑至極の行為なのですが、それでも一人の人間の心を動かすだけのモノですから、中には面白いものもあったり、出所や経緯はどうあれ、その文章自体が出来がいいために、以後反復的に多くの人の間で使用されたものもあります。そういったいわゆる長文コピペをわざわざ集めたサイトもあるくらい、ネット内の一つの文化として成り立ちっつあるのではないかと感じます。
例えば僕の好きなものはこんなもの。サッカー関連の掲示板で選手について語られていると突如こんな文章がでてきます。
(「カカ」とは、イタリアのサッカークラブACミランに所属するサッカー選手。現ブラジル代表)
<カカなんて大したことはない。
お父さんはエンジニアでお母さんは大学教授で、幼い頃から名門サンパウロでプレーし、
小学生の頃サンパウロジュニアで日本の山形に短期滞在して、その時お世話になった老夫婦の恩を忘れず、ずっと手紙でやり取りし、02年ワールドカップで日本に来たときブラジル代表戦のチケットを老夫婦に送り、その当時貰ったこいのぼりのおもちゃや5000円札を今でも大切に持っていて、
18歳の頃、プールで飛び込みをした時に脊髄を損傷し 視力がかなり落ちても夢を諦めずプロになり、
イタリアの名門ACミランに移籍して 富と栄誉を手にして、
昔から付き合ってる幼馴染は クリスチャン・ディオール・ブラジルの偉いさんのご令嬢で、すんごい美人で料理が上手なのにメディアにしゃしゃり出たりせず、ミラノの大学に在学中で 結婚の約束をしているのに正式に結婚するまではセックスはしないと誓い、それを頑なに守った。
そんなドコにでもいるプレーヤー、それがカカ。>
他の選手について語っていたスレッドの途中にいきなりこんな文章がでてくれば憤慨する人もいますわな。大抵は「カカ厨乙」で終わってスルーし流される、と貼られた側も心得ております。
ちょっと疲れたし、徹夜中なんで(仕事じゃなく勝手に)あとは自分の好きなコピペをそうだなぁ、二つほど貼ります。
<数年前、マクドナルドでバイトの女の子に対して通常とは逆の順番で注文したらどうなるか試した人がいた。
つまり「店内で、バニラシェークのMサイズと、
マスタードソースのナゲットとポテトのSサイズとチーズバーガー下さい」という風にね。
すると、レジの女の子はすっかり頭が混乱してしまって、
何度も注文を聞き返し、おまけに最後に「店内でお召し上がりですか」と聞いたそうだ。
面白い。
そこで、僕も試してみた。
「店内で、ペプシコーラのMサイズと、ポテトのMサイズ、あとフィッシュバーガーをお願いします。」
バイトの女の子は顔を挙げて言った。
「あいかわらずの性格ね。」
別れた彼女だった。
「僕らの時間も逆にたどれないかな?」
突然泣き出す彼女。
「おい、いきなり泣くなよ。こんなとこで・・・・」
「ごめん。でも逆にたどるなら、始まりは涙でしょ?」 >
< 「これ、恋人のカオリ」
初めて彼女をこの家に連れて来られた時、私はガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
私とアキラが同棲し始めたのは6年前の事だ。
高校から一人暮らしを始めるアキラが、寂しいからという理由で昔から仲の良かった私を
このマンションに半ば強制的に連行したのが始まりだった。
「はじめまして、カオリです。」
そう行儀よくお辞儀したカオリは、アキラにはちょっと勿体無い位可愛かった。
顔にも口にも出さなかったが、内心私は複雑だった。
私のほうがアキラを知ってる。笑っているときも落ち込むところも、この女より、よく知ってるのに。
アキラとカオリが付き合いだした馴れ初めは、たったひとつのキスかららしい。
元々大学で仲が良かった二人だが、ある日とうとうアキラの理性がぷっつり切れてキスをした。
これでカオリに万一ほかに好きな人でも居たら一大事というかシャレにもならないが、
強運にもカオリもアキラが好きだったらしい。目出度く両想いになったそうだ。
…たった、キスひとつで変わる関係なら、どんなに良かっただろう。
「な?言ってた通り可愛かったろ、『カオリちゃん』。」
カオリが帰った直後玄関を振り返って、自慢げにアキラがふふんと笑った。
ああ、可愛かったよ、長い間連れ添った私なんかよりあのコを選んだ位なんだから。…可愛くないと、納得いかない。
「拗ねんなよ、バカ」
よほど態度に出ていたのか、アキラは笑って、いつものように私に軽くキスを落とした。
…キス、たったひとつで、変わる関係だったら、どんなに、良かっただろう。
キスなんて何回もしているが、関係が変わったことなんて、ない。
…なんだかふいに悔しくなって、私はみゃあ、と鳴いてやった。 >
作者不詳のこういった作品がどこにでもふと突然に現れる風景。元は自作なのか、それともどこかの小説やマンガからの転載なのかわかりません。創った本人が貼ったのかも誰か別の人が貼ったのかも、どこかで貼られていたものを、また別の誰かが別の場所に貼ったのかもわからない。そういうネット特有の現象が常日ごろ当たり前のように起きていると思うと、何だかドキドキしてしまうのです。
(続くかも)
そもそもその発祥は、掲示板のスレッドにて、その話題に外れた意見に対する抗議の意味合いで、意図的に長い文章をなんの脈絡もなく差し込むという、ある意味悪意の行為から始まったものから、今風に言えば「空気の読めない」方から、「その話題もいいけど面白い話を見つけたからちょっと聞いてみて!」という具合にこれまたなんの脈絡もなく、その文章を貼り付ける、といったものまで様々。他の掲示板で見つけた心動かされた文章を、宣伝するかのように張りまくるという行為もみられますね。
そのスレッドで話していた人々には迷惑至極の行為なのですが、それでも一人の人間の心を動かすだけのモノですから、中には面白いものもあったり、出所や経緯はどうあれ、その文章自体が出来がいいために、以後反復的に多くの人の間で使用されたものもあります。そういったいわゆる長文コピペをわざわざ集めたサイトもあるくらい、ネット内の一つの文化として成り立ちっつあるのではないかと感じます。
例えば僕の好きなものはこんなもの。サッカー関連の掲示板で選手について語られていると突如こんな文章がでてきます。
(「カカ」とは、イタリアのサッカークラブACミランに所属するサッカー選手。現ブラジル代表)
<カカなんて大したことはない。
お父さんはエンジニアでお母さんは大学教授で、幼い頃から名門サンパウロでプレーし、
小学生の頃サンパウロジュニアで日本の山形に短期滞在して、その時お世話になった老夫婦の恩を忘れず、ずっと手紙でやり取りし、02年ワールドカップで日本に来たときブラジル代表戦のチケットを老夫婦に送り、その当時貰ったこいのぼりのおもちゃや5000円札を今でも大切に持っていて、
18歳の頃、プールで飛び込みをした時に脊髄を損傷し 視力がかなり落ちても夢を諦めずプロになり、
イタリアの名門ACミランに移籍して 富と栄誉を手にして、
昔から付き合ってる幼馴染は クリスチャン・ディオール・ブラジルの偉いさんのご令嬢で、すんごい美人で料理が上手なのにメディアにしゃしゃり出たりせず、ミラノの大学に在学中で 結婚の約束をしているのに正式に結婚するまではセックスはしないと誓い、それを頑なに守った。
そんなドコにでもいるプレーヤー、それがカカ。>
他の選手について語っていたスレッドの途中にいきなりこんな文章がでてくれば憤慨する人もいますわな。大抵は「カカ厨乙」で終わってスルーし流される、と貼られた側も心得ております。
ちょっと疲れたし、徹夜中なんで(仕事じゃなく勝手に)あとは自分の好きなコピペをそうだなぁ、二つほど貼ります。
<数年前、マクドナルドでバイトの女の子に対して通常とは逆の順番で注文したらどうなるか試した人がいた。
つまり「店内で、バニラシェークのMサイズと、
マスタードソースのナゲットとポテトのSサイズとチーズバーガー下さい」という風にね。
すると、レジの女の子はすっかり頭が混乱してしまって、
何度も注文を聞き返し、おまけに最後に「店内でお召し上がりですか」と聞いたそうだ。
面白い。
そこで、僕も試してみた。
「店内で、ペプシコーラのMサイズと、ポテトのMサイズ、あとフィッシュバーガーをお願いします。」
バイトの女の子は顔を挙げて言った。
「あいかわらずの性格ね。」
別れた彼女だった。
「僕らの時間も逆にたどれないかな?」
突然泣き出す彼女。
「おい、いきなり泣くなよ。こんなとこで・・・・」
「ごめん。でも逆にたどるなら、始まりは涙でしょ?」 >
< 「これ、恋人のカオリ」
初めて彼女をこの家に連れて来られた時、私はガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。
私とアキラが同棲し始めたのは6年前の事だ。
高校から一人暮らしを始めるアキラが、寂しいからという理由で昔から仲の良かった私を
このマンションに半ば強制的に連行したのが始まりだった。
「はじめまして、カオリです。」
そう行儀よくお辞儀したカオリは、アキラにはちょっと勿体無い位可愛かった。
顔にも口にも出さなかったが、内心私は複雑だった。
私のほうがアキラを知ってる。笑っているときも落ち込むところも、この女より、よく知ってるのに。
アキラとカオリが付き合いだした馴れ初めは、たったひとつのキスかららしい。
元々大学で仲が良かった二人だが、ある日とうとうアキラの理性がぷっつり切れてキスをした。
これでカオリに万一ほかに好きな人でも居たら一大事というかシャレにもならないが、
強運にもカオリもアキラが好きだったらしい。目出度く両想いになったそうだ。
…たった、キスひとつで変わる関係なら、どんなに良かっただろう。
「な?言ってた通り可愛かったろ、『カオリちゃん』。」
カオリが帰った直後玄関を振り返って、自慢げにアキラがふふんと笑った。
ああ、可愛かったよ、長い間連れ添った私なんかよりあのコを選んだ位なんだから。…可愛くないと、納得いかない。
「拗ねんなよ、バカ」
よほど態度に出ていたのか、アキラは笑って、いつものように私に軽くキスを落とした。
…キス、たったひとつで、変わる関係だったら、どんなに、良かっただろう。
キスなんて何回もしているが、関係が変わったことなんて、ない。
…なんだかふいに悔しくなって、私はみゃあ、と鳴いてやった。 >
作者不詳のこういった作品がどこにでもふと突然に現れる風景。元は自作なのか、それともどこかの小説やマンガからの転載なのかわかりません。創った本人が貼ったのかも誰か別の人が貼ったのかも、どこかで貼られていたものを、また別の誰かが別の場所に貼ったのかもわからない。そういうネット特有の現象が常日ごろ当たり前のように起きていると思うと、何だかドキドキしてしまうのです。
(続くかも)
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