坐花酔月 徒然日記

 「花咲く処に腰を下ろし 月を眺めて酒を楽しむ」 この一年、どんな年になるのか。

劇団民藝公演「ほんとうのやさしさで」

2023-11-06 22:52:19 | 本・映画・音楽etc.
 
荘銀タクトでの公演。
今回は演劇ではなく、日色ともゑが茨木のり子の詩を中心に朗読するリサイタルという感じかな。伴奏にマリオネットの二人。
昨日までの疲れを癒せたか……か。


六月

どこかに美しい村はないか
一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒
鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける

どこかに美しい街はないか
食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き すみれいろした夕暮は
若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

どこかに美しい人と人との力はないか
同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさとそうして怒りが
鋭い力となって たちあらわれる

茨木のり子詩集『見えない配達夫』(1958年刊行)所収
「六月」の詩は、1956年(昭和31年)に発表
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