武田じゅうめい 旅人は風に向かって進む

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人にはニッポンが足りない

安楽死と殺人、現代の楢山節考

2020年08月15日 | 人間の死

★安楽死と殺人。

身体中が骨になっていく難病ALSは、安楽死に値するのか、それとも医師による殺人か。


個人的には安楽死は賛成です。
だが、この議論は難しい。
死は個人の自由か、いや、死は個人の自由に任せられない、などと議論百出することは必至。

勝手に自殺するのは誰にも止められないが、自殺ではなく、自己の覚悟で安楽死を選択したい人たちも存在する。
苦しまずに皆に看取られて、あの世に旅立ちたい人たちがいる。

 

私見では、安楽死の条件を端的に言えば、
患者が回復見込みのない重篤な病気を抱え、普通の生活が不可能で、本人が強く希望し、複数の医師や弁護士が本人の安楽死希望を確認すれば、安楽死が認められるようにすればいい。もちろん撤回も可。


今の世の中、流れは自宅介護ですから、実は介護をしている家族も極度に疲弊しているのです。
しかし、だからと言って安易に安楽死が認められる訳がないのも真実。

昔、昔、姥捨て山があったとさ。
深沢七郎の小説「楢山節考」は、山深い貧しい村の因習に従い、息子が年老いた母親を背負子に乗せ、真冬の楢山へ捨てにゆく物語。
息子が山を下りていなくなったあと、山奥に一人残された老婆は息子がくれた最後の握り飯を食べ、そして目をつぶり、静かに降りて来る夜の帳に抱かれるように眠りにつく。
そして厳冬の翌朝、もはや目を覚ますことはない。
それは残酷なのか、それとも生きる為の自然の掟なのか、それは誰にも分からない。
山梨県のある村に伝承された昔話に題材を得た深沢七郎は、姥捨て山の独特の世界観を描いている。


さて、難病「ALS」の女性(51歳)を薬殺した事件で、医師・大久保愉一(42)と医師・山本直樹(43)が逮捕され、京都地検に嘱託殺人で起訴された。

昨年11月、京都・中京区の女性宅で、女性に頼まれ、「胃ろう」に大量のバルビツール系睡眠薬を投与し、殺害したそうな。医師2人は当日まで女性と面識はなかった。
女性からは山本の口座に130万円が振り込まれていたという。

 

(じゅうめい)

 

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