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電気設備等の受注Know-how

長年、通信設備などのシステム受注の仕事で得たKnow-howをまとめたブログです。
何かの参考になれば幸いです。

02.安全在庫数

2019-04-25 11:31:12 | 11.確定手配

安全在庫数
 在庫品の発注方式に発注点による在庫量の考え方があります。
 この発注点の計算式は、

   発注点 = リードタイム日数 * 一日の平均出庫数 + 安全在庫数

 の計算式が多く用いられている。
 
 安全在庫は、必要数が計画外に増えた場合でも欠品を発生させない為の在庫です。

 安全在庫数は次の式で求められます。

  安全在庫数 = 安全係数 * 使用量(出庫数)の標準偏差 * √リードタイム …①

              

安全係数は、欠品率(この場合はどれくらいの確率で欠品を許すか)により、 標準正規分布表で求められます。

例えば、欠品率を 5%とすると、安全係数は1.65、3%とすると1.89となり、 欠品率を小さくすると(より欠品しないようにすると)安全在庫数を大きくするように働きます。

欠品率を0%にしようとすると、安全係数は無限大になってしまい、安全在庫数を求めることは出来ません。

 

使用量の標準偏差は、使用量の変動の大きさを表します。
使用量の変動が大きいほど偏差値は大きく なるので、安全在庫数も大きな値となります。
使用量に変動が無く常に一定であれば、偏差値は0になるので、安全在庫は不要となります。

このように、①の式は、統計的手法を用いた算出方法です。

しかし、実際の個別受注の現場では、有効な量の実績をとることが難しく、
品目数も多く、①の式に忠実な安全在庫数を設定することは困難です。
よって、計算式をベースにした統計データが不可欠と言われている理由になる。

時期、市況、政治的背景、による変化はの対処は、その都度の経験則になってしまう。



発注点方式
   統計的在庫管理手法の1つで、在庫がある一定量に達した時発注を行う。
   その在庫量がすなわち発注点であり、それ以下になると業務上支障をきたす。
 
   比較的需要が安定し、入手・保管が容易、安価な品目に適す。


01.他社品の調達(確定手配)

2019-04-24 21:14:00 | 11.確定手配

買い回り品(最寄品の対語)は、俗称として社内用語として否定はせず、調達するときの分類が必要になるために、
意味合いをあわせた用語として「手配」で記載します。


手配(買回り)品の分類と発注方法
  リスクの低減、キャッシュフォローの軽減目的で採用されている考え方です。

  受注で用いる機材等(特に自社製品外を買うとき)は、その受注にしか使わない機材も含まれます。
  また、受注ですので、必要以上の機材を所有していてもキャッシュフォローが悪化するだけです(保
  管時の場所、保管環境による品質劣化、時間経過による品質劣化、在庫金額の増大などに影響する)。
  出来るだけ効率よく運用するための考え方が、確定手配と言います。


  調達品(注意1)
    確定手配品(注意2)
      受注が確定した案件に対して、システム動作として間違いなく利用できる検討(システム
      設計)が終了している物品の調達。
      営業確定手配(注意3)、技術確定手配(注意3) がある。
    見込み手配品(注意2)
      受注未制約ではあるが、確度が高くまた、受注が確定した後に調達(発注)したのでは、
      リードタイムが入らない物品に対して行う調達。この調達では、リスク発注になるため、
      調達金額に合わせた提案決定書もしくは稟議書により経理的な履歴を残して運用します。
      見込み手配であっても、システム検討(システム設計)の確度はあげ、リスクを軽減する。
      営業見込み手配品(注意4)、技術見込み手配品(注意4)
      1案件の損益を出していく手法としても大手自動車会社が採用している方法ですので、
      この方法が受注会社全般に広がり、今では、業界が利用している受注事業時の調達方法に
      なります。
     
以下は、用語の解説です。

  大きく分けて、自社量産費の引き当てによる調達と他社製品の購買調達がある。
  他社購買調達は、社内俗語として「買回り品」などの用語で運用されている購入物を指し、社外から
  調達する機器、部材等をさす。

  この社外の調達にも、「確定」と「見込み」があり、確定は、受注確定後を指し、見込みは、納期が
  長い調達品に対して適用する。
  システム受注で受注前に調達するという行為は、リスクが有るために、分離した運用で行う。

  見込み手配の場合、リスク発注として、決裁で運用される(受注が確定していないために、執行時の
  決裁を要する考えです)
  またこの確定という意味には、システムとして用いることが出来る調達品である。
  システム整合保証も含みます(これにより、確定手配は、システム設計による品質が確保されるこ
  とを意味しています)。

  営業確定手配品は、営業が受注確定後に手配する調達品です。また、技術確定手配品は、技術が受注
  確定後に手配する調達品です。 


  営業見込み手配は、受注前に営業が手配する調達品です。また、技術見込み手配は、受注前に技術が
  手配する調達品です(前記同様に、リスク発注になるため、発注決裁を要する手配です)。

  発注する組織の違いです。システムで品質を左右する他社製品を調達する場合には、技術確定手配を
  行い、品質を担保することになります。しかし、同一顧客から同一システムの受注を受けた場合、
  同一の調達品が必要となります。この場合迅速性を考慮し、営業手配として実施される場合がある。

システム事業のリスクを軽減するために行われている方法です。
    30年以上かけて確立されてきた作法として、システム事業者(IT系は除く。電気設備を含む重電
    まで)の協議会で議論されてきた内容です。
    一時、通協産業省、総務省がシステム事業者の受注ガイドラインとして各事業者に告知している
    ので、公知と考えます。
    現在ガイドラインは、一般社団法人 日本電設工業協会が全面的に継承し会員に対して啓蒙している。

    そのガイドラインの変化は過去と同等であり、受注のシステムを作るIT(ソフト)会社は、この考えで、
    市販汎用アプリケーション(製番管理アプリケーションなど)が作られています。

関連事項
   貯蔵品の棚卸しの低減に大きく関与します。
   棚卸し金額で管理することも必要ですが、案件としての損益が前提となります。

   また、保守品として納入必要数に保守品数を加算して発注する場合もありますが、基本的考え方は、
   システム設計時の基本ポリ氏ーとして、調達品の選定時に、適合できる調達品をいくつか選定して
   おきます。
   その機種が製造中止になった場合でも、多sの機材が利用できるようにするため。

   類似調達品が無い場合、保守等の目的で購入するケースも出てきますが、極力少なくする設計を心
   がけなければ、利益が目減りしていくだけです。従って、保守品の思想は、諸現にを明確にするこ
   と、そして諸元からシステム維持が出来ること。などが含まれます。

(注意)システムを発注する顧客によっては、納入物の認定精度を用いている顧客も有ります。
    同一物ではない場合、同等で問題ないか納入仕様で明確にする。また型番まで同一でなければ認
    めないお客様に対しては、保守としての必要台数を計上し、貯蔵品扱(経理の承諾が必要)にし
    て対応するなどの方法がある。