国内3位の西武池袋はなぜ切り捨てられたのか…そごう・西武の売却劇が示す「百貨店」という商売の終わり
>百貨店の特徴は『平場』と呼ばれる自主運営の売り場だが、その多くは競争力を失っている。高コストの百貨店が低コストのファッションビルに置き換わる流れは止まらないだろう
>90年代後半以降にターミナル駅直結や駅近に百貨店が開業することはほとんどなくなりました。大都市圏の主なケースをざっくりと思い返してみると、1997年開業のJR京都伊勢丹、2000年のJR名古屋タカシマヤ、2011年のJR大阪三越伊勢丹くらいでしょうか。
>ファッションビルとしては、JR東日本の各駅にはアトレとルミネが、JR西日本の各駅だと天王寺駅に天王寺MIO、大阪駅にルクア大阪、それからグランフロント大阪などが相次いで開業しています。鳴り物入りで開業したJR大阪三越伊勢丹もわずか4年で閉店し2015年からはファッションビル「ルクア1100(イーレ)」に変わっています。これはすでに90年代半ば以降は一般大衆にとって百貨店は必要不可欠な存在ではなくなっていたということの表れではないでしょうか。
>百貨店はファッションビルに比べてより多くの人員が必要となり、人件費が増大します。
>百貨店を開業するには、高コストでしかも独特の商品仕入れノウハウや専用スタッフが必要になるので、ファッションビルの開業よりも難易度が高いといえます。そのため、新規百貨店の開業は時代とともに減ってしまったといえるでしょう。
>将来的に百貨店が全滅することはないでしょうが、大都市都心店の中でも優秀店のみが残るという結末を迎えるのではないかと考えられます。そして各地のメインの商業施設は都心ならファッションビルと大型家電量販店、地方・郊外・一部都心駅前に大型ショッピングセンターという構図になって収束することになるでしょう。