ポルトガルのえんとつブログ

画家の夫と1990年からポルトガルに住み続け、見たり聞いたり感じたことや旅などのエッセイです。

K.061. オリーヴの実模様の深小鉢 Tigela

2018-12-03 | 飾り棚

直径13cm 、高さ7cm

 オリーヴの実を描いた陶器はいくつも持っているが、ほとんどは素朴なタッチだ。
素朴な中に勢いや何ともいえない味を感じて楽しんでいるのだが、そんな中でこの小鉢の絵付けはなかなかしゃれていると思う。

 オリーヴの実はアゼイトナス(Azeitonas)という。メルカドでは薄い紫色のものと、緑色のもの、そしてこの小鉢に描かれているまっ黒のものが売っている。
 私はいつも緑とまっ黒のアゼイトナスを半々づつ混ぜて買う。緑はちょっと渋みがあり、まっ黒はこくがあって、どちらも好き。
 しばらく水に浸けて塩抜きをしてから、この小鉢に盛る。そしてフライパンを熱してオリーヴ油を入れ、ニンニクの刻んだものを炒めてガーリックオイルを作り、小鉢に盛ったアゼイトナスの上からアツアツをかける。一日おくとニンニクの香りが染みこんだ美味しいつまみができあがる。

 オリーヴはやせた土地でも良く育つので、乾燥の激しいアレンテージョ地方では平地に限らず、なだらかな丘の斜面などにも植えられている。
 葉は独特の色、銀緑色をしている。
 畑や斜面に碁盤の目のように整然と植えられ、それが風にそよぐと葉の裏の銀色がチラチラとして、なんとも言えずきれいだ。

 オリーヴの実は塩漬けにしたり、実を絞ってオリーヴ油が取れる。
 その土地で取れたものは土地の料理に反映するので、ポルトガルに限らず、スペイン、フランス、イタリア、ギリシャなど南欧の料理はオリーブ油がたっぷりと使われる。

 フランスのパリから電車に乗ってプロヴァンス地方に入ったとたん、車窓から見える畑の作物は一変して、スモモなどの果樹に混じってオリーヴの木が姿を現したのに驚いたことがある。やはり乾燥した大地と強い太陽がオリーヴの生育には必要らしい。

MUZ

 

(c)2018 MUZVIT

 


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