「・・・
結局、法廷闘争の帰結とは関係なく、基地包囲の闘いの現場に結集する県民の無抵抗・不退転の民衆運動の持続発展こそが辺野古・高江の闘いの帰趨を決することになるだろう。(2016年4月20日脱稿)」
上記は、『圧殺の海 第2章「辺野古」パンフレット』24-27頁に、『沖縄差別の集中的表現=辺野古新基地建設の暴力的強行 〜沖縄差別の源流と「和解」をめぐる疑惑・今後の闘い〜』と題する、うるま市島ぐるみ会議・うるま市具志川九条の会共同代表で元裁判官の仲宗根勇氏の論考の結びとなる啓示の引用である。この論考の全文は許可を得てブログ「peacephilosophy」さんに転載されている。
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2016/06/blog-post_16.html
昨日、政府と法務と司法が仕組んだからくりの一手「違法確認訴訟」(国の是正指示に対して県の不作為は違法である旨の国が仕掛けた訴訟)で県は裁判長の詭弁のレトリックで全面敗訴に嵌められた。国家の政治テロともいうべき沖縄襲撃が続いている。仲宗根勇氏のこの論考は今こそ更に全文読み込まれてしかるべきである。琉球・沖縄と日本との関係史を縦軸として沖縄の現状に触れている。以下は論考中段の文中より一連の司法画策に関する部分の引用。
『・・・
「当事者が自由に処分しうる権利または法律関係」について「当事者双方間に互譲(ゆずり合い)がある」ことが訴訟上の和解の成立要件である。従ってこの条項は和解成立の要件を欠き無効なものとなる。通常の能力を持つ裁判官がこのような和解条項を提案するはずはなく、これは、裁判事務に不案内の法務官僚が作成したものだろうと、私は、直感した。2016年3月24日付けの中日新聞や沖縄タイムスに共同通信の配信記事が掲載された(「菅氏主導 極秘の調整ー辺野古和解の舞台裏」(中日新聞)、「国、移設へ透ける打算ー辺野古訴訟和解の裏側」(沖縄タイムス)。その記事内容は、案の定、私の推測どおりであった。記事によると2月2日に首相官邸の執務室で首相が国の訴訟を所管する法務省の定塚誠訟務局長らと協議、2月12日には官房長官、外務、防衛大臣と定塚誠訟務局長が協議の結果、B案(暫定的な解決案)の受け入れに傾く。記事は、「関係者は『定塚氏は高裁支部の多見谷寿郎裁判長と連絡をとっていたとみられる』と証言する。」とも書く。三権分立、司法権の独立に重大な疑念を抱かせる驚くべき内容である。「多見谷寿郎裁判長と定塚局長は、成田空港に隣接する農地の明け渡しを求めた『成田訴訟』を千葉地裁、東京高裁の裁判官として手がけた過去がある。多見谷氏が福岡高裁那覇支部に異動になったのは昨年10月30日のことである。」(2016年3月24日付沖縄タイムス 社説)「送り込み人事」が疑われ得る多見谷裁判長と貞塚局長のこの間柄からすると、関係者の「証言」は、法務省を含む官邸側が裁判長と裏で通底したのではないかとの疑いを抱かせる。
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結局、法廷闘争の帰結とは関係なく、基地包囲の闘いの現場に結集する県民の無抵抗・不退転の民衆運動の持続発展こそが辺野古・高江の闘いの帰趨を決することになるだろう。(2016年4月20日脱稿)」
上記は、『圧殺の海 第2章「辺野古」パンフレット』24-27頁に、『沖縄差別の集中的表現=辺野古新基地建設の暴力的強行 〜沖縄差別の源流と「和解」をめぐる疑惑・今後の闘い〜』と題する、うるま市島ぐるみ会議・うるま市具志川九条の会共同代表で元裁判官の仲宗根勇氏の論考の結びとなる啓示の引用である。この論考の全文は許可を得てブログ「peacephilosophy」さんに転載されている。
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2016/06/blog-post_16.html
昨日、政府と法務と司法が仕組んだからくりの一手「違法確認訴訟」(国の是正指示に対して県の不作為は違法である旨の国が仕掛けた訴訟)で県は裁判長の詭弁のレトリックで全面敗訴に嵌められた。国家の政治テロともいうべき沖縄襲撃が続いている。仲宗根勇氏のこの論考は今こそ更に全文読み込まれてしかるべきである。琉球・沖縄と日本との関係史を縦軸として沖縄の現状に触れている。以下は論考中段の文中より一連の司法画策に関する部分の引用。
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「当事者が自由に処分しうる権利または法律関係」について「当事者双方間に互譲(ゆずり合い)がある」ことが訴訟上の和解の成立要件である。従ってこの条項は和解成立の要件を欠き無効なものとなる。通常の能力を持つ裁判官がこのような和解条項を提案するはずはなく、これは、裁判事務に不案内の法務官僚が作成したものだろうと、私は、直感した。2016年3月24日付けの中日新聞や沖縄タイムスに共同通信の配信記事が掲載された(「菅氏主導 極秘の調整ー辺野古和解の舞台裏」(中日新聞)、「国、移設へ透ける打算ー辺野古訴訟和解の裏側」(沖縄タイムス)。その記事内容は、案の定、私の推測どおりであった。記事によると2月2日に首相官邸の執務室で首相が国の訴訟を所管する法務省の定塚誠訟務局長らと協議、2月12日には官房長官、外務、防衛大臣と定塚誠訟務局長が協議の結果、B案(暫定的な解決案)の受け入れに傾く。記事は、「関係者は『定塚氏は高裁支部の多見谷寿郎裁判長と連絡をとっていたとみられる』と証言する。」とも書く。三権分立、司法権の独立に重大な疑念を抱かせる驚くべき内容である。「多見谷寿郎裁判長と定塚局長は、成田空港に隣接する農地の明け渡しを求めた『成田訴訟』を千葉地裁、東京高裁の裁判官として手がけた過去がある。多見谷氏が福岡高裁那覇支部に異動になったのは昨年10月30日のことである。」(2016年3月24日付沖縄タイムス 社説)「送り込み人事」が疑われ得る多見谷裁判長と貞塚局長のこの間柄からすると、関係者の「証言」は、法務省を含む官邸側が裁判長と裏で通底したのではないかとの疑いを抱かせる。
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