えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

伝える被爆体験 ~小学生の平和学習の感想より~

2019年01月26日 | 雑記

(市内の小学校にて)

 

 今まで何度か言及したことがありますが、市内の公立小学校で母の被爆体験を伝える活動を地元の活動グループでしています。6年生のカリキュラムに平和学習の授業が何時間か設けられており、それに校外講師として招かれているのです。今年でちょうど丸10年になります。

 内容は、
・妹の著した母の被爆体験の絵本『ピンク色の雲 ―おばあちゃんのヒロシマ―』の朗読
・胎内被爆者自身の話
佐々木禎子さんと折り鶴の話
・折り鶴を折ろう
・現在の核兵器をとりまく世界の状況と日本他
という構成です。

 大抵の場合、授業を受けた生徒たちの感想文が後日送られてきます。先月訪れたある小学校からも届き、自分のために一部をメモしました。せっかくなので、ここで紹介させてください。最も多い「朗読が印象に残った」という感想以外のものを、原文のまま紹介します。

◆ T君
 思ったことが3つあります。
 1つ目は核兵器についてです。とてつもない力であっという間に町を消してしまう物なのに、
この世界には1万個以上あるので、核兵器をなくしてほしい。
 2つ目は、戦争の中でも強く生きた人たちです。原爆での怪我や放射能による病気などで
苦しんでも、強く最後まで生きた人たちはとてもすごいと思いました。
 3つ目。皆さんから受け継いだ戦争の知識を、次の世代に伝えていき、もう二度と戦争を
起こさないようにすることです。

◆ Tさん
 核を禁止しようという行動が他の人からどんどん他の人へと伝わって、核を失くすような
世の中の流れを作っていきたいです。佐藤栄作前総理が言った核三原則もしっかりとふまえ、
次の人へと灯々無尽*のように伝えていきたいです。

◆ H君
 今日の話で一番驚いたのは、現在地球上にある核の数が1万以上だということです。(略)
もっと驚いたのは、唯一の被爆国の日本が、アメリカの「核の傘」の下にいて
核兵器禁止条約に署名していないということです。原爆によって亡くなり、家族が亡くなった方の
ためにも、被爆した方のためにも、被爆の体験を世に伝える谷口さんのような方たちのためにも、
日本は署名すべきだと思います。
 ぼくは今日、しっかりとろうそくの火を受けとった*ので、次の世代にもしっかり伝えて
いきたいです。

◆ A君
 世界中で核兵器が1万4500発あるということは、とても驚きましたが、自分たちが
どうすることもできないので、平和への第一歩としていじめをなくすなど、自分ができることを
したいです。

◆ Hさん
 一番心に残ったことは、核兵器が1万4500発もあることです。日本は核でたくさんの人が
亡くなって、そのいましめとして広島の原爆ドームがあるのに、なぜそんなものがこの世の中に
あるのだろう?と思いました。戦争はとてもこわく、人の心も体も傷つくのに、なぜやるのだろう?
など、戦争はだめだと思いました。
 私はこの学習はとても心に残り、子孫の人々に戦争のこわさ、戦争はいけないということを
語っていきたいと思います。

◆ Uさん
 (ブログ管理人補足:戦争や被爆が)自分の身に起こっていないからこそ未来へ伝えることを
忘れてしまう。そのことにみんなが気づけて良い勉強になったと思う。

◆ N君
 「目の前で戦争が終わっても、心の中では戦争は終わっていない」ということが心に残りました。
 (ブログ管理人注:佐々木禎子さんが被爆後10年もしてから白血病を発症したことを受けての感想)

◆ Yさん
 戦争は他人事ではないと思ったので、平和でよりよい未来のために自分が出来ることを
考えて実践していきたいです。

◆ N君
 同じ日本人として(ブログ管理人補足:戦争したことが)恥ずかしいと思った。

◆ W君
 やけどで背中がやられて幼虫がたくさんいて少し気味が悪かったけど、人間の生命力とは
すごいとわかりました。(ブログ管理人注:谷口稜曄(すみてる)氏の話を受けての感想)
 ぼくは、平和の学習をして広島の原爆ドームに行って平和とはなにかさらに知ろうと思いました。

◆ Hさん
 今私が生きているのはすごい奇跡ということがよくわかりました。ひいおばあちゃん、
ひいひいおばあちゃんと、戦争をして死んでしまう人は多かったけれど、生き抜いてくれた
からです。(略)
 この世から「原爆」なんていらないと思いました。

◆ Kさん
 鶴を折ったときは心を込めて折りました。サダコさんも天国で微笑んでくれていると思います。

◆ Tさん
 ツルを折ったことが一番心に残りました。サダコさんや亡くなった人々に強い思いをこめて
私は作りました。

 * * 「灯々無尽」(←「燈々無盡」)・「ろうそくの火を受けとった」という言葉が出てきたのは、私たちが「燈々無盡」という言葉を活動のモットーにしていることを伝えたからです。
 ロウソクの火を絶やすことなく次から次へと火を渡していくように、私たちの話を人から人へと伝えていってほしい、との主旨でいつも話しています。

 

       

 

 「これからも伝える活動を続けてください」「これからもがんばってください」という受動的な感想がよく聞こえてくるのですが、今回は、「語り継ごうと思った」と書いてくれた生徒さんが多かったことに感動しました。話を聴くという受け身の行為を、自分が語り継ごうという主体的な行為に転換しているのですよね。「燈々無盡」の意味を理解して、自分が次へ火を渡すと言ってくれている…私たちにとって、こんなに嬉しい感想はありません。

 そして、お気づきのように、素朴な疑問を持ってくれたこともとても嬉しいです。「世界中に核兵器が1万4500発もあるということに驚いた」「唯一の被爆国の日本が、なぜ核兵器禁止条約に署名しないのだろう?」と。小学生でも気づくような、誠に不思議な疑問です(^^;

 また、くだんの谷口さんの残酷な画像を見せても、目を背けることなく事実をきちんと受け止める力が小学生にもあるということ…これも私たちの大きな励みになります。どこまで伝えるか、どこまで伝えてよいのか…いつも迷うところだからです。

 

 市内/外を問わず、公立/私立を問わず、可能な限り平和学習授業を行ないます。もちろん手弁当で伺います。学校関係者の方、保護者の方、どなたでも結構ですので、ご要望があればご連絡ください(このブログの左帯下方にあるメールフォームからブログ管理人に連絡できます)。よろしくお願いいたしますm(__)m

 

 今大会の大坂なおみ選手の試合をほとんど観てきた&今日は晩ご飯を早々と用意しておき、決勝戦をライブで観て感動したtakuetsu@管理人でした。おめでとう!!!

 


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