新宿酒場ロン 4・20
銀さんと話をしている。洋子ママも一緒だ。
絵美は急遽、バージニア工科大学へ取材のためにアメリカへ飛んだ。
島は長崎の事件で現地に居座りだ。
どちらからも連絡は入っている。
「アメリカの韓国社会は大変なショックだそうだ」
「安倍さんの訪米に合わせて、在米韓国社会は慰安婦デモを計画していたがすべてキャンセルされた」
「安倍さんに運が向いてきたかな」
「アメリカ議会の慰安婦謝罪決議も雲行きが怪しくなった」
「犯人の姉はプリンストン出の国務省勤務だって」
「犯人はビデオをNBCへ送りつけたが、全米で放送禁止になった」
「どんな理由をつけても銃乱射は正当化できない」
「カフカの不条理だ」
「バージニア工科大学で勉強していて、何が不足だろう」
「ベンツだとか、金のネックレスを持っているとか、他の学生をののしっていたが。そんなもの大学を卒業したら、買えるものだし」
「自分で働いて買えばいいじゃんという話だけど」
洋子ママが違うのよと言って口を開いた。
「心の傷、目に見えない心の傷よ。私は分かる気がする」
「8歳でアメリカに来て、白人文化で、言葉も分からず、字も読めず、両親はお金もなくナイづくし」
「白人のイブニング・パーティーに汚い坊やが紛れこんだらどうなるかしら」
「ケツを思い切りぶっ叩かれて、裏通りのガーベージに投げ込まれるのが落ちだ」
「撃たれないだけましかもな」
ママもかつてはアメリカの大学に留学していた。
銀さんがかぶりを振った。
「長崎で、サツは既に情報を入手しているが、現場に目付け役のヤクザが2人いた」
「見張り役じゃなくてさ」
「状況をケンしていたその筋がいたというんだ」
「なぜ?」
「殺人指令が上から出たから、その検分をしていたということであれば辻褄が合う」
「どこから?」
「それが簡単に分かれば、今、ココに俺はいない(笑)」
「公共事業がらみ?」
「ちょっと甘いな」
「死んだ伊藤市長の売りは?」「反原爆・反核兵器」「アメリカのやったことを世界中で鋭く批判していた」「エエッ、アメリカ?」
「使った拳銃は、やくざ憧れの米国スミス社製38口径レボルバー」
「なかなか手に入らないし、入ってもべらぼうに高い」
「CIAと菱の代紋」「ありうる」「背後で相当のカネが動いた」
「間髪を入れず組が解散したが」
「その動きは、名古屋の本筋まで届いている」
「いずれにしても、ガサは入るが」
「どっちの事件も、ダークサイドの暗い海底を見るような気分だね」
「絵美と島が帰ってきたら、お疲れさんをやらないと」
(ムラマサ、月光を浴びて不気味に青く冴える)
銀さんと話をしている。洋子ママも一緒だ。
絵美は急遽、バージニア工科大学へ取材のためにアメリカへ飛んだ。
島は長崎の事件で現地に居座りだ。
どちらからも連絡は入っている。
「アメリカの韓国社会は大変なショックだそうだ」
「安倍さんの訪米に合わせて、在米韓国社会は慰安婦デモを計画していたがすべてキャンセルされた」
「安倍さんに運が向いてきたかな」
「アメリカ議会の慰安婦謝罪決議も雲行きが怪しくなった」
「犯人の姉はプリンストン出の国務省勤務だって」
「犯人はビデオをNBCへ送りつけたが、全米で放送禁止になった」
「どんな理由をつけても銃乱射は正当化できない」
「カフカの不条理だ」
「バージニア工科大学で勉強していて、何が不足だろう」
「ベンツだとか、金のネックレスを持っているとか、他の学生をののしっていたが。そんなもの大学を卒業したら、買えるものだし」
「自分で働いて買えばいいじゃんという話だけど」
洋子ママが違うのよと言って口を開いた。
「心の傷、目に見えない心の傷よ。私は分かる気がする」
「8歳でアメリカに来て、白人文化で、言葉も分からず、字も読めず、両親はお金もなくナイづくし」
「白人のイブニング・パーティーに汚い坊やが紛れこんだらどうなるかしら」
「ケツを思い切りぶっ叩かれて、裏通りのガーベージに投げ込まれるのが落ちだ」
「撃たれないだけましかもな」
ママもかつてはアメリカの大学に留学していた。
銀さんがかぶりを振った。
「長崎で、サツは既に情報を入手しているが、現場に目付け役のヤクザが2人いた」
「見張り役じゃなくてさ」
「状況をケンしていたその筋がいたというんだ」
「なぜ?」
「殺人指令が上から出たから、その検分をしていたということであれば辻褄が合う」
「どこから?」
「それが簡単に分かれば、今、ココに俺はいない(笑)」
「公共事業がらみ?」
「ちょっと甘いな」
「死んだ伊藤市長の売りは?」「反原爆・反核兵器」「アメリカのやったことを世界中で鋭く批判していた」「エエッ、アメリカ?」
「使った拳銃は、やくざ憧れの米国スミス社製38口径レボルバー」
「なかなか手に入らないし、入ってもべらぼうに高い」
「CIAと菱の代紋」「ありうる」「背後で相当のカネが動いた」
「間髪を入れず組が解散したが」
「その動きは、名古屋の本筋まで届いている」
「いずれにしても、ガサは入るが」
「どっちの事件も、ダークサイドの暗い海底を見るような気分だね」
「絵美と島が帰ってきたら、お疲れさんをやらないと」
(ムラマサ、月光を浴びて不気味に青く冴える)