ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.076. 素焼き偏形深鉢

2018-12-18 | 飾り棚

横幅  13cm  高さ 5cm


 これを買った時はいったい何に使う物なのか判らなかった。
 それでも形がなんとなく面白いのでつい買ってしまい、その中に鶏型タイマーを置いたらぴったりと収まったので、そのままずっと台所のテーブルの上に飾ってある。
 サイズが小さいので飾り用に作られたものだろう。
 実用品はいったいどんな使い方をするのか、ずっと不思議に思って眺めていたが…

 ある日、ポルトから内陸に入ったリオ・タメガ沿いにあるアマランテに泊った。
 リオ・タメガはたっぷりの水量とゆったりした流れの川で、両岸の間にはがっしりした石造りのローマ橋が架かっている。
 対岸の崖の上には赤瓦で葺かれたドーム屋根のゴンサロ教会がどうどうとそびえ、橋のこちら側には参道沿いに土産物屋やレストランが並んでいる。
 そのうちの一軒に入ると、いちばん奥は川の上に突き出るように作られたベランダ席だった。
 そこからローマ橋と教会と、ずっと下に見える川の流れを楽しみながら食事ができる。

 メニューの中から「鶏のオーヴン焼」と「赤豆と豚肉の煮込み」を注文。
 煮込み料理はレストランではめったにお目にかかれない。
 店の外に張ってあるメニューの中に「豆と豚肉の煮込み」を見つけたので、「ここで夕食をしよう」と決めたのだ。

 やがて運ばれてきた料理は、期待どおりの味と量。
 赤インゲンと豚肉とチョリソなどをふっくらと煮込んだ家庭料理だ。
 そして「鶏のオーヴン焼き」といっしょに出てきたバターライス、それが入れられた器を見てびっくりした。

 長い間使い方の判らなかった、不思議な形の茶色の土器。
 その実用品が目の前にあった。
 これはご飯を入れて出す器なのだ!

 と思っていたら、「豆の煮込み料理」でもこれが出てきた。
 要するにしゃもじですくって皿に盛り付ける料理などに使われるようだ。
MUZ 2007/03/15
©2018 MUZVIT

 

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