ゑんぢんぶろぐ

のんきそうには見えますが頭の中は不安で一杯。あまり過大な期待と責任は負わせない方が互いにとって身の為です。いやマジで。

シリーズ「読了」

2022年10月22日 21時27分23秒 | 読書
「凜の弦音」
著者:我孫子武丸

 関連記事まとめページっ資料室(仮):「ノベラーズ」&「ハナシをノベル!!」

形は短編集ではあるが一応「長編」と言う事らしく…著者の作風からはちょっと外した感の有る「青春モノ」に仕上がっている。
軽くこじれた人間関係が端々に見られるが、それほど体力も必要なく一気に読める一冊。


第一話「甲矢と乙矢」
 …一部レビューでは「不要」とまで言われる、濃いめの「ミステリー部分」。とはいえヒロイン・凜と師である棚橋先生の人となり、部活動の様子や主要な登場人物など、のちのストーリーの道付けには重要な一節である。
 まんま「ヒント」になっているタイトルが物語の端々にしっかりと意味を持って登場。凜のキャラクター紹介でもある嚆矢(…弓道だけに←)の短編は著者らしい筆致でグイグイ読ませる。

第二話「弓の道、矢の道」
 …一話とは毛色の違うミステリー。…あとがきでも触れられてはいないがこれもわりと「あるある」だろう。
 授業でチョロッと弓道をかじった時の事を思い出した。

第三話「弓と弓巻き」
 …軽やかに裏切られるまさかの展開wチラ見えする違和感はそういう事でしたかww
 ここまででこの一冊の流れが完全にできあがる。

第四話「打ち起こし」
 …学生時代にオレが習ったのは「正面打ち起こし」で新世界の射的場でもそれで射った←誰も聞いてない。
 棚橋先生に替わる「新顧問」登場。それに伴い凜の心はザワツキ始める。

第五話「射詰」
 …ここから最後までは何となく既視感が有ると思ったが…「花鈴のマウンド」を濃縮したらこんな感じになる、と思い至る←恒例超絶ド級マニアック
 こういう「裏の有るキャラ」ってのは読んでてイライラするけどスパイスとしては絶妙だな。

第六話「射即人生」
 …いるいる。それが悪いとも、逆に凜がどう、とも思わないが…そういう人は確かにいる。
 ライバル?になるのか色々と秀でた「波多野郁美」の登場は「なんてっ探偵アイドル」の藤巻ゆかりを連想した←恒例超絶激古ド級マニアックネタ乙


第七話「弦音」
 …凜の成長と新たなステップの一区切りになる一章。
 六話で辿り着いた境地が正しいのか、凜は相変わらず迷いながらそれでも一歩を踏み出す。


青春「ミステリー」のつもりで読んでいたがコレは立派な青春小説。ヒロインに共感する人ほど引き込まれて行く事だろう。


続巻「残心 凜の弦音」は刊行済み。
もちろん読むつもり。


著者の他の作品
 っ「人形はライブハウスで推理する」

蛇足…著者の風貌で弓を引かせるとなんか幕末の志士感がスゴい(語彙力

「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おっ買い物っ♪ | トップ | 偽ついった~ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事