黒猫 tabby の本読み日記

日々読み飛ばしている本と、その日の思いを、きまぐれネコがつづります。
猫と女の子と、本の世界に癒しを求めて。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。(原田まりる)

2020-01-05 | Weblog
哲学好きな元アイドルが、様々な哲学者の思想を紹介する本
さっと知るのに適した本

フリードリヒ・ニーチェ 1844ー1900
 偶像破壊者、”ツァラトゥストラはかく語りき”
・祝福できないならば呪うことを学べ(道徳に支配されるな)
・すべての習慣は、我々の手先を器用にし、我々の才知を不器用にする
・人生を危険にさらすのだ!(挑戦し、戦い抜くことで喜びはつかめる)
・いつも自分をいたわることの多いものは、その多い労りによって病弱になる。
・打ち勝つための道と方法はあまたある。それはお前が見つけなければならないのだ
・(自分の運命や人生を愛し、生まれ変わってもまたそっくりそのままリピート再生したいと思えるように生きる)
・(永劫回帰を受け入れ、色々なものの無価値を受け入れた上で強く生きていく超人となれ)

セレン・キルケゴール 1813ー1855
 憂愁を愛するロマンチスト ”死に至る病”
・客観的真理に流されず、主体的真理を追求せよ(流行より自分の好み)
・水平化の時代(一般に良いとされるものに流されると感動も個性もなくなる)
・自由のめまい(選択する可能性がたくさんあるということは、様々な可能性を捨てていくということ。自分の選択によって人生が変わることへの不安)
・憂愁(人生は思っているより短いんだなという切ない気持ち。青年は希望に幻影を持ち、老人は思い出に幻影を持つ。)
・非本来的な絶望(自分が絶望していると気付かずに、絶望していること。無理にポジティブになるよう、自分を騙している状態など)
・幸せそうに見える人になる必要はない。誠実に不安と向き合い、自分を騙してはいけない
・不安は底がない。覗き込むほど大きくなる。考えすぎても無駄である。清水の舞台から飛び降りろ。
・人税は後ろを向くことでしか理解できないが、前にしか進めない。

ショウペン・ハウアー 1788ー1860
 悲観主義者、”存在と苦悩”
・人生は、欲望→苦悩→退屈のループ
・富は海水ににている。飲むほどに喉が乾くのだ
・病める王より、健康的な乞食の方が幸福であろう(自分の価値観・感性で生きる方が幸せを感じられる)
・精神の貧しさは、外面的な貧しさを引き寄せる
・虚栄はおしゃべりを、自負は口数の少ないものを生む
・運命がトランプのカードをシャッフルし、我々が勝負する(人生は平等ではない、手持ちのカードでどう勝負するかは自分次第である)

ジャン=ポール・サルトル 1905ー1980
 無頼派哲学者 ”嘔吐”
・実存は本質に先立つ(理由がなくとも存在する)
・人は自由に呪われている(すべて自己責任であり、望まない結果も引き受けなければならない)
・他有化(他人にものとしてとらえられてしまうこと)
・他人にはなれないし、自分の自由を生きることしかできない
・ヤマアラシのジレンマ(近づくと気付けあい、わかりあえない)

マルティン・ハイデガー 1889ー1976
 死と向き合う ”形而上学とは何か”
・ダーザイン(いまここにある存在)
・ダーザインは死へ向かう(人生がどのようなものであったかは死の直前にわかる)
・ダスマン(特定の誰でもない誰か)
・どんな人間も代用可能だが、死ぬことは誰にも代わってもらえない
・本来的、先駆的決意、根源的時間(自分の可能性、残された時間をフル活用して生きる、死を見据える覚悟、人生に残された時間に限りがあることを自覚して生きる)

カール・ヤスパース 1883ー1969
 愛ある絆 ”哲学入門”
・驚きこそ求知のはじまり
・タウマゼイン(考える切欠となるハッとする驚き)
・哲学に万人に一致する真理や答えはない。答えを出すまでの過程に意味が凝縮されている。
・哲学する切欠は、驚き疑い喪失である
・人は色々なことをすでに知っており、それを理解し直すのが哲学である
・真理は二人から始まる(人との関わりは真理を生む)








アジャイル開発とスクラム(野中郁次郎、平鍋健児)

2019-11-24 | Weblog
The new new production development gameの作者(野中、竹内)が伝えるAgile/Scrumの本質

 形式知より実践知で伝えよ(文書ではなく、現場で体で伝える)

ジェフ・サザーランドとガブリエル・べネフィールドのトレーニングに飛び入り参加し質問を受けた。
”いくつものステークホルダーがいて、どの機能を優先するべきか意見が分かれている。一つにまとめるにはどうしたらよいか?”
平鍋は、「持ち点による投票をする」との回答を考えていたが、野中の回答は、
”合宿をしなさい”だった。

”形式的な会議で決めることはできない。いろいろな背景を持った人の集合において、形式知で語れることはごく一部だ。一緒に飯を食い、飲み、泊まって、徹底的に話をする。
そうすると形式知は脱ぎ捨てられ、自分の主観で話ができるようになる。
そこで、なぜこのプロジェクトに参加しているのかという根源的な問いにたどり着ける。
そこから初めて、一つの共通解が生み出される。この過程をみんなで踏みなさい”

”スクラムとはフラクタルである。どこをとっても会社のビジョンに向かった判断・行動パターンを共有する自己相似形の知識創造活動であり、それを実践する人である”
例として、アメリカ海兵隊の最小チーム編をあげている
”最少は3人のチームだが、必ずパイロットを含める。3人で陸海空の編成ができる”

PDCAではうまくいかない。なぜならプランは言葉で書かれた形式知であって、本当に欲しいもの、顧客に届くもの、感動すなわちイノベーションは作れない。
最初に論理思考・分析思考に陥ってはだめ。
作るものには”意味”があって、主観的で曖昧で、言葉にできない。

”何を作る”ではなく、”なぜ作る”かの情熱を、主観のまま伝えることが大切。
本田や井深や松下、早川は、現場で開発者の目線で、体を使って伝えている。
文書は介在しない。直接経験である。全身で共感するから伝わる。

アメリカ版Scrumが出来上がっていく過程で、剥ぎ落されたものあるという。
最初からこんなにわかっていたのか。

伝わるメール術(平野友朗)

2019-11-15 | Weblog
伝わるメール術 平野友朗
だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方

気づいた点をいくつか

メールの署名は何パターンか持つ、
部署名なしも可宛名は必須だが、簡略可やさん付けもお付き合いのレベルに会わせて。
読みやすく改行せよ、
1文は50文字以下にすること漢字を使いすぎない、
全体の3割以下にする
読み安く、伝わり安いことの方が大切、
難しい言い回しはしない、
間違って伝わる危険性がある内容がわかるタイトルをつける
丁寧とくどさの違い、クッション言葉はシンプルに
  お手数ですが、よろしければ、...
思いますで逃げない、調べろ
させていただくを多用しない、
何でも許可をとらない

以上

戦略がすべて(滝本哲史)

2019-09-16 | Weblog
Strength Finder診断では、戦略性がトップに来る私だが、
ほんとに戦略性があるのだろうか。
戦略 -> 作戦 -> 戦術(Strategy -> Operation -> Tactics)

才能勝負の世界では、才能は事後的にしかわからない。だからAKB方式のプラットフォームを使って、いろいろな人材にチャレンジさせてうまくいったら顔として選抜する。
顔の見えない仕事は、コモディティ化された人材の仕事になる。嫌なら競争に参加するしかない。

戦術の失敗は戦略で補うことが可能だが、
戦略(トップ)の失敗は戦術(現場)で補うことはできない。戦略論の定石
ブラック企業は戦略から間違えている。利益がでないビジネスモデルなのに、
現場になんとかさせようとしているに過ぎない。
「戦略で勝つ」とは、横一列の競争をせず、他とは違うアプローチを模索すること

戦略とは、勝つことを考えていくことであるが、次の本にあげる、美意識に勝てるだろうか?
美意識に従うということも戦略の中なのだろうか?


超AI時代の生存戦略(落ち合い陽一)

2019-09-16 | Weblog
シンギュラリティに備える34のリスト

第1章 超AI時代の「生き方」
 ワークライフバランス⇒ワークアズライフ
 AIが仕事を奪うのではない。AIに親和性の高い人が、低い人から仕事を奪っていくだけで、これはこれまでの機械化、IT化と同じである。
 自分の趣味性を知っておかないと、他人と違ったことをことをやりたい原動力は生まれない。フェチズム、暇なときに何をする?
 好きな遊びの報酬を知っているか
  射幸心としてのギャンブル的な報酬
  収集欲としてのコレクション的な報酬
  体感的な心地よさの報酬
 やる前に考え出すと前に進めない⇒やって面白いか?を見る
 遊びはcontextを理解していた方が面白い

第2章 超AI時代の「働き方」
 時代の速度より遅い進捗は、いくらやってもゼロになる
 キャッチアップ能力の低い人が資格の権威を守ろうとする
 新技術の習得には、無駄な学習時間を減らすこと
 自分らしさを探すより、コミュニティを探す、作る方が重要になる
 ⇒コモディティ化を避けてブルーオーシャンを目指す
 作ってしまったものを売るより、顧客にどういう利便性があるのかが先
 会議で利用する「捨て資料」を作る文化をなくす
 機械がサポートできることは頼ること、そこを修行にしないこと
 不必要な作業をしない;ツールを使う、中間行程を気にしない、機械にできることはやらない、意味の無い修行はしない
 機械との差別化は一見非合理な時間の使い方にある
 リサーチ:機械から人への依頼の変換(研究者)
 ディベロップメント:人から機械への指示の変換(プログラマー)
 フックのかかった状態:詳しくは覚えていないが過去に解いたことがあり、調べればすぐにわかる状態。クイズのような即答は不要。
 ジェネラリストよりスペシャリストが先にある、ニッチでもトップを目指せ

第3章 超AI時代の「生活習慣」
 ストレスフリー:無為自然、主体性を捨てる、他人と比べない
 体を動かさないと脳の動きは悪くなる
 敢えて壊す、変わったことをする、ことは人間の特徴だ⇒報酬系
 お金は貯めるより、人や自分へ投資すべし
 子育ては、義務より趣味へ。報酬系を理解すれば勝手に伸びていく

エピローグ
 古典的人間性とデジタル人間性は、バベルの塔のようになり、言葉が通じなくなり混乱を起こす

さて、なんだったのだろう、この本の趣旨は。

明日を支配するもの(P.F.ドラッカー、上田惇生)

2019-08-18 | Weblog
21世紀のマネジメント革命

第1章 マネジメントの常識が変わる
第2章 経営戦略の前提が変わる
第3章 明日を変えるのは誰か
第4章 情報が仕事を変える
第5章 知識労働の生産性が社会を変える
第6章 自らをマネジメントする

付章 日本の官僚制を理解するならば

 天下り問題は日本固有のものではない、日本では天下り後は報酬は良いが閑職である
 経済的な影響力では、日本はドイツ・フランスに及ばない
 彼らは大企業の株主であり、経営者として意思決定権をもつ
 日本の官僚は、失敗や不祥事が起きてもしぶとい
 アメリカの指導層は政治が任命する行政官と議会スタッフである
 日本の指導層は官僚機構であり、これに代わるものがない

 日本は、先延ばし戦略で成功してきた-経済効率が悪くとも急激な変化を起こさない
 外圧に負け、生産性の改善に手を付けると失敗する
  例:農業の補助金行政は、最低の生産性だったが、社会混乱を起こさずに、農村の人口を
    都市部へ移動させている
    不効率な流通網も、大規模店を規制し零細商店を保護したが、40年後には零細商店は
    小売りチェーンのフランチャイズとなり、効率的な流通システムに転換された
    80年代の景気と雇用の減速に対し、圧力に抗しきれず欧米流の対策を講じたことで、
    財政赤字とバブルを生んだ
 アメリカの優先順位は、安全保障、経済の順だが、日本は社会(の安定)が最重要課題である

 本書は1999年の発行だが、それから日本の個人主義は進み、社会の安定より自己の家計に
 つながる経済の方が重要になってきていると感じる。
 安全保障は、臆病者と楽観主義者に分かれる。

君の膵臓をたべたい(住野よる)

2019-08-03 | Weblog
本より先に、浜辺美波と北村匠海の映画をテレビで見た。
テーマはベタだが、浜辺美波の蠱惑さにやられた。
映画と本とは、少し展開が違う。
よく、この原作は映画にはできないみたいなことをいうけれど、
この映画は本にはできないって、なぜか思った。文章でこの蠱惑さは出せないって感じたから。
作者は高校生の時から書き始めたらしい。
そのままの言葉遣いが、若い男女の、友達同士の関係が、生き生きとしている。
映画より少し淡々としているかな。
エンディングは、恭子の結婚式まで引っ張る映画より、原作の方が良いかな。
春樹が成長していけると予感できる。
桜良が健気だ。こういう子には勝てないな。
映画も本もずっと心に残るだろう。

マンガでやさしくわかる NLPコミュニケーション(山崎啓支)

2019-04-04 | Weblog
父に代わってスーパーマッケートを立て直すストーリで、NLPの効果を説明するもの
マンガでやさしくわかるNLPの続編

 NLP:Neuro Linguistic Programing 神経言語プログラミング

1970年代にリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーにより開発された
3人の傑出したセラピストのセラピーを研究・まとめたもの - 模倣する(モデリング)
 ミルトン・エリクソン:催眠療法
 バージニア・サティア:家族療法
 フリッツ・パールズ:ゲシュタルト療法

ミスコミュニケーションの原因は、省略・歪曲・一般化 ⇒メタモデル

空白の原則:脳はわからないことがあると、自動的に埋める(理解する)ように働く
人間が何かを理解するときは、その大半は内部の情報(記憶)に頼っている
わからない⇒不安になる

焦点化の原則:人間は興味のあることしか見えていない
どこか一つに焦点を当てると、それ以外は省略される
ひとつのことしか感知し難いので、世界をシンプル(単純)なモノとして捉えたがる

使い勝手の良い地図は、省略されている ⇒ すべての情報を伝えない

意識   < 無意識
思考(頭)  身体
言葉     感覚

思考ではわかっても、身体(無意識)には勝てない

ラポール:安心・安全を感じる相手には心を開く、その状態 ⇒ 相手は決定権を委ねられると安心する

プリフレーム:本題に入る前に受け入れやすいイメージを作る(肯定的な先入観を持ってもらう)

コミュニケーションをよりスムーズにするもの
 ラポール:信頼関係、心理的や空間的に近いと感じる人や環境に安心を感じる ⇒心を開き、言葉を受け入れる
ペーシング:相手のスピード、リズム、価値観、関心事、呼吸を合わせる ⇒親近感がわく
リーディング:こちらのペースに相手が合わせてくれるようになる(あなたが信頼できれば、あなたが言っていることも信頼できる)

話し手の言葉は、伝えたい内容が省略されたり、歪曲されている
聞き手は、話し手の言葉を自分の体験・記憶と結び付けて理解する

信頼関係を深めるコツ
①決定権を相手に渡す
②バックトラック:相手の言葉を繰り返し、無意識の中でYesを出してもらう

メタモデル
省略
 ①不特定名刺
 ②不特定動詞
 ③比較(比較対象)
 ④判断
 ⑤名詞化(動きのある言葉が固定的な表現になることで意味が歪む)
歪曲
 ⑥X=Yになる表現(美人は冷たい、など)
 ⑦前提
 ⑧因果(ある原因が特定の結果を引き起こすと思い込む)
 ⑨憶測(証拠もなく決めつける)
一般化
 ⑩可能性の特定(できる、できない)
 ⑪必要性(制約を設定している)
 ⑫例外を認めない(いつも、みんな、決して~ない、など)


出来事はいつも無色透明で価値は決まっていない ⇒反応がネガティブな感覚を持つと、問題だと感じる

問題が解決されたかどうかは、身体で感じる感覚の変化が決めて

解決の糸口は言語表現をほぐすこと
体験は、思考(言葉)に影響を与えるが、思考(言葉)もまた世界に影響を与える ⇒頭の中の言葉が世界を支配する

メタモデル:あいまいな表現を正確な表現に戻す(省略、歪曲、一般化の是正)

ミルトンモデル:わざと曖昧な言葉(省略、歪曲、一般化)を使って、クライアントの中に問題解決に役立つ記憶を
引き出し治療する(逆メタモデル)

トランス状態(無意識優位の状態):無意識の状態で情報を受け取り、その情報の通りに変化が可能な状態 
⇒催眠誘導

ミルトンモデル連結語:現在起きていることを描写したうえで、将来起きて欲しいことを接続詞でつなげる⇒必要な変化を作り出す

裏メッセージと承認:裏メッセージに承認があると、受け取りやすい
気付きの叙法助動詞:ダブルバインドを使って、こちらの意図通りに相手が変化するコミュニケーション
          ”気づいてますか、周りの人に愛されていることに”

ちょっと、消化不良だな。
再読要、実践がもっと要



失敗学 他2冊(畑村洋太郎)

2019-04-02 | Weblog
1)最新図解 失敗から想像に生かす 失敗学
2)図解01使える失敗学
畑村洋太郎

1)ほぼ前作の項目を見開き2ページにまとめ直したもの。図などは同じ。違うのは福島原発事故の検証が追加されていること
事故調査団で来日したマクローリンの言葉として、日本に原発を扱う資格はあるのか?を問う。
”日本の技術者には誰一人として自分の考えや意見を述べる者がいなかった” そんな国に原子力を扱う資格は有るのか?
都合の悪いことは考えないことによって安全神話が出来上がる。
技術の問題じゃない、人の問題だ

2)前2作の内容を多く踏襲しているが、新しい例やマインドについて踏み込んでいる。
 失敗の真因は組織文化に潜んでいる。個人の責任ではない。
失敗に立ち向かえない時は、エネルギー回復まで
 自己否定回路に落ちて自滅する前に逃げろ
 他人のせいにしろ
 美味しいものを食べろ
 酒を飲め
 眠れ
 気晴らしをしろ
 愚痴を言え
 

企業風土の改革する4つの文化として日本航空の提言を取り上げている。
①自ら意思決定する文化
②コミュニケーションする文化:共通概念と確認(言ったことと聞いたことは同じではない)
③マニュアルを磨いていく文化
④二・五認証の視点の文化:自分や家族、その人になって考える


以上