ウェス・モンゴメリーのことを紹介するのは本ブログでは初ですね。60年代にジャズ・ギターの王様として君臨し、特に60年代半ば以降はドン・セベスキーのアレンジによる「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」等オーケストラを大胆に取り入れたスタイルで一世を風靡しました。ただ、それ以前のリヴァーサイド時代にはオルガンとドラムのみのシンプルなトリオ作品も計4枚残しています。その全てでオルガンを弾いているのがメルヴィン・ライン。お世辞にも有名とは言えませんが、ウェスとは同じインディアナ州の出身で気心の知れた仲だったようですね。もう一人のドラマーのジョージ・ブラウンも全くの無名ですが、彼もひょっとして同郷だったのでしょうか?
全6曲。いわゆるスタンダードは1曲もなく、全て他のジャズメンのオリジナルと自作曲で占められています。中ではピアニストのバリー・ハリス作の“Lolita”、そしてボビー・ティモンズのあの“Moanin'”のカバーが秀逸ですね。いつもながらのパワフルでホーンライクなギターを聴かせるウェスのプレイがさすがです。一方でオルガンのラインはと言うと、時折ソロは取るものの、自己主張は控えめであくまで脇役に徹している印象です。オルガン入りだと普通はR&B色の強いソウル・ジャズになりがちですが、必ずしもそうはなっておらず、あくまでウェスのギターを味わう作品となっています。正直、数あるウェスの名作の中では特筆すべき作品ではありませんが、ギター好きの人は持っておいて損はない作品ではないでしょうか?
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