耕心

写真：加賀一本太葱の花/金沢市
（秀明自然農法による栽培）

　畑を耕す
　耕すとはどういうことか
　土をほぐし　水や空気の出入れをよくする事だ
　野菜を育てるには大事な要素
　面倒な話だ
　野生の草は勝手に生えているのに
　なんと手間のかかる
　
　人の心はどうだろうか
　誰もが　強い心弱い心を　持っている
　時として　心を閉ざしたりする
　あるいは　普段でも心を開きたくない人との関わりがある
　いいや　そんな軟弱な心は持たぬという人
　野生の草と同じ　どこででも生きていける

　人は　多くの人と関わり　助けられて生きている

　もし
　相手のために　何か施したい　助けてあげたい時
　相手が　心を閉ざされたままでは　前に進まない
　その時は　相手の心を耕してみたい
　心をほぐすのだ
　
　では手段は何だ
　手で掘るか　鍬で耕すか　時間がかかる
　小さな耕運機がいいか
　大きなトラクターで一気に耕すか
　待て　逆に相手の心をズタズタにしてしまわないか
　
　小さな耕運機でも
　表面に野草が　それも土が見えないくらい生えていたら
　草刈りから始めなくてはいけない
　固く締まった土なら何度も耕運機を往復せねばならない
　石ころがあれば　耕運機を止めて手でどかさないとダメだ　

　相手の心はどうなっただろうか
　時間がかかっても　
　目標をきちんと定めたなら
　きっと
　ほぐれた心を取り戻してくれるに違いない
　
　けっして
　自分の意思を押し付けないように
　畑の土も踏みしめれば元の固い土
　
　慌てないように
　見た目はほぐれていても
　石ころや固まった土が残っていないか
　よく見たまえ
　
　ほぐれた心には笑顔が似合う