エヴァンゲリオン《リビドーとデストルドー。神と使徒と人類。変わりゆく世界で》

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エヴァンゲリオンの中では物理的攻撃をはじくATフィールドってものが存在します。
















その解釈は様々あり、正解はわかりません。まぁそういう謎めいた部分がエヴァンゲリオンの人気の一端だということもまた事実。僕が見たものによるとATフィールドはリビドーという生きたいという衝動が作り出すもので、それが生命としての形を保つものでもあるため、生きているものはすべてATフィールドを持っていることになる。それは使徒と呼ばれるエヴァンゲリオンやネルフの敵も同じで、ATフィールドを所有している。ただ作品中ではATフィールドをかき消すというか、突破するアンチATフィールドなどという力も存在して、実際強固なATフィールドをもつ使徒をエヴァンゲリオンはアンチATフィールドをもってして撃破するシーンが度々見られる。

















生きる力、生きたいという意思

















それに対するデストルドーという力(アンチATフィールド)が強くなると、生命は形を保てず、どろっとした液体になってしまう。魂と肉体を形成する物質に分離して、魂はガフの部屋にいき、魂はリリスの元に還り、一つになる。















……と、熱く語りましたがエヴァンゲリオン見てない人には？さっぱり？な内容ですね。すいません。ちょっと興味持てたらぜひ観てみてください。


















いろいろ研究して作ったんだなぁって思うわけです。使徒の名前が神話の天使の名前だったりして、哲学や宗教学、精神論……煮詰めないとあとあとつじつまが合わなくなったりして興醒めするようなマンガもたくさんあるなかで、すごいと思います。なんか人間の在り方とか考えされる。リビドーとデストルドーの反作用。人は知恵の実を食べ、ここまで進化を遂げた。宇宙にも手を伸ばし、遺伝子をいじり、核で地球を汚染し……いつかこの人類にも神からの使徒が現れ、ガフの部屋に帰されるときがくるんじゃないかと考えてみたり。そんなことを口に出せば、無用の絵空事だとか杞憂だとか言われるだけで、社会から排除されていくんだろうな。遺伝子操作なんてもう神の領域だよ？毎日世界中で研究され、人間の遺伝子でここは目の色、ここは肥満かどうか、ここはガンになりやすいかどうか……そんなDNA配列の解明が進められている。極論を言えば、受精卵で分裂する前に遺伝子配列を変えることができれば…今は倫理的にやってないが技術が進歩して、それをやってしまう科学
者もいないとも言い切れない時代がくるだろう。もちろん極論だが。遺伝子操作されたクローン羊は、異様に寿命が短くなるそうで、それが人間にも同じことが言えるとしたら……もし自分が誰かのクローンで、自分が異様に寿命が短いと知ったら、自我を保っていられるのか？















と、エヴァンゲリオンから脱線したところで。最近の人気アニメやゲームだとクローン問題が取り上げられてるやつもあり、けっこう関心あるのかなぁとも思います。















シンジは…















シンジってのはエヴァンゲリオンの主人公で、初号機のパイロットなんだけど、14歳で内気で鬱的な少年です。リアルな心情で、敵に攻撃されたら怖いって逃げてみたり、他に誰も乗れないんだから乗りますよって開き直ってみたり、人と関わりたいと言ったり、拒絶したり、最終的にはみんな裏切るんだろ？って考えて、自分が嫌いで、だから人をわかれなくて、好きになれなくて、不器用で、言いたいこと言えなくて辛くなったり、瀕死の仲間を励ましたり、仲間のために素直に泣けたり、世界を救うために戦う意志がないと嘆いたり、卑怯で弱虫でずるくて…自分のことをいつもこう言って……………















そんなどこにでもいるような少年が世界を救うために！なんて自分を言い聞かせて、危険な戦場に立てるほど実際は甘くないと思うし、世界なんて漠然とした対象じゃなく、家族だったり友達だったり、恋人だったり…身近な人を守りたいって小さくて狭い正義感だったりするんじゃないかな。シンジは人は最後には自分を裏切るって思っていても、人と関わりたいと、守りたいとエヴァンゲリオンに乗り、戦う。僕がもしそんな状況に置かれたらどうかな？うまくやれるかな？















一昔前前の宇宙人が地球を侵略にきたから倒す～
o-_-)=○☆

















という単純なものじゃなく、主人公の葛藤や解決しない倫理問題の提起だったり、よりメッセージ色の強いものになってる。同じものを観ても感じ方も千差万別で、伝える側が考える以上に受け取ってもらえるものもあるかもしれない。人は生まれたときからリビドーがあり、乳を吸ったり、呼吸したりする。他の成分だって同じだ。みんな生きたいと思う気持ちを持ってる。いろいろな精神的な問題や、状況でデストルドーが強まって自殺したり、破壊の衝動はあるけど同時にリビドーもあるから、何もしなかったり、破壊衝動が外に向いてしまったり。なにが正しくて、何が間違いで、人が生きる意味とか価値とか…そんなものわからなくとも僕達は毎日生きて、生きたいと願い、人と関わりたいと思う。だから世界は回る。

















知恵の実を食べた人間が完全なる肉体を手に入れたらその存在は神と同等になる。神はそれを防ぐ為に使徒を送る。いま、遺伝子操作や宇宙進出など神の領域を侵食しつつある人類に宛てられた使徒は温暖化やオゾンホール、核汚染や生態系の変化、新型ウイルスなど、エヴァンゲリオンの中とは姿形を変えて、僕たちの世界にもやってきているのかもしれない……

















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