Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

金正日「7月に6ヶ国協議復帰」、鄭東泳に語る

2005-06-17 23:19:23 | 国際
朝日新聞
「6者協議に7月復帰も」 金総書記、韓国統一相に示す
2005年06月17日22時06分

 南北共同宣言5周年行事で訪朝していた鄭東泳(チョン・ドンヨン)・韓国統一相は17日、平壌で北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談した。金総書記は核開発問題について「我々は6者協議を放棄も拒否もしたことはない。米国が我が国を相手として認め、尊重するなら、7月中にも6者協議に復帰する用意がある」と述べ、米国の対応次第では約1年間中断している6者協議の再開に応じる考えを示した。また「核兵器を持つ理由がない」とも述べ、核問題が解決すれば核不拡散条約(NPT)や国際原子力機関(IAEA)に復帰する考えも示した。

 17日夜に帰国した鄭統一相が記者会見などで明らかにした。金総書記は「この(6者協議復帰)問題は米国ともう少し協議しなければならない」とも述べ、米朝間でさらに調整が必要だとの考えを示した。

 金総書記は「南北非核化共同宣言(92年発効)は依然として有効だ。故金日成主席の遺訓だ」と語った。さらに「(北朝鮮は)核兵器を持つ理由がない。核問題が解決すればNPTに復帰し、IAEAの徹底検証を受ける用意がある。すべてを公開してもいい」と述べた。

 金総書記は多国間による安全の保証について「一理ある。慎重に検討する」と述べた。

 統一省によると、会談は平壌市内の大同江迎賓館で行われ、昼食も含めて約5時間に及んだ。昼食には韓国の林東源(イム・ドンウォン)・元統一相、朴在圭(パク・チェギュ)元統一相らも出席した。

 鄭統一相は、核問題の早期解決と南北関係の持続的発展を主要な内容とした盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の口頭メッセージを伝達。金総書記に6者協議への早期復帰を促した。鄭統一相は会談で、6者協議が再開した場合、韓国政府として実質的な核問題解決を促すため「重大な提案」をする用意があると説明。総書記は「慎重に研究し回答する」と述べた。核放棄を条件に韓国が「画期的な支援」を行うとの内容と見られる。

 鄭統一相によると、金総書記は8月15日の日本による植民地支配からの解放記念日に、北朝鮮・金剛山で離散家族の再会事業を実施し、ソウルで開催される解放記念日式典に北朝鮮から政府代表団を送ることにも同意した。また、南北の将官級軍事会談を再開させる考えも示した。

 金総書記が韓国政府高官に会うのは、02年4月に金大中(キム・デ・ジュン)前政権の大統領特使として訪朝した林元統一相(当時、大統領特別補佐役)以来。会談は当初予定になかったが、前日深夜になって北朝鮮側が会談に応じる意思を韓国側に伝達。17日朝に確定したという。


毎日新聞
韓国: 鄭統一相が北朝鮮平壌市で金総書記と会談 
2005年6月17日 20時44分

 【ソウル堀山明子】韓国の鄭東泳(チョンドンヨン)統一相は17日、平壌市内の大同江迎賓館で北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記と会談した。核問題を巡る6カ国協議について金総書記は、「米国が北朝鮮を認め、尊重する意思が確実であれば、7月中にでも協議に出席できる」と述べ、来月にも復帰する用意があることを明らかにした。しかし「その前に米国ともう少し協議が必要」と条件を付け、米朝直接対話を求めた。

 昨年6月から中断している6カ国協議について北朝鮮は、米国の対北朝鮮敵視政策の放棄などの条件が満たされれば復帰する立場を繰り返し述べてきたが、復帰の時期について発言したのは初めて。金総書記との会談を終え、帰国した鄭統一相が仁川空港で記者団に明らかにした。

 会談で鄭統一相は、北朝鮮核問題の早期解決を求め、南北関係は00年6月の南北共同宣言の精神にのっとって発展したいという盧武鉉(ノムヒョン)大統領の口頭メッセージを伝えた。

 鄭統一相によると、これに対し金総書記は、「朝鮮半島の非核化の宣言は有効であり、(94年に死去した)金日成主席の遺訓でもある」と述べ、92年発効の南北非核化宣言を順守する立場を強調した。また6カ国協議について「我々が協議を拒否したことは一度もない。米国が我々をさげすむので対抗しようとしたものだ」と説明、米朝対話を条件に7月復帰の可能性を示唆したという。

 また、南北関係については今月21~24日にソウルで開かれる閣僚級会談で将官級会談開催についての論議し、黄海の軍事的緊張緩和に努力する姿勢を示した。解放記念日の8月15日には、北朝鮮政府代表団を派遣するとともに、北朝鮮の金剛山で離散家族再会事業を再開する考えも明らかにした。

 会談は、17日午前11時から午後1時半まで2時間半行われ、1時間半は核問題、残りの1時間は経済、安保、人道的支援問題などについて議論した。韓国政府関係者によると、会談で鄭統一相は、米韓首脳会談の結果を伝え、6カ国協議で北朝鮮が核廃棄の戦略的決断を下せば、韓国は包括的な対北朝鮮支援策を提供する用意があると説明し、6カ国協議の復帰を促したという。

 会談後、昼食会も2時間半近く開かれた。金総書記が「以前会った人にまた会いたい」と要望し、林東源(イムドンウォン)元大統領特別補佐官、朴在圭(パクジェギュ)元統一相らも参加した。

 鄭統一相は、南北首脳会談5周年記念行事に参加するため、14日から平壌入り。16日の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長への表敬訪問が個別会談に格上げされ、17日には追加日程で金総書記との会談が実現した。

 ◇なぜ突然の会談か…

 【ソウル堀信一郎】金正日(キムジョンイル)総書記が17日、鄭東泳(チョンドンヨン)韓国統一相を突然足止めし、初めての会談に踏み切った。「突然で予想外」の行動は金総書記が得意とする手法だ。だが、鄭統一相は北朝鮮が「北朝鮮の土を踏ませない」と攻撃してきた相手だ。それでも金総書記が会談を決断したのは、核問題で韓国を味方につけ、南北関係を正常化させることで北朝鮮の立場を優位にしようという戦略とみられる。

 北朝鮮と鄭統一相との「敵対関係」は1年前から続いていた。原因は、南北関係を統括する鄭統一相が昨年7月、北朝鮮での金日成(キムイルソン)主席死去10周年行事に韓国の弔問団を参加させなかったことだ。

 これに激怒した北朝鮮は「鄭東泳は任期中、共和国(北朝鮮)を踏むことはない」と非難していた。

 だが、金総書記は17日、会談後には昼食会まで用意して、最大限の接待をした。

 会談で韓国側が金総書記から6カ国協議復帰の言質を取れれば大成果だった。だが、北朝鮮はまだ、6カ国協議への復帰問題や、核カードをいかに体制維持に結びつけるかなどの判断はついていないとみられる。

 一方、米国や日本では、北朝鮮の時間稼ぎに対して経済制裁などの強硬論が出ている。このため金総書記は鄭統一相の口から、日米両国の強硬論が実際にどの程度なのかを聞き出そうという狙いもあったようだ。

 高麗大の南成旭(ナムソンウク)教授は「祝賀ムードの中で金総書記は、核問題で米国の政策に同調せず、北朝鮮側に立つよう鄭統一相を説得したのではないか」と述べた。

 金総書記にとっては、韓国が予想もしなかった会談を成功させて、韓国に貸しを作った。今後の南北関係で主導権を握ることもできる。

 韓国政府も「金総書記に米韓関係を直接説明するいい機会になった」(外交通商省幹部)と歓迎しているが、南北特有の同胞関係に傾き過ぎると、北朝鮮の時間稼ぎに加担する結果になるおそれもある。


朝鮮日報
金総書記「米が尊重すれば7月中にも6か国協議復帰」
2005/06/17 22:06

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は17日、「米国がわれわれを認め、尊重しようとする意思が確固たるものであれば、7月中にも(北核をめぐる6か国協議に)応じることができる」とし、「しかし、同問題は米国との更なる協議が必要だろう」と明らかにした。

 金総書記は「われわれは6か国協議を一度もあきらめたことがなく、拒否したこともない」とし、「米国がわれわれを蔑視するため、立ち向かおうとしたまで」とした。

 また、「韓半島非核化宣言は有效であり、金日成(キム・イルソン)前主席の遺訓だ」と述べた。

 これを受け、昨年6月以後、1年間中断されていた6か国協議に北朝鮮が復帰するか、するとすれば、いつになるかが最大の関心事となる見通しだ。

 金総書記は6・15統一大祝典に出席するため北朝鮮を訪れた鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官との単独面談で、このように述べたと、鄭長官が伝えた。

 鄭長官は「盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の特使として金総書記を午前11時から午後3時50分まで面談した」とし、「盧大統領の核問題解決と南北関係発展に関する口頭メッセージを伝達した」と明らかにした。

 このメッセージは北核問題の速やかな解決を強調したほか、南北関係が6・15共同宣言精神によって持続的に発展するよう期待するという内容であったと伝えられた。

 北朝鮮官営の朝鮮中央通信もこのような事実を直ちに確認した。南北関係と関連、金総書記は「将官級軍事会談を再開し、西海地域での緊張を解消する」と述べた。

 また、今年の8・15光復節に、離散家族再会行事を開催しようという韓国側の提案を受け入れ、ソウルで開かれる8・15行事に、中核の当局代表団を派遣するともした。

平壌=共同取材団
権景福(クォン・ギョンボク)記者>kkb@chosun.com

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