「Inner Views」

音楽家として逝こうと思う。

木ヲ読ムヒト。

2005-12-27 | Archtop Guitar
 日本へ送る予定の二本のアーチトップ。材を選びました。木のクセを読んでいるスティーヴン。ようやく少しずつ教えてくれるようになった。

 去年は、木の読み方についての詳しい説明は皆無。道具を扱うテクニックについてがほとんど。一年を過ぎた頃から杢目とか、その木の育った環境とか、クセとかについての説明が多くなった。以前は分からなくてキョトン、としていると、そのまま無視してドンドン先へ進んでた。今では僕が分かるまで、図に書いてくれたりして説明してくれる。それでもホントに深くて難しい。

 教える側も、教わる側も真剣。どっちも常に本気。自宅に帰ってくると、その日の作業を復習するのが日課。なので夜になってもアタマが冴えてて眠くならない。身体は疲れてるのに。ここに来てからずっとこんな感じ。なので明け方までギター作ったり、リペアしたり、ブループリント描いたりしてる。

 ナイフで斬ってみて強度とかクセを観る。その状態によってアーチの削り出し、向きが決まる。アーチの高さとか厚さとかは毎回違う。そうやってサウンドをコントロールしてる。ダキストがこういうコトにホントによく執着して最初に取り入れたヒトだと思う。テールピースにエボニー使い始めたり、その長さを微妙に変えたり。

 


 マイギター観てくれた時、木工の技術に関しては何も言われなかったのですが、杢目の取り方とか、クセのある木をどうやって組み合わせるか、についていろいろとアドバイスを頂いた。このヒトは百年とか二百年とか先を見てギター創ってる。木は生きてる。それを無理矢理、力(クランプ)でくっつけてギターにする、ってのとは違う。力でねじ伏せるギター製作とは違う。クセを上手く利用して、それを長所に変えて、その木の持つ才能を最大限に引き出してあげる。

 それがマルキオーネ流。



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4 コメント

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ダキスト (ayumu)
2005-12-27 16:14:56
ダキストは本当に素晴らしい!!

学生時代はかなり彼から影響を受けました。



ダキストがなくなったときチナリーがブルーギターを作られていましたが正直終わったなと思ったんです。



あそこまでダキストが推し進めていったことを誰も継承してないように私には感じられました。



マルキオーネがアーチトップを出したとき完全にクラシックにいってましたが「きたっ!!」と思いましたよ。



気持ちがアーチトップにいってたころソリッドには全く興味なかったですが、当時からマルキオーネだけな別に考えていたので。



そして不思議なことに追っかけるように今度はスパニッシュをつくってて(笑)



生意気なこと言うようですが、正直なところマルキオーネはまだまださらに上にいける(今がレベルが低いという意味じゃなく)という印象をうけます。



なので楽しみなのです。



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ということは… (happy)
2005-12-27 17:29:49
彼について行くパートナーは、いつのまにか今の彼は追い越しているということになりますね。



それも楽しみなのです。
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今回も (blue-ke)
2005-12-28 08:22:49
非常に興味深いブログですね。

マルキオーネギターはほんとそのギターによって基本的な形や大きさは一緒ですが、細かい部分でほんと全然ちがいますものね。以前ネックスルーを3本弾き比べた時もボディのコンターの具合や角の部分の処理(どれも美しいんですよこれがまた!)ネックの握りの感覚がどれも全然ちがいましたしね。こういう違いもその木それぞれの特性からきてるもんでしょうしね。

他の高級メーカーのギターではこういうのがなくどれも同じ形、握りっていうのを感じます。木としての個体差は絶対あるはずなのに…

ちょっとギターのことではないですがおっ!と思わされた記事があったので少し紹介させてもらいます。あくまで冒頭の記事のみです。後のは関係ありません(笑)↓



http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/column/200512/at00006967.html
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杢読。 (Taka)
2005-12-28 13:34:47
大好きですね、ダキスト。ジミーと親友関係にあったヴァイオリン製作家がニューヨークにいます。なのでダキストの作るギターはヴァイオリン製作家のそれに近いと感じます。



で、面白いのがそのヴァイオリン製作家とスティーヴンは家族のような付き合いをしています。スティーヴンが「オジさん」と慕っていて、その方もスティーヴンを甥っ子のように可愛がっています。面白いつながりだな、と思うのです。



アユムさん。



そろそろマルキオーネを手に入れてみては(笑)?必ず満足して頂けるギター作ります。



>彼について行くパートナー



スティーヴンと僕のことですか?スティーヴンにはパートナーはいなくて、全部独りでやってますよ。僕はどちらかと言うと「生徒」という感じ。毎日「マルキオーネ」という学校に通っているだけですので。ありがとうございます、頑張ります。



blue-keさん。



西岡さんは有名ですよね。知ってますよ。噂はいろいろ聞いたことがありました。本も何冊か出てるので、読んでみるとスンゲー面白いですよ。次回、一旦帰国するときは、塔とか見てこようと思ってます。西岡さんの道具とか。来年の夏頃に帰ってみようかな。



アレ?これプロレスの話にすり変わってるよ(笑)。ヘンなの。
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