ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.020. 漁船 Barco de Pesca

2018-10-22 | 飾り棚

全長 27cm

 赤、緑、黄色。ポルトガルカラーの漁船。
 セトゥーバルの漁港にもこういったカラフルな漁船が、すこし前まではひしめきあって繋留してあった。
 でも残念なことにその数がだんだん少なくなり、いつの間にか青や白にだけ塗られた船が大半になってしまった。

 この漁船の置物はたぶん5~6人乗りだろうと思うが、昔はこれより大きな15人乗り位の帆漁船で、遥かノルウェー沖まで出かけ、バカリャウ(タラ)を漁ったりしたのだろう。
 古いニュース映画を見ると、北の海で荒波に激しく揉まれながら漁をしている映像がある。
 当然難破することも多かった。
 ファドにはそんなことを歌ったものがたくさんある。
 バカリャウは今ではノルウェーからの輸入物が多く、たぶんもうポルトガルからわざわざ漁船で出かけてはいないと思う。
 でも今でもマデイラ沖あたりにはこうした漁船で行って、太刀魚を漁ったりもするらしい。

 一方もっと小さな一人か二人乗りの漁船も港にはたくさんあり、岸壁に引きあげられてあったりする。
 それらは今もカラフルに塗りわけられている。
 それは公園の池にある貸しボートをふたまわり大きくしたほどのサイズしかない。
 そういった舟ではサド河の河口付近に産卵に来たサルゴ(黒鯛)を漁ったり、ショコ(モンゴイカ)やポルボ(タコ)を釣ったりする。

 獲物が湾内に押し寄せてくると一目瞭然に判る。
 朝早くから漁船がたくさん出ているのが我家の台所の窓から見えるからだ。
 「今日は50隻が出ている」とか「今日は70隻も出ている」とか言って数える事もできる。

 そしてその獲物はすぐにメルカド(市場)やその周りの立ち売りで売られることになる。
 港で揚がってくるのを待ちかまえていて漁師と交渉して直接買う人もいる。MUZ


©2018 MUZVIT

 


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