燈子の部屋

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マンション建設 4

2004-02-09 00:00:00 | 時事
私が住んでいる地域はマンション建設ラッシュが続いている。
31日の日経夕刊にも、北側から順に高く建てられていった
仁義なきマンション群が紹介されているくらいだ。
商業地域であるがゆえに容赦なくマンションが建てられていく。
そして、我が家も例外ではない。
私が住むマンションは南向きと西向きの二棟から成っているが、
その南側で再びマンション建設計画が持ち上がっている。
再び、と書いたのは、2001年にも同様の計画があったからだ。
そのときは、近隣及び周辺住民の反対運動や用地買収の失敗などにより、
こちらにとっては幸いなことにデベロッパーが断念してくれた。
今回のデベロッパーはずいぶんとマイナーな業者で、
そこが手がけたマンションを十数件現地調査した住民のレポートによれば、
大手が手をつけないような狭い土地にポンと建ててしまうらしい。
資材置き場など周辺に住宅がないような土地に建てることが多いらしく、
今回のように住民運動が起こるようなケースはあまりなかったようだ。

我が家は西向きの棟なので、日照上の影響はあまりないが、
南側に建てられたらマンション全体の資産価値が下がってしまう。
日照を遮られた住居を手放す住人は当然出てくるだろうし、
そうなったらオフィスに転用することになるだろう。
居住向けのマンションで多数のオフィスを抱えるのは問題が多い。
朝夕のエレベーターが混雑してしまうし、
セキュリティの面でも不特定多数の人の出入りは好ましくない。
だが、法律に則って進められるマンション建設を阻止することは難しい。
悪くすると反対運動のほうが違法な行為になりかねない。
この先、いったいどうすればいいのか。

日照不足による光熱費の上昇は生易しいものではない。
一日中電気を点け、洗濯物を乾かすのに乾燥機を使用したりしたため、
それまで月2万円程度だった光熱費が6万円になったという実例がある。
年間48万円増、20年で1千万円近くにもなる計算だ。
精神的ダメージのみならず、経済的損失も大きいのだ。
マンションが建ってしまった後では、売ることはなかなか難しいだろう。
それならば、みなでお金を出し合って土地を購入することができれば、
それがもっとも効果的で恒久的な建設阻止の方法なのだが。
建設予定地の全部と言わず、真ん中の土地だけでも切り崩せれば、
デベロッパーも不採算ということで諦めると思われるからだ。
購入した土地をどう活用するかは難しいところだが。
しかし、マンションの住人がすべて賛同してお金を出すとしても、
坪単価から単純に試算して一戸あたり60万円くらいの負担が必要となる。
一番影響を受ける南向きの住人しか負担しないとなると、
一戸あたり100万円になってしまう。
生涯払う光熱費に比べたらかわいいものだが、
いまどきそんな大金をすぐに出せるものだろうか。
それに、すでに手付金を受け取った地権者もいるというから、
資金が集まっても土地購入は難しいかもしれない。

着工したら座り込みも辞さないという反対運動なのだが、
勤め人にそれは難しいだろうから、もしやるということになれば、
私のような専業主婦やご隠居さんやこどもが座り込みをすることになるのか?
そのときには事前にマスコミを呼んで効果を狙うのもあり?
いずれにしても、建築上の問題がないマンション建設を阻止するには
相当の気力と体力と財力が必要で、たいがいの運動は挫折する。
いつまでも反対運動を続けるようなら迷惑料も支払わない、などと言われては、
わずかばかりの迷惑料をもらって我慢せざるをえなくなる。

結局、発展する都市に法律が追いつかないのだ。
会社は株主のために利益を追求するものであって慈善事業家ではない以上、
合法的に敷地いっぱいのマンションを建設するのは致し方ない。
デベロッパーはよく「調和」という言葉を使いたがるが、多くの業者にとっては
それが単なるお題目、努力目標に過ぎないことは周知の事実だろう。
大手のデベロッパーが牽引して人や環境との真の調和を図るようになり、
消費者もそれを評価して購入理由の一つにあげるくらいになれば、
少しは状況が改善するかもしれない。
だが、現実はそう綺麗には進まない。
かくいう私も利便性に惹かれて購入した消費者のひとりだ。
(西側にマンションが建つリスクは考慮したが。)
商業地域における住宅の建設についてまず法律を整備していかなければ、
こうした問題を根本的に解決することはできないだろうと思う。


(次を読む)

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