Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

福知山線脱線事故、非常ブレーキに焦点

2005-05-25 06:51:02 | 国内
JR西日本福知山線の列車脱線事故の事故原因は、速度時速70キロに制限されている急カーブの箇所に、時速100キロを大幅に超す高速で走行していったことと考えられている。だが、この列車がこのような高速で走行していた背後には、非常ブレーキの問題が絡んでいるのではないかと、私は当初から考えてきた。

国土交通省 航空・鉄道事故調査委員会でも、非常ブレーキについて同じような推論をしているのかもしれない。5月24日には非常ブレーキに関して次のような報道があった。

この記事によれば、高見隆二郎運転士は伊丹駅で60メートルのオーバーランをしたとき、主導で非常ブレーキを作動させたが、その前に始発駅である宝塚駅までの回送段階で、非常ブレーキが自動作動した記録が2度もあるらしい。NHKのテレビ報道では、これは赤信号に対して高見運転士が認識ボタンを押さなかったためと説明されていた。


JR西日本福知山線
(伊丹尼-崎区間)



産経新聞(共同阪神)
非常ブレーキ4回作動 宝塚駅から事故現場まで
2005年5月24日 18:27

 兵庫県尼崎市のJR福知山線で脱線事故を起こした快速電車(7両編成)は、始発の宝塚駅から事故現場までに計4回、非常ブレーキが作動していたことが24日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。

 調べによると、まず宝塚駅に回送車両で入線した際、高見隆二郎運転士(23)=死亡=が立て続けに2度、赤信号の警告を無視するなどして駅構内の列車自動停止装置(ATS)が作動し、自動的に非常ブレーキがかかった。

 その後、停止位置をオーバーランした伊丹駅と、事故現場となったカーブ付近で、非常ブレーキを手動でかけたことがそれぞれATS装置などから判明したという。(共同)


毎日新聞
尼崎脱線事故: 非常ブレーキ4回も 事故調の解析で判明
2005年5月24日 20時43分

 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故で、事故を起こした快速列車は、計4回も非常ブレーキが作動していたことが24日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べで分かった。1回の運行では異常な回数で、高見隆二郎運転士(23)=死亡=が、オーバーランなど運行ミスが重なった焦りから、高速で「回復運転」をした結果、事故につながったとみられる。25日で事故から1カ月。事故調は他の運転士らから事情を聴くなどして、当時の運転状況や心理状態の解明を進めている。

 非常ブレーキは、始発の宝塚駅で2回、途中の伊丹駅で1回、さらに事故現場付近で1回作動していた。運行状況を記録したモニター制御装置やATS(自動列車停止装置)記録装置のデータを解析して判明した。

 事故調によると、同列車は4月25日朝、始発の宝塚駅の折り返しホームに入線。この際、ホーム周辺で連続して非常ブレーキがかかっていた。駅構内の信号が「赤」だったのに、ATSの地上子(ちじょうし)(発信機)上をブレーキをかけずに走行し、ホームをオーバーランしかけるなどしたため、自動的に非常ブレーキがかかったとみられる。

 同列車は宝塚駅を定時の午前9時3分に発車。しかし、伊丹駅で再びオーバーランし、非常ブレーキが作動。同駅発車が1~2分遅れ、さらに猪名寺、塚口駅を通過する直線区間を経て、現場のR300(半径300メートル)のカーブにさしかかる前後にも作動していた。

 会見した事故調の山口浩一委員は「宝塚を定時で出発しているが、ATSの非常ブレーキで止まるのは運転士にとって不名誉なことで、運転指令所にも連絡していなかった。それが負い目になり、遅れが加算されて通常の運転ではなかった可能性がある」と分析している。【武田良敬】

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