ふと訳もなく思い出した。
マラソン大会
僕の通う学校では小学校・中学校・高校とそのマラソン大会が毎年冬に行われていた。いかんせん走ること、動くことが嫌いな僕として毎年その時期がくると憂鬱でたまらなかった。そしてその中でも1・2を争うくらい嫌な出来事が中2のマラソン大会。中学校のマラソン大会はなぜかチーム戦で、5~6人のメンバー全員がゴールした時点で順位が決まる。なので、遅い人にペースをあわせるわけだが、なんだか普段話もしないような人たちと出席番号順でチームを組まされ、案の定気まずい空気の中走り出す。途中面倒になってみるものの、同じチームのやつらに励まされたりするわけで、それがまたむなしくて。そしてもうゴールまで1kmくらいになって、急にチームの一人が背中を押して走り出した。もうヘトヘトで足がおぼつかない中、背中を押されて走る。別に背中を押されたからって早く走れるわけでもないが、精神的なプレッシャーとしては絶好だろう。そしてあまりのペースで押され、僕は転んだ
ドンッ
「あ、大丈夫」
そして僕は残りを足を引きずるようにして帰った。ジャージに穴が開いた。ぽっかりと。
穴なんて直径2~3cmだけどそれがすごく目立って。膝のところに開いた穴。しかも中学校の時って、通学は制服だけど日常生活はジャージでみたいなことが多くて、みんなそうしていた。だからそんな穴の開いたジャージを日中はいていなくてはいけなくてとても恥ずかしかったわけで。どれほどの人が気にしていたかわからないけれど、人のジャージの穴なんてどれほどの興味がないかわからないけれど、若かりし僕はとても気にしていた。でも、そんなこと親には言えなくて…しかたなくそのジャージでしばらく過ごしました。集会とかで座ると穴が目立つので必死に手で隠したり、地面につくようにして見えないようにしていた。健気な努力だった。それでも友達から「穴開いているよ」などと指摘されて恥ずかしい思いを何度もした。
だから、僕はその背中を押したやつが憎くてたまらなかった。
たったそれだけのことなのかもしれないけれど、いたいけな中学生にとってそんな問題がとても大きなことだった。いつの間にかサイズの合わないジャージは新しい物に成り代わっていったけれど、僕の心の傷は癒えることはなかった。完全にトラウマだ。本人にはそんな自覚まったっくないだろうし、文句も言わなかった。中学時代、それ以来そいつとは話もしなかった。ただそれだけだし、友達から「嫌いなやついる?」みたいな話をされるとまっさきにそいつの名前を出した。ただそれだけ。
高校時代もろくなマラソン大会じゃなかった。これは以前書いたから気になる人はどこかにあるので探してください。
未だになぜマラソン大会をするのか、そしてなぜ冬にやるのかわからない。体力づくりと銘打っているけれど、一回走ったくらいでどれほどのものなのかと聞いてやりたい。高校時代はそれで体育教師と喧嘩になって叩かれた。完全に体罰だよ。ばんって叩かれて、どんって蹴られてとても虐げられていた。それだけ反抗的だったんだよね(笑)たぶん今ならもう少し違うやり方しただろうけどさ。はぁーあ。
ちょうどこれから冬になるとマラソンの時期だなと思うわけで。なぜ、マラソンなのだろうかと疑問に思うけれど、大人になったからもうマラソン大会なんて出ることはないだろうし… いっか。ちょっと肌寒い夜にこんなことを考えるsanboでした☆