Takahiko Shirai Blog

記録「白井喬彦」

イランの大統領は大使館占拠事件を主導した学生活動家

2005-07-01 01:57:32 | 国際
先頃の選挙で次期イラン大統領に決まったテヘラン市長のマフムード・アフマディネジャド氏は、25年前のイラン革命の際に発生したアメリカ大使館占拠事件を主導した学生活動家のひとりだったらしい。大使館内に幽閉されていたアメリカ人の当時の人質の何人かがそのように指摘している。異論もあるようだが、彼らの指摘は心証的にみて概ね間違いないのではなかろうか。

勃発当初のイラン革命は、イスラム教が主導する主教革命なのか、社会主義政権の成立を目指した社会主義革命なのか、ちょっと判別がつかなかった時期もあった。しかしながら、革命の全過程にわたり反米で貫かれていたことは確かだった。

そういう中で反米運動をもっとも激しく展開したのは学生たちだった。そのときの学生活動家たちが、いよいよイラン政界のトップを占めるようになったわけだ。

イランの政治が反米の歴史を背負っているのは否定できない事実である。だが、自国の歴史に対する意識があまりにも強過ぎると、イランとアメリカの両国関係を好転させることはできなくなる。これは現在の東アジアを覆ういわゆる「歴史認識の差異の問題」の中東版かもしれない。

不幸な過去に拘るのではなく、未来を見据えてお互いに協調して国際関係を構築していくというリアリズムの精神が必要だ。そのリアリズムに立つ場合、アフマディネジャド氏の過去について、ブッシュ政権はどりあえずどういう態度に出るのだろうか。

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